(絵名side)
雨が降っている。今日はニーゴのみんなと近くのファミレスで打ち合わせをしていた。
「ふ〜、結構食べたな〜!ボクお腹いっぱいだよ〜」
「私は、そうでも無いかな。カップ麺食べてきたからあんまりお腹すいてなかったし…」
「……そろそろ門限だから…帰る。」
「じゃあ、私達も解散する?そろそろ帰りたいな、まだイラストの課題終わってなくて。」
「そだね〜、ボクたちもそろそろ解散しよっか!!」
「…うん」
「じゃあ私、こっちだから…また、ナイトコードで。」
「おっけー!じゃあね、まふゆ!!」
「またね、」
「うん、また、ナイトコードで。」
あ〜、イラストの課題、何書くか決まってないんだよな〜、どうしよっかな。
「あ!あそこにいるの、弟くんじゃない!?」
「ほんとだ、絵名の弟さん、」
「げっ!なんであいつがいんのよ!?」
「あっはは!絵名ひっどーい!笑」
「あ!杏もいる!!」
「サークルの皆で集まってるのかな〜?」
パサパサと傘にあたる雫の音。この音、嫌いでは無い。
私はある違和感に気づいた。彰人の後ろに黒いパーカーを着ている男の人がいる。見るからに怪しい、それに銀色の尖ったものが光ってる。
「…!?えっ!あ、あの人…!!」
えっ、なになに!あの人、彰人に向かって走って行ってる…!?まさか、彰人を刺す気?
「絵名?どうしたの?」
奏が私の様子がおかしいと思ったのか、心配してきた。
でも、そんなの耳に入らなかった。それよりも彰人の後ろにいる人をどうにかしなきゃ…!
「あ、彰人…!!危ないっ!!!」
私は傘を投げ捨てて彰人の方へ走っていった。今日は結構お気に入りの服だったけど、正直そんなのどうでもよかった。
グサッ!!
「うっっ!!」
バタン
「…は?え、絵名?」
「な、なんで倒れてるんだ?」
…やっぱり、あの男……彰人を狙ってたのね…!良かったぁ、彰人を…かば、えて
「絵名っ…!!」
瑞希と…奏…?
ああ、そっか…私倒れたんだ、刺されて…
「ハァハァッ、う、ぅぐ、、ハァ、あ、彰人…?」
「絵名…!!喋んなくていいからな!?い、今救急車呼ぶから……!!」
何を言っているのか…よく分からないや…聞こえないけど……皆なにか言ってる…あ、あの青髪の子はたしか…彰人の相棒で女の子たちは同じサークルメンバーで…
彰人…と奏、、と、瑞希…泣いてる…?はは、私、死ぬのかなぁ?でも、、彰人の変わりに死ぬのなら、まだいいかも………だんだん…意識が……
(彰人side)
ピーポーピーポー
サイレンが鳴る救急車の中に…意識を失ってる血だらけの絵名と…暁山と…絵名の…友達が乗ってる。暁山達は放心状態…無理もない…冬弥たちは帰らせておいた…すごく怒っていたな…特に杏は…
赤いランプが光っている。母さんと親父も隣にいる。2人とも……泣いている。白髪の女の人…宵崎さん…だっけか、暁山は泣いている宵崎さんの背中をさすってる。暁山の目も死んでるけど……
何も…考えられない…俺のせいで絵名が死んだらどうしよう、絵名に会えなくなったらどうしよう、それくらいしか頭に浮かばなかった。絵名は俺を庇った。だから、罪悪感しかなかった。絵名が死ぬくらいなら、俺が死んだ方がマシだ。
「なんで俺なんかを庇ったんだよ…」俺はそう小さく呟いた。それと同時に大きな雫が俺の頬を伝った。
手術中のランプがパッと消えた。
医者が出て来た。
「娘はぁ゛、絵名は無事なんですか…!?」
「……、内部の損傷が酷く……持って数時間かと…」
「そんな…!!嘘でしょ!?」
「本当に…!無理なんですか…?」
暁山と母さんが医者に飛びついた。
医者は申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。それはきっと、絵名は助からない…ということだろう。
医者は絵名を他の病室に運んだ。俺は絵名がが運ばれる姿を見て、涙が止まらなかった。
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