テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
二人並んで、キッチンで水分を摂った後、歯磨きを終わらせた。
若井が、僕の手を引いて、寝室へ連れて行く。僕は、洗面所から持ってきたバスタオルを、ベッドに敷いた。
「あ、そっか、そーいうのもいるんだ。」
「…うん。」
後ろから声がする。若井は、女の子との経験できっと考えているから、もしかしたらいざとなると引いてしまうかもしれない。僕は、そう考えて、心に保険をかけておく。
「じゃん。」
若井が、ローションを僕の目の前に出す。僕は驚いて、振り返ると、若井が照れくさそうに笑った。
「引いた?」
「え?」
「ヤル気満々かよって。」
「あ、いや…それがいるって知ってるんだ…て思った。」
「…涼ちゃんとさ、いつそーなってもいいようにって、まあ、願掛け?みたいな。」
「若井…。」
僕は、こんなにも想ってくれてる若井の気持ちを、いつまでも疑って、自分が傷つくのが嫌で心に保険をかけて…なんて失礼なんだろう。
僕は、ゆっくりと若井に抱きついた。僕が、若井が用意していた事を受け入れたのにホッとしたのか、若井も優しく抱きしめ返してくれる。
「…ちゃんと言っとくけど、身体目当てじゃ無いからね。」
「プッ…。」
僕はつい吹き出して笑う。うん、と頷いて、キスをした。若井が、そのキスに応えながら、僕をベッドへと腰掛けさせ、そのままそっと寝かせる。
若井が上に被さり、パジャマのボタンを一つずつ外していく。全て外すと、肌着が見えて、若井がふふ、と笑った。
「…なに?」
「いや、どうせ全部脱がせるのに、ちゃんとシャツ着てんだなーと思って。」
「だって…。」
「涼ちゃんらしい。」
そう言って、首筋を舐めながら、スル、と肌着に手を入れて、胸上までたくしあげていく。頭から、パジャマごと肌着も脱がされた。そのまま、胸の辺りにキスをくり返す。ぺろ、と胸の尖りを舐められ、身体がピクッと跳ねる。
「ここ弱い?」
「わ、かんない…。」
若井が、舌先を使って何度も尖りをチロチロと舐める。その度に、身体を捩り、声が漏れる。そして、口に含んだかと思うと、強く吸って口の中で舌で弄ぶ。
「あぁ…!」
大きな声に自分でもびっくりして、手で口を塞ぐ。
「声出してよ…。」
若井は、そう言いながら、僕のズボンを下着と一緒に一気にずらした。そして、ローションを手に取り、手のひらで温めてから僕のモノと孔に塗りたくる。
「ん…。」
手で口を押さえながら、漏れる声を必死に抑える。若井は僕をじっと見つめながら、指を一本、孔に入れる。
「う…!」
久しぶりに人の指が入る感覚に、脚に力が籠る。くちくちと音を鳴らして、若井が指を動かす。
「すご…めっちゃ締まる…力抜かないと…。」
「う、うん…。」
若井がキスをしてきて、舌を絡め合う。ゆっくりと力が抜けていき、若井が指を引き抜いたかと思ったら、ローションを追加して、二本に増やして挿れてきた。さっきよりも大きな音が、ぐちゃ、と響く。
「音、聞こえる?」
若井が耳元で囁く。指を交互に動かし、ぬちゃぬちゃと音を立てる。
「あ、だめ………んぅ…。」
「やらしーね、かわいい。」
わざと、耳元で囁いて、さらには耳を舐めてくる。耳元でぴちゃ、と大きな音がして、お腹の辺りが切なくなる。声も我慢できない。
「あ…や…耳…やめ、だ、…だめ…。」
「ん〜?」
ずぶ、とさらに指が増えて、三本挿ってきた。流石に少し苦しい。
「ぅ…。」
「痛い?」
「ぃゃ…ちょっと、苦しぃ…。」
若井が三本指の間から、たっぷりローションを中に注ぎ挿れる。冷たいその感覚に、身体が動く。
「あ…!」
「ごめ、冷たかった?」
「だ、大丈夫…。」
潤いを増したそこを、若井がまた大きく掻き回す。ずっちゃ、ずっちゃ、と大きく響く。
「音、やめてぇ…。」
「だって、鳴っちゃうんだもん…!」
若井が首筋にキスをしながら、やらしくていいじゃん、と呟く。よくないよ、恥ずかしいだけじゃん…!
