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ソフィア「その前に…。」
メリンダ「ウフ、何?」
ソフィア「好きなだけ技を出しなさい。」
メリンダ「ウフフ、舐められても困るわ。ただでさえあの大群があるのに、増やせと…面白いじゃない。」
その言葉には苛つきが含まれているような気がする。
ソフィア「どうぞ、お好きなだけ。」
メリンダ「ウフフ、馬鹿にして…後悔しないでね。」
ソフィア「そちらこそ、その台詞、貴方に返すわ。」
メリンダ「ウフフフ、『喰らい尽くす悪魔の害虫』。」
飛蝗や蝗と、農家が悲鳴をあげるわね。
メリンダ「ウフフ、冥土の土産よ、貴方の好きなもの。『百の足揃えて進む巨体』。」
デカいなーあの百足。
まぁ、土産話にはちょっといいかも。
メリンダ「ウフフフ、これも見せるのは貴方で最後ね。」
ソフィア「何をするの?」
メリンダ「ウフ、とっておきよ。」
ソフィア「そう。」
メリンダ「ウフフ、数多の虫、連ね。暴れ回って、潰し。進むは、『百虫(ひゃくちゅう)通りの展覧会』!」
うわっ!
本当に無理。
今までのはパーツだったから良かったけど…まさかの全体像とは。
キツイ、本当にキツい。
しかも、種類豊富。
吐きそうになる。
メリンダ「ウフフフフ、虫嫌い克服してから死にましょう。」
ソフィア「…えぇ、貴方も土に埋もれて死になさい。」
メリンダ「ウフフ、面白いことね。」
ソフィア「『ノーム』、セット。」
パリンとフラスコを割った。
突如、空洞内に大きな音が響く。
メリンダ「ウフフフ、何がセットなの?」
ソフィア「見てたら分かる。」
もう少しのところまで虫の大群が来ている。
落ち着け私!
焦っては相手の思う壺よ。
吸って…吐いて…ゆっくり…深呼吸して。
ソフィア「下ろして…潰れろ!『ロック ハンマー』。」
すると、次の瞬間、凄まじい速度で天井の一部が虫の大群と、あいつ目がけて落ちてきた。
メリンダ「ウフフ、そういうこと…『螺旋に渦巻く丈夫な殻』。」
落ちる間際に唱えたそれは、自信満々のように聞こえた。
しかし、落ちてきたのは、ただの岩ではなく。
ノームの力を宿した岩。
そこらの岩とは別が違う。
…正直なところ、結果ははっきりしていた。
岩から出てくるのを今かと待ち続けたが、出てくることはなかった。
それはそうと解毒剤を飲まないと。
鞄を漁る。
…何処にやったかな?
あっ、これか?
あっ、これだ。
グビッと飲み干すと、次第に足の震えが無くなっていった。
直後に、遠くの方から、私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
アレン「ソフィアさーん。何処ッスかー?」
ソフィア「アレン君、こっち。」
アレン「あっ、ソフィアさん!良かった、無事で。」
腕を振りながら走ってきた。
ソフィア「アレン君こそ…あっ、腕に傷が。大丈夫?」
アレン「あぁ、大丈夫ッスよ、別に。」
ソフィア「いやいや、大丈夫かもしれないけどね、傷も放っておいたら大変なんだから。腕貸して。」
アレン「…はい、すいませんッス。」
傷口を消毒し、包帯を取り出し、アレン君の腕に巻く。
アレン「それにしても後ろ凄いですね。」
ソフィア「あぁ、これ。さっき倒したばっかりなのよ。」
アレン「そうなんスね。」
ソフィア「アレン君もその感じだと…。」
アレン「はい、降参させてきました。」
ソフィア「私は…生きてるか分かんないな。」
アレン「まぁ、ほぼ崩落ですもんね。」
ソフィア「そうね。」
アレン「ってか、アーサー君…無事に生きてるッスかね?」
ソフィア「急ごうか。」
アレン「そうッスね。」
アーサー君が入っていった道は崩れ、穴が空いていた。
アレン「どうしましょう?」
ソフィア「任せて。」
フラスコを取り出し、割る。
ソフィア「『ノーム』、セット。」
アレン「セッ…ト?ってなんスか?」
ソフィア「まぁ、見てて。」
アレン「はっ、はい。」
ソフィア「『ブリッジ』。」
すると横の壁がズレてきた。
アレン君は凄いものを見た感じで驚いていた。
ソフィア「ほら、通れるかな?」
アレン「完璧ッスね!」
ソフィア「いや〜、ありがとう。それじゃあ、急ぐよ。」
先に進むと地底湖に出た。
地底湖の上には水晶があったのだろう。
ところどころ、お目当てのものではない、白く濁った水晶が落ちている。
ソフィア「アーサー君!いる?」
アレン「アーサー君。返事してッス。」
全く返事が返ってこない。
奥には道があるのだが、どう見てもここで何かがあった。
そんな気がしてきた。
ソフィア「待ってみる?」
アレン「そうッスね…待つしかないッス。」