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から君
パピコォォォ@活休
御伽噺『少女』
むかしむかし、今から何百年も前、あるところに1人の少女が、1人孤独に生きておりました。魔界の風は冷たく、夜になると星さえ少女を避けるように雲に隠れました。ある日突然、両親に捨てられ行く宛てもなく、ただひたすら魔界を彷徨っていたのです。そんな絶望の毎日を送っておりました。
その少女は全てを創り出す力と、全てを破滅させる力を家系能力としてもっていました。けれど、魔界には昔からこんな言い伝えがありました。 “創りし者は、同じ手で滅ぼす”と。周りの人々はそんな彼女を怖がり、たとえ少女が困っていたり、死んでしまいそうだとしても手を差し伸べることはしません。だって、もしかしたら自分が消されてしまうかもしれないと、そう考えたからです。
ある日、何者かが彼女を襲いました。彼女の力を欲し、自分たちのものにしてしまおうと企んだのです。孤独な少女は助けの宛もなく、ひとりでたくさん、たくさん逃げました。ですが、ついに追い詰められ、逃げる場所を失いました。少女の影に、ひとつ、ふたつと暗い暗い、闇が増えていく。必死に抵抗していたら、その悪い人を、破滅の能力の暴走によって、消してしまったのです。
その後、能力の影響か、トラウマからなのか、その少女は記憶を無くし、また1人彷徨いました。そこに、一筋の光が差し伸べられました。それは、とある学校のいちばんうえの悪魔。とても優しくて、あたたかくて、失いたくない、そう強く思いました。こうして、彼女の長い長い夜が明けていったのです。
その少女が、現在生きているかは分かりません。彼女に必要だったのは、少しの光だった。ただそれだけだったのです。
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