若井が身体を起こして、指をゆっくり引き抜く。僕の脚を広げて、まじまじと見つめる。
「わぁ〜、ヒクヒクしてる…えっちぃなぁ。」
「もう、いちいち言わないで…!」
ニヤ、と笑って、ゴムを付けた自身を孔にあてがう。ぬちゅ、と入口をなぞる。
「…挿れていい?」
「うん…。」
ぐっと脚を広げられて、ローションを塗った若井のモノが、僕の中に挿ってきた。ゾクゾクと快感が昇ってくる。
「はぁ…あったか…。」
若井が前髪をかきあげ、そう呟く。
「あ、やべ、髪にローションついちゃった。」
へへ、と笑って、顔を近づける。
「痛くない?」
「うん、へいき…。」
「…じゃあ、動くよ。」
腰を掴んで、若井が腰を打ちつける。ぱん、ぱん、と部屋に音がこだまする。
「う…あ…あ…ん…ふ…っ…ぅ…。」
「あー、きもち…。」
若井が上を向いて息を吐く。
「涼ちゃん、めっちゃ締まるから、すぐイッちゃいそう。」
若井が、僕の腕を引っ張って、背中を支えながら身体を起こさせる。繋がったまま座って抱き合う形になった。
「涼ちゃんも動いて?」
「う、うん…。」
若井が後ろに両手をついて、自分の体を支え、その肩に僕が両手を置いて、ゆっくり上下する。
「ん……っ……ん……ん…っ。」
「…かわい…。」
唇をかみしめて、動きながら声を我慢する僕を見て、若井がうっとりと呟く。僕の髪を耳にかけ、ほっぺを触る。
「あ、ごめん、ベタベタしてる。」
「…んん、大丈夫…あ…っ…。ん…。」
そのまま顔を引き寄せられて、舌を絡め合う。僕が動きを緩めると、若井が下から突き上げてきた。
「あっ!あっあっ、あっだ、めっ…んぁっ!」
「だめ?やめる?」
下からなおも揺さぶりながら、若井が意地悪そうに笑う。僕は若井にしがみついて、だらしなく声を漏らし続ける。
「あっあっ…、は…っ…あ…あぁ…!」
「涼、架。」
「あ…っ…ひろ、と…。」
舌を絡めあいながら、若井が動きを早める。僕は仰け反りながら、突かれるたびに声が押し出されてしまう。
若井が力いっぱい奥へ打ちつけると、ビクビクと何度か震えて、僕の中で果てた。若井がゆっくりと引き抜くと、二人で荒い息を整えながら、力無くバタリと横になる。
「はあ〜〜〜…気持ちよかったぁ〜…。」
「ふふ、…よかった。」
若井が上体を起こして、僕を見つめる。
「涼ちゃんは?」
「ん…きもちよかった…。」
若井がチュッと優しくおでこにキスをすると、そのまま僕の胸の尖りと下のモノをまた弄り始めた。
「涼ちゃん、まだイッてないでしょ。」
「あ…ぼ、僕は…いいよ…んっ…。」
「だーめ、イキなさい。」
そんな風に、若井に胸やら耳やら責められて、僕は呆気なく達した。
『わあー…涼ちゃんもまだまだ若いねぇ…。』
あの時の元貴の声が、頭の中で響く。僕は、泣きそうになって、若井にしがみついた。
「どしたの?」
「…またお風呂入らなきゃね。」
「そうだね、また一緒に入ろ。」
そう言って優しく笑う若井に、縋り付くようにキスをした。早く、早く僕の中から、元貴を追い出さないと。そんな気持ちで、必死に若井の唇を求めた。
正月気分も抜けきらない中、FCツアーで、地方に前のりした僕たちは、スタッフと一緒に夜ご飯を食べていた。
ホテルに戻ろう、となったところで、僕は元貴に近づいた。
「…後で、ちょっと話したい事があるんだけど…。」
「…いいよ、部屋に来て。」
ホテルに戻って、僕は元貴の部屋を訪ねた。
「涼ちゃんどうしたの?」
部屋に招き入れながら、元貴が言う。だいぶ、二人きりでも穏やかに、昔のように、話せるようになっていた。
「えっとね…報告、なんだけど。」
「うん。」
僕は鏡台の前の椅子に座り、元貴はベッドに腰掛ける。僕は、目を合わせられず、自分の手をぎゅっと握って、そこばかりを見ていた。
「…若井…と………付き合っ…てる。」
しんと静まり返った部屋に、僕の声が溶けていく。
「………そっか。おめでと。」
元貴が、優しい声でそう言った。僕は泣きそうになるのを堪えて、ありがと、と小さく応える。
「…ま、そうなるかなって思ってたけどね。意外と早かったかな。」
