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ねこうさ きつね@❣️🎆🌟
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太陽の日差しが顔を隠し始め、辺りがもうそろそろ暗くなる。体育館の横、学校の敷地内の中でもっとも端にあると言われている生徒会室に男子高校生が二人。
生徒会担当の先生から文化祭会計報告の資料作成を頼まれこの生徒会室に籠ってから約数時間。支出、収入、差額など細かく確認しないといけないことが山ほどあり、正直終わりそうにない。
理系の俺でも、流石に数字を見すぎて疲れてきた。目を休めようと1度資料から目を離すと、未だに真剣に作成をしている青髪が視野に入る。
生徒会長兼、幼馴染兼彼氏、のまろ。
桃「ねー⋯疲れないの?」
青「おん、別に」
「ないこ疲れたんなら休んでもええで」
桃「えっ⋯」
「⋯やります⋯⋯」
青「ふっ⋯ 」
負けず嫌いが発動してしまったため仕方がなく資料を見つめる。先程と特に変化はなく、相変わらず数字が綺麗に並んでいる。生徒会長をサポートするのが副生徒会長の役割なので、幼馴染だからといってまろに任せきりにすることは許されない。帰りたい。
午後18時00分を過ぎた頃。最後の確認が終わり、バラけていた資料をまとめ上げついに作業が終了する。
なんとか完全下校の1時間前までに作業が終わり安心すると同時に、この資料を届けに行くためまろに声をかける。
桃「まろ、職員室行くよ」
青「⋯まろ疲れました、動けません」
桃「いけるって、ほら、ついてきて」
青「えぇえーー無理やってーー泣」
「急ぎじゃないじゃんーー泣泣」
桃「そうだけど⋯こういうのは早く出すのがルーr」
青「はい明日ね決定♪」
力尽きたのか先ほどとは打って変わって机に項垂れる。会長としての面と学生としての面のメリハリが上手くつけられていて本当にすごいなあと都度都度思う。
完成した資料を机の端に揃えて置き、スマホを取り出す。と、窓を打ち付ける雨の音が室内に響き始める。
嫌な予感がし、小窓を開けると益々強くなっていく雨音が耳に入った。
桃「おわった、雨降ってきたんだけど 」
「傘もってる?」
青「俺チャリやで」
桃「えぇ、帰れないじゃん⋯⋯」
小雨だったら強行突破すれば良い話なのだがかなり雨脚が強く、中々外に出れそうにない。
止むのを待つしかないのか。生憎、この学校は盗難の危険性から傘のレンタルが無いようで、非常に困る。前の生徒会長に言えば何とかなりそうだけど。
とりあえず、どうすることも出来ないので暫く待ってみることにした。この季節の雨なんか数十分で止むだろう。
桃「まろは?自転車ならすぐ駅まで行けそうじゃない?」
青「んー⋯ないこは?止むまで待つやろ?」
桃「だって傘ないもん、待つしかないでしょ」
青「じゃー俺も待つわ、濡れんの嫌やし」
一人でこの雨の中生徒会室に取り残されるのは嫌だったので居てくれると聞き少し嬉しくなる。こんな学校の端っこで倒れてたとしても多分誰も助けに来ないだろう。
先生に個別で帰宅についての連絡をし、許可を貰った数分後まろが呟く。
青「んー腹減ったなー⋯」
桃「なんか持ってないの?チョコぐらいあるでしょ」
青「チョコねぇ⋯昼に全部食っちまったんだよな⋯」
桃「え?ほんまに?結構あったよね??」
青「糖分ないとやってられませんわ」
雨音と共にまろのお腹の音が響き少し笑ってしまう。なにかないかとスクバの中を探してみるものの、見つかるのは飴ばかりで。こんな180越えの大男が小さな飴ごときで腹が満たされるわけがなくて。
でもなんとなくおもろいかなと思い⬅️レモン味の飴を2つ、3つぐらい取りまろに渡す。と、相当嬉しかったのかすぐに袋を開け頬の中にほおり投げる。
桃「ただの飴なんですけど」
青「口に入れとくだけで違うからねえ」
「あざます」
桃「喉つまらせんなよ」
青「ないこたんお母さんすぎるって」
ふふ、と控えめに笑うまろの表情に妙に惹かれ思わずガン見してしまう。
普段の学校生活ではあまり見ない、幼馴染の、彼女の特権であるこの笑顔。
