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今後『終末Project』に属(ぞく)する物語を読んでいく気がない方にはまったく関係のない話です。






冥界(めいかい)。

それは邪神、死神が住む世界だ。



どこの世界でもそうだが、彼らには仕事がある。

邪神は人間を不幸にすること。死神は人間の魂を狩ること。

もちろん仕事なので勝手は許されない。



これはとある1角の話だ。






死神組織のひとつが所有するレンガ造りの建物。

燭台(しょくだい)に立てられたロウソクの炎が揺らめく仄暗(ほのぐら)い1室にて。



「すいませんっすいませんっ!!」



少年はローブをまとった骸骨(がいこつ)男に飛んでいきかねないほど頭を下げている。



それをとある2人組は遠巻きに眺めていた。



「まーたあの新人怒られてるよ。どうせ狩る魂でも間違えたんだろ?」



死神である彼らの仕事は、おもに死期が訪れた人間の魂を身体から切り離し、しかるべき場所へ送ることだ。



「いや、今回は死期より早く死んだ人間の魂を回収しそこねたらしいぜ」


「行方不明かよ……。だれの魂だ?」


「なんだったっけな……」



少し考えて、答えた。



「ああ思いだした。朱兔(しゅと)紅音だ」


「ふーん、早く見つかるといいな。変なやつに利用されないといいけど……」



そんな会話を交わす彼らの横を、



「…………」



深紅(しんく)の髪を持つ少年は通りすぎた。

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