元貴が、カラッとした声で言う。何も、気にしてないみたいに。
「元貴…は?新しい人、いるの…?」
「………ああ、うん…まあ。」
ズシッと、胸の奥が重くなる。そっか、いるのか。
「…おめでとう。………ごめん、それだけ。」
僕は、涙が零れる前に、立ち上がった。元貴は特に何も言わず、動かず、静かに座っている。僕は、逃げるように元貴の部屋を出た。
ドアを閉めた途端に、涙が溢れて、ドアにもたれるようにしゃがみ込んだ。嗚咽を漏らさないよう、小さくなって静かに泣く。
「…涼ちゃん。」
頭上から、声がした。僕は、顔を上げられない。
「…元貴に、話したの?」
小さく頷く。止めたいのに、止めなきゃいけないのに、涙が溢れて止まらない。
若井が、しゃがみ込んで、僕を抱きしめる。やめて、優しくしないで。こんな最低な僕に…。
「…好きだよ。」
若井が、優しく呟く。僕は、何度も頷いて、若井に縋りついた。それから、何も言わず、ずっと背中をさすってくれた。
若井の部屋で、温かいお茶を飲む。
「そんな、無理して元貴に言わなくてもよかったのに。」
若井が、ベッドに腰掛ける僕の隣に座って、笑いかけた。
「…無理してないよ。黙ってるのは、僕が、嫌だったんだ。ちゃんと、若井と付き合いたいって、思って。だから、きちんと言うべきだって…。」
「…元貴はなんて?」
「おめでとうって。何も気にしてなかったよ。」
薄く笑う。お茶を持つ手に力が入る。
「それと、元貴にも、もう新しい恋人がいるって。」
「え?!うそ!?」
「ほんと。」
「…まじかー…。」
俯いたままでいると、若井がそっと抱きしめてきた。
「…それであんなに泣いちゃって。バカだなー、涼ちゃん。」
「それでじゃないよ、色んな事でだよ。」
「はいはい。」
背中をポンポンとされて、僕も若井の背中に手を回す。
「涼ちゃん、俺別に焦ってないから。」
「ん?」
「十年も好きだったんだから、そんなすぐに切り替えらんないのわかるし。」
「…。」
「だから、涼ちゃんも焦んなくていいよ。ゆっくりで。」
僕の目から、雫が落ちる。
「若井…カッコよすぎ…。」
「惚れた?」
「もう惚れてる。」
その日の夜は、若井と抱きしめ合いながら寝…ようと思ったけど、流石に次の日がライブなので、自分の部屋に戻ってゆっくり睡眠を取らせてもらった。若井は、ドライだな、とか言ってたけど、お仕事だからね。
無事に今回の地方公演も終わり、ほっと一息ついていた時、控え室に来訪者があった。
FCツアーで、しかも地方の公演に、なかなかご挨拶に来て頂けることなんて珍しいので、誰かな、と見ていたら。
「あ、涼架くん!」
「ああ!え!?阿部さん!?」
なんと、今をときめくSnowManの、阿部亮平さんだった。
「お疲れ様でした、すごく良かったです!無理言って、公演見させてもらっちゃいました。」
「えー、ありがとうございます。すごいですね、ここまでわざわざ?」
「たまたまこっちの方でロケがあったもんで…この日ミセスさんライブしてるじゃん、行きたい!って。結構急だったんで、スタッフさん達に申し訳なかったですけど。」
「いやいや、嬉しいです、ありがとう!」
「あの、今はお忙しいと思いますけど、一息ついたら、またご飯行きませんか?今度はゆっくり。」
「あ、ぜひぜひ!この前はちょっとだけでしたもんね。」
「だいぶ前ですけどね。」
「この前でもないか。はは。」
「じゃあ、また連絡します。」
「僕からも空いてる日とか連絡してもいいですか?」
「もちろん!」
「よかった!」
和気藹々と話が弾んで、最後にメンバーやスタッフさん達に差し入れを渡して、深くお辞儀をして帰って行った。
僕の傍に、若井が歩み寄る。
「…涼ちゃん、今のって、誰だっけ。」
「SnowManの阿部亮平さんだよ。」
「あー!SnowManか!どっかで見たと思ったら。」
「若井、失礼だよ。」
「ごめんなさい、交流無いとなかなか覚えれない…。」
「はは、まあ確かに。」
「え、なに繋がり?いつの間に?」