その表情が俺だけに向けられていると自覚した瞬間、なぜか恥ずかしくなってしまって。
青「⋯ないこ?」
桃「⋯⋯」
正面にいる青髪を直視できなくて机に突っ伏す。
今の顔絶対見られたくない。自分が今どんな表情をしているか見なくてもわかる。
青「ないこたーーーーん」
「寝ちゃった?疲れちゃった?」
桃「⋯疲れてるけど寝てはない」
青「⋯耳真っ赤やで」
桃「寒くて」
青「嘘つけ、暑がりのくせに」
何か物をあげることだって、笑顔を向けられることだって、今まで何度もあったはずなのに。
今日に限って、どうしてこんなに脈が早いのか。
青「ないこの顔見たいなーー」
桃「さっきまで沢山話してただろーが⋯」
青「⋯」
桃「⋯?」
急に話さなくなった為どうしたものかと顔を少し見上げるといつの間にか隣に移動してきていた様で。
まずい、と思い反射的に体が動くももう時すでに遅く。両頬をがしっと捕えられもう逃げれない。
桃「っひょ⋯や⋯やえ⋯」
青「⋯なにがあったん⋯笑笑」
まろの骨ばった男らしい手が俺の頬を確実に捕え無理やりにでも顔を上げさせてくる。触れられた部分が益々熱くなり顔を赤く染めていく。
桃「⋯ぃや⋯ちがふ⋯かあ⋯⋯」
「はなせ⋯ほんひょに⋯⋯」
青「飴あげただけやんけ」
桃「⋯諸事情」
「知りひゃいなら1回手はなせ」
青「顔伏せないならええけど」
必死に頷くとまろの手が顔から離れていく。
正直、今すぐにでも顔を隠したいがまろに行動一つ一つを監視されている為怪しい行動はできない。
伏せない代わりに少しだけ視線を逸らすとやはり気がついたのか距離を詰めてくる。膝と膝が触れ距離が半端なく(ないこ視点)近くなる。
桃「近いんですけど⋯」
青「近い方が俺の顔よく見えるで」
桃「⋯別にいいんですけど」
青「俺の笑顔好きなくせによく言うわ」
桃「⋯」
こいつ⋯分かってやがる。
好きか嫌いかと言われればそりゃ当たり前に好き。まろの笑顔も、行動も、全てが。
昔からずーっと一緒にいて、まろの笑顔なんて嫌という程見てきた。
なのに、改めて自覚するとどうしても恥ずかしくなる。
桃「⋯ 」
青「黙ってちゃまろなんもわかんないなー」
桃「⋯すきだってば」
青「⋯なにが?」
桃「まろの笑顔」
「もちろん全部好きなんだけど⋯笑顔だけは何年も見てるはずなのに⋯心臓がばくばくすんの⋯」
「何とかしてよね⋯ほんとに⋯」
雨音が響く生徒会室に小さく俺の声が響く。
普段言わないことを言ってみれば1発KO。
先程まであれほど揶揄って来ていたまろが目を丸くし固くなっている。
途端に俺も更に恥ずかしくなってしまって。何言ってんだと自分を責め両手で顔を隠そうとした瞬間いきなりまろに抱きしめられる。
桃「ちょ、あほ⋯ここ学校⋯」
青「はあーーーーーーーーーーー」
「ほんまに⋯ここ学校で良かったわ⋯」
桃「え」
青「⋯こっち来て」
桃「ぇ、ちょ⋯」
俺の体勢がきついことに気がついたのかまろに抱き上げられ、そのまま膝の上に座らされる。
密着している部分が増え、まろの心臓の音までも薄らと聞こえてくる。
顔が先程とは比べ物にならないくらい近づき、もう逸らしようがない。
桃「ま、ままろ⋯ちかいって⋯」
青「おれも好き」
「ないこの全部好き」
桃「わか、ったから⋯離せ⋯ 」
青「無理やな」
「ハグで我慢してんねんから許せや」
桃「⋯」
青「なんでまた赤くなんねん⋯笑笑笑笑」
「変なこと考えてたやろ」
桃「⋯ぅううるさい⋯」
「とにかく離せ⋯ほんとに」
青「無理」
桃「まじだから⋯ねえまろ⋯」
青「むり」
いくら声をかけようと離れる気のないまろ。
近すぎる距離に加えて、俺の好きなまろの匂いが鼻をくすぐる。
力ずくで逃げようとしても華奢な俺が到底まろに勝てるわけも無く。
冷や汗だらだらの状態で焦りまくっていた時まろが呟く。
青「⋯ないこさん」
桃「⋯なに」
青「⋯ん⋯興奮しちゃった?笑」
「お腹ん所に⋯当たってんすけど⋯」
桃「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ」
「⋯だから離せって言ったの」
