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音星の浄玻璃鏡で、無事に八天街へと戻った。

今日はきっと熱帯夜。

懐かしい感じがする八天街の民宿で。

みんなが俺たちの生還に大喜び。

夕暮れ時の民宿の面積一杯に大きな声が反響している。


「いや、良かったなあ!」

「本当に、無事に戻れて良かったねえ!」

「良かったよ。本当」

「火端くんって、ほんとタフねえ。ねえ、今度お姉さんと一緒に日本一周の旅に行きましょうよ」

「……あのさあ、みんなに水を差して悪いんだけどなあ……弥生ちゃんは?」


…………


「そうかあ……無事に人間に生まれ変わったかも知れないって? 弥生ちゃん?」

「ああ……」

「ええ……」


「どうしても、帰るのか?」

「ああ、古葉さん。俺のここでの役目はもう終わったんだよ」

「私も旅の途中でしたので、もう実家に帰らないと」


俺たちは八天街駅へと来ていた。

古葉さんの後ろでは、みんなが手を振っていた。


ロータリーからのクラクションの音。人々の忙しない雑踏。暑かった八天街の日差し。


どれも懐かしいんだ。


「じゃ、もう行くよ」

「それでは、お後よろしいようで……」


駅へ電車が走って来た。

帰りの際に、俺は音星の顔を見つめた。


「なあ、音星。……弥生は……ありがとうって、言ったんだよ。最後に」

「へえ、そうなのですか」


「ああ、きっとな」

「では、青森県へと行きましょうか」

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