「んー、去年の夏…アトラの後あたりかな、番組で一緒になった時に、声かけてくれて。」
「向こうから?」
「うん。今度ご飯でもどうですかーって。」
「なんで涼ちゃんに?」
「なんでってこたないでしょ!同い年だし、同じ『りょうちゃん』だからって言ってたかな。」
「え!あの人涼ちゃんと同い年なの!?」
「うん…どっちの意味で?」
「いや、可愛らしいから、涼ちゃんより下だと思ってた。」
「ごめんね老けてて。」
「そんなん言ってないじゃん!」
若井がじゃれついてきて、ハイハイ、といなしておいた。
「なに、もうご飯、行ったの?」
「うん、連絡先交換して、その後すぐ。お互いに忙しくて、仕事の合間の1時間くらいにテレビ局の近くのご飯屋さんでね。すごいバタバタであんまり喋れなかったんだ。」
「ふーん…。」
若井が、ちらと遠くでスタッフと談笑している元貴を見た。
「それ、元貴も知ってんの?」
「え?」
不意にその名前を若井から出されたので心臓が跳ねる。
「え、いや、特に言ってないと思うけど、なんで?」
「いや、アトラの後ってことは…。」
「うん?」
「いや、涼ちゃん割と秘密主義だよね。」
「え、別に秘密ってわけじゃ。」
「だって、友達いないってずっと言ってたじゃん。」
「友達じゃないでしょ、阿部さんは。」
「ひえ。」
「なに。だって、まだ一回しかご飯行ってないし、全然連絡取ってなかったし。だから今日来てくれたのもびっくりで。」
「ドライって言うか、もう無自覚失礼だよね、涼ちゃん。」
「え?」
「だって、阿部さんの方は『涼架くん』て呼んでんのに、涼ちゃんかなり他人行儀だったじゃん。」
「えー…そんなつもりないんだけどな…でも友達って、どこからそう言っていいのかわかんなくない?」
「まあ、俺も友達いないからわかんないけど。」
「悲しい!」
若井と笑い合ってたら、そろそろ着替えましょう、とスタッフに声をかけられたので、僕たちはそれぞれ着替えに移った。
数日経って、元貴が、ぼそりと僕たちに異変を漏らした。
「なんか、ずっと耳に水が入ってるのか、ボーッて音がすんだよね。」
「片足でトントンしてみ?」
若井が、耳から水を出す動作をやってみせて、もう散々やったけど、と元貴に言われていた。
スタッフさんが、スマホで何やら調べて、元貴にすぐに病院に行くよう手配し始めた。急に物々しい雰囲気になり、僕と若井もスマホで調べてみたら、『外耳炎』『急性中耳炎』『メニエール病』など、様々な耳の病気が出てきた。
「…大丈夫?」
「うん、病院行けばなんかわかるでしょ。とりあえず行ってくるわ。」
「うん…。」
僕と若井は、病院へ向かう元貴を見送った。
しばらくは元貴抜きで練習を続けていたが、病院から一報を受けたマネージャーが、青い顔をして僕たちを集めた。
「元貴くんですが、検査の結果、突発性難聴との事でした。」
「え…。」
「うそ…。」
「大丈夫かな…。」
「まだツアー中なのに…。」
スタッフさんたちがざわつく。僕は、頭が真っ白になって、手が冷たく震えた。若井が、ギュッと手を握ってくれる。その手も、わずかに震えていた。
「とりあえずは、すぐに発表して欲しいとの事で、私たちはその準備にかかります。」
「え、発表するんですか?こんなすぐ?」
僕が言うと、元貴くんの希望だから、と。
「涼架くんと滉斗くんは、このまま練習を続けてください、との事です。元貴くんは、今日のところは家に帰って休養を取ってもらいます。」
僕たちは、なんとか気持ちを立て直して、練習を続けた。心がザワザワし続けて、脳と身体がバラバラに動いている感覚だった。
ようやくその日の練習メニューも終え、僕たちは真っ直ぐに、元貴の家へ向かった。
コメント
29件
願掛けしてた💙と結ばれて良かったと💙💛も推しな私は思っちゃいました🫶 でも、♥️くんに伝えた後、泣いてる💛ちゃんが、、、そしてそれもひっくるめて包み込む💙が! 今回も良すぎました🫶毎日癒しと楽しみをありがとうございます🙇
あわわ、、今回も凄く良かったです。続きが気になりすぎて変な妄想してしまう😑 楽しみに待ってます!!