コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠注意
今後『終末Project』に属(ぞく)する物語を読んでいく気がない方にはまったく関係のない話です。
冥界(めいかい)。
それは邪神、死神が住む世界だ。
どこの世界でもそうだが、彼らには仕事がある。
邪神は人間を不幸にすること。死神は人間の魂を狩ること。
もちろん仕事なので勝手は許されない。
これはとある1角の話だ。
死神組織のひとつが所有するレンガ造りの建物。
燭台(しょくだい)に立てられたロウソクの炎が揺らめく仄暗(ほのぐら)い1室にて。
「すいませんっすいませんっ!!」
少年はローブをまとった骸骨(がいこつ)男に飛んでいきかねないほど頭を下げている。
それをとある2人組は遠巻きに眺めていた。
「まーたあの新人怒られてるよ。どうせ狩る魂でも間違えたんだろ?」
死神である彼らの仕事は、おもに死期が訪れた人間の魂を身体から切り離し、しかるべき場所へ送ることだ。
「いや、今回は死期より早く死んだ人間の魂を回収しそこねたらしいぜ」
「行方不明かよ……。だれの魂だ?」
「なんだったっけな……」
少し考えて、答えた。
「ああ思いだした。朱兔(しゅと)紅音だ」
「ふーん、早く見つかるといいな。変なやつに利用されないといいけど……」
そんな会話を交わす彼らの横を、
「…………」
深紅(しんく)の髪を持つ少年は通りすぎた。