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ゆんしょ
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#いわふか
ゆんしょ
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蓮の傷もだいぶ癒えてきた頃
親父さん達が帰る事になった
蓮 親父、助かった、帰っても無理すんなよ
「俺等の仕事は無理してなんぼだよ」
蓮 それはわかってるが…
「お前も傷が治ったら一度帰って来い、母ちゃんの墓に嫁連れて挨拶しに行け」
蓮 そうだな…近いうちに帰るよ
蓮の胸をとんっと叩いて帰っていった
大介 いい父ちゃんだな…
蓮 昔は嫌いだったんだけどな
大介 そうなの?
蓮 強くなれ、早く嫁をとれしか言われなかったからな
大介 でも全部蓮の為を思ってじゃん
蓮 今なら俺を心配して言ってたってわかる
治ったら一緒に帰ってくれる?あの街に
大介 うん、あの桜の木まだあるかな…
蓮 帰ったら見に行こう
蓮の傷が治ったのは秋
朝早く、岩本さんと深澤さんに暇を貰い俺達の生まれ育った街へ向かう
大介 こんなに遠かったっけ
あの時は親父に手を引かれとにかく走った
喉が渇いて川の水を飲んだり野草を食べたり
もう戻ってこれないんだ、蓮に会えないと泣いてたんだっけ
蓮 大介、疲れたら言って
俺の手を繋ぎ優しく微笑みかける蓮
あの時と違い隣には蓮がいて二人で景色を楽しみながら歩く
道中の茶屋で団子を食べたり
大介 蓮、ありがとう
蓮 何が?
大介 この道、嫌な思い出だった…でも今楽しい
途中で宿に泊まり着いたのは次の日の昼頃
「蓮さんおかえりなさい」
前にこちらに来ていた人達に迎えられ親分さんの所に案内される
「おう、来たか」
蓮 ただいま戻りました
「大介もよく来たな」
大介 はい、お久しぶりです、元気そうで良かったです
「疲れただろうから少し休んでから母ちゃんとこ行ってこい」
蓮 ああ、そうする
通されたのは蓮の部屋
大介 ここで蓮は育ったんだね
蓮 剣や体術の稽古ばかりさせられてたから寝るだけだったけどな
障子を開けると手入れされた庭
秋の涼やかな風が通る
少し休んだ俺達は花と水桶をもって蓮の母ちゃんの墓参りへ
蓮 母さん…嫁の大介を連れてきたよ
大介 はじめまして、大介です
二人手をあわせる
大介 ねえ、蓮の母ちゃんってどんな人だったの?俺は母ちゃん知らないから
蓮 優しい人だったよ…大介の事嫁にするって
言ったら 大切にしなさい と笑ってた
大介 そっか…
帰り道あの桜の木を見に行った
葉は散ってたけど昔より大きくなってた
大介 あの頃の蓮じゃもう手は届かないね
蓮 今なら軽く届くけどな
そう言って手を伸ばす蓮の眉の傷にそっと触れた
大介 本当に無茶したね
蓮 考え無しの子供だったからな
二人でくすりと笑う
蓮の屋敷に帰ると何やら慌ただしい
「蓮さんが帰ったので祝いの準備してるんです」
蓮 帰ったくらいでそんな大袈裟な
大介 俺も手伝います
「大介さんは親分が呼んでますんでそちらに」
大介 俺だけ?
蓮 なんで大介だけ…俺も行く
「いえ、蓮さんは坊っちゃんがお呼びで」
蓮 わかった、大介、用が済んだら俺の部屋に行っといてくれ
大介 うん、わかった
蓮と別れ親分さんの部屋に行く
大介 お呼びでしょうか
「ああ、お前さんに着てもらいたいもんがあってな、これなんだが」
指を差した所に掛かる白い着物
大介 これは…
「俺の嫁が着たもんだよ、こないだの踊りん時見て似合うと思ってよ」
大介 そんな大切な物勿体ないです
「蓮の嫁に着せてくれって言われてたんだよ、
死んだ嫁にな」
大介 親分さん…
弟に呼ばれ何の用かと聞くと祝いの席だからこれに着替えろと紋付袴を着せられる
たかが俺が帰ったくらいで面倒だと言うと
親父の決めた事だから逆らうなだと
「準備が整いましたので大広間へ」
広間の襖を開けると上座に座る親父の隣に
白無垢を着た大介
蓮 親父…これは…
「母ちゃんの最後の願いだ、蓮の嫁に自分の
花嫁衣装を着て欲しいって」
照れくさそうに微笑む大介
大介 俺が着るの勿体ないって言ったんだけど
どうしてもって言われて…やっぱり変?
蓮 いや…綺麗だ…凄く
前の踊りの時は艶やかな化粧
でも今はほんのりと紅を差しただけ
それなのにとても美しい
「そんなとこに突っ立ってないで早く座れ」
身内だけの簡単な式
それでもこんな事出来ると思っていなかった
蓮 親父…ありがとう
「なに、俺は自分の嫁との約束守っただけだ」
蓮 そうか…母さん…ありがとう
式の後、親父も弟も他の連中も飲んで騒いで
祝ってくれた
着物を汚したく無いと途中で退散した大介
目出度いと酔っ払った連中を何とか振り払い部屋に戻る
そこには化粧を落とし少し髪の濡れた大介が 縁側
で庭を眺めていた
蓮 そんなとこにいたら風邪ひくぞ
大介 大丈夫だよ…
大介の隣に腰掛て肩を抱く
蓮 やっぱり少し冷えてる
俺の肩に頭を乗せ
大介 なんか色々あったね…ちょっと前の俺には
考えちゃ駄目なくらい幸せ
蓮 俺も一緒だ
心を閉ざし、ただ生きていただけの大介と
求める物も無く人を切るだけの俺
月明かりの下大介に口付ける
秋の虫の音を聞きながら
コメント
1件
第14話読み終えたよ〜!!🌸✨ 蓮の実家に帰ってからの流れ、じわじわ温かい気持ちになった😭💕 親分さんが亡き奥さんの白無垢を大介に着せてくれたシーン、「蓮の嫁に」って言葉がもう…エモすぎて泣いたよ…!!!🥺💖 二人が縁側で肩寄せ合うラストも、月明かりと秋の虫の音が相まってすごく綺麗だった…。 昔の辛い道を、今は隣に蓮がいて幸せって言える大介が本当に尊い…。 ゆんしょ先生、じんわり心に沁みるお話ありがとう〜!!⋆♡