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英日は既に付き合ってるような… 言葉の示唆が上手過ぎます。
あの人に初めて会った時から、もう数週間がたった。初めは難しかった業務も、今は仕事にも慣れなんてことない毎日をすごしている。まぁしかし、ここの会社の社長がイギリスだったことには驚いた。彼が社長で何かおかしいわけではないが、まさかここの社長だとは思いもしなかった。
『…あの人にまた会いたいですねぇ』
数週間前に会ったあの人のことを、今日もまた考えている。あの吸い込まれるような瞳が忘れならない。彼にまた会いたい。その想いは日に日に募っていき、ついには休憩時間オフィスを歩き回って彼を探すようになってしまった
『…一体どこの部署にいるのか、会うどころか見かけることすらありませんね』
そろそろ休憩も終わるころなのでデスクに戻ろうとすると、あの時の懐かしいアイリスが一瞬鼻を掠めた
『!!!まって、!ください!』
私は咄嗟に声をかけた
「どうした?」
そこで立ち止まったのは彼ではなく、社長…いや、イギリスだった
『っ、?』
たしかに、あの時嗅いだ彼の匂いだったはず…!なぜ、イギリスからこの香りが、
困惑が隠せずにいる私をみたイギリスは先に言葉を発した
「あぁ、ドイツじゃないか!そういえば私のところに来てくれていたんだったな。それと、そろそろ時間じゃないか?デスクに戻りなさい」
口角だけがあがった気持ちの悪いじっとりとした笑み。イギリスのあの笑みが、私は大嫌いだった
『…わかりました』
見つけられなかった悔しさと香りの疑念を抱えたまま、私は大人しくデスクについた。