やはり気づかれてしまった模様。
普通に考えて、大好きな人とこんな至近距離にいて、抱きしめ合って興奮しないわけないだろう。
学校で、しかも副生徒会長という立場で、いくら今人がいないからって学校で勃ってしまうのは人としてどうかと思う。(自責)
桃「離してくれれば落ち着くから⋯」
青「嫌です」
桃「⋯ねえ⋯まろ⋯まじで⋯」
青「⋯生徒会室って誰か先生方出入りするっけ」
桃「え?⋯多分誰も来ないと思うけど⋯」
「⋯ねえ、嫌な予感がするんだけどさ」
青「⋯」
またもや無言になったと思ったら、制服のズボンに手をかけてくる。突然の出来事に上手く対応できず慌てていると、まろのスマホから着信音が鳴る。
青「⋯」
桃「⋯誰だった?」
青「せんせー」
桃「⋯いや⋯出ろよ」
青「後ででええやろ」
桃「っ、だから⋯出た方がいいって⋯」
「出ろ、副生徒会長からのお願い」
青「えぇえ⋯今いいとこなんに⋯」
「⋯はい、もしもし、猫宮です」
渋々ズボンから手を離しスマホで電話に対応するまろ。切り替えの瞬間がかっこよくて見蕩れてしまう。
はい、はいと短く返事をし電話が終わったと思えばスマホをすぐに置く。
青「生徒会室の鍵閉めちゃんとしろよーだってさ」
「メールでええやんけ」
桃「わざわざ有難いじゃん」
青「⋯⋯続きします?」
桃「しません離せ」
青「ええーーーー⋯田中殺す⋯」
桃「先生は何も悪くないだろ」
やっとまろの膝の上から脱出しベルトを付け直す。どうやら今の先生からの電話で落ち着いてくれたようで。
桃「あれ、雨やんでる」
青「えー帰る⋯?」
桃「もう完全下校時間過ぎてんだよ」
青「先生に許可いただいたやん」
桃「限度があるでしょうよ⋯」
青「えー⋯せっかくないこといちゃいちゃしてたのに⋯」
桃「ほら⋯資料持って」
鞄に荷物を詰め、生徒会室から出る。言われた通りしっかりと戸締り確認をしてから下駄箱へと向かう。
外はすっかり暗く、先程まで降っていた雨が地面を濡らしている。
桃「なんでそんなに静かになってんの⋯」
青「⋯なんでもない」
桃「⋯」
あんなに楽しそう(ないこ視点)だったのにすっかり静かになっちゃって。余程2人だけの時間が
好きなのか後ろ姿が落ち込んだ犬のように見える。
先に歩いていってしまうまろに一声かける。
桃「⋯まろ」
青「ん」
桃「こっち向け」
まろが足を止めゆっくりと振り返る。どこか不満そうな顔に近づきそっと唇を付けると一変驚いた顔になる。地味に身長差が響き、下唇にしか触れられなくてなんかもどかしい。
青「⋯え」
「ど⋯うしたん??」
桃「⋯したかっただけ」
「まろのこと好きだから」
目を見つめてそう言うと何かを必死にこらえるように、まろが顔を歪めた。途端に手を繋いで引っ張りながら校舎の外へと出ていく。
桃「まろ⋯あの⋯腕ちぎれるんですけど⋯」
青「まろもう無理です結構我慢しました」
「俺ん家行くけどいい?」
桃「は?え⋯別にい」
青「おけ」
どうやら俺に拒否権というものはないらしく、半ば強制的に連れていかれる。
特に嫌ではないのだけど、繋がれた手が妙に熱くて。
隣を歩くまろは先程から一言も喋らない。
桃「⋯まろ」
青「なに」
桃「怒ってる?」
青「なんで?」
桃「いや⋯やけに静かだから⋯」
青「⋯ないこの行動にびっくりしてるだけ」
「あとは⋯まろも男なもんでね」
桃「⋯は、はあ⋯」
青「俺ん家着いたら覚えとけよ」
桃「⋯え」
青「ふふーん🎶🎶」
そう言って笑うまろの顔を見てまた心臓が激しく音を立て始める。
今日の俺はどうかしてるみたい。
コメント
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読んだよ〜!この2人の距離感と空気感、めちゃくちゃいいね✨雨で閉じ込められた生徒会室っていうシチュエーションがすごく効いてて、学校だからこそのドキドキ感が伝わってきた。特に「耳真っ赤やで」からの照れ隠しの攻防がリアルで可愛すぎるし、最後のキスのシーンでは心臓がバクバクしたわ…!まろの「俺ん家着いたら覚えとけよ」の含みのある言い方、続きが気になりすぎる🔥