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サバンナの大草原のあるところにハーフテールという名のヒョウがいた。彼女は若い頃、ライオンと戦い、その時、尻尾を食いちぎられてしまったのだ。だからハーフテールという名になった。ハーフテールのあとを追うのは生後半年の娘、シャドー。幼いながらも元気な娘です。実はシャドーは双子でした。腹の中にもう一匹いたのですが、亡くなってしまい、シャドーだけが元気に出てきました。ハーフテールにとって初めての子供。この時4歳だった。ハーフテールは戸惑いながら懸命に育て上げた。狩りのすべてを教え込み、生きるすべを全力をつくして教えた。だからシャドーは美しく賢く育ち、無事、親元を去っていった。ハーフテールはヒョウにしては珍しく昼間によく行動していた。だが、十分にその血を引いたはずだった娘、シャドーは夜型ヒョウだった。
ハーフテールはシャドーを育て上げたあと、新たなオスと出会った。ハーフテールはびくりとした様子で立ち止まった。なぜならその顔はハーフテールは見覚えがあったからだ。
それは一年前のこと。ハーフテールが必死にしとめた大柄なトムソンガゼルを木に運んでいたときでした。ギュッと獲物を捕まれ、引き止められたのです。振り向くとそこにはハーフテールよりも大きくて強そうなオスのヒョウがハーフテールの獲物をくわえて離しません。しかし、そう簡単には渡すわけには行きません。そのまま、ぐっと力を使って木に登ろうとしましたが逆に少しだけ、地上に近くなってしまいました。すると、ヒョウはその棍棒のように大きな前足を使ってハーフテールに猫パンチしたのです。びっくりしたハーフテールはそのまま獲物を離してしまいました。するとヒョウはまってましたと言わんばかりに獲物を持ち去ってしまったのです。
そう。このオスは紛れまもなく、あのオスでした。左目の下に切り傷が入っているのが唯一の違いでしたがそれでもはっきりわかりました。「敵」とみなしたのか、ハーフテールは低姿勢で相手を睨みつけました。しかし、相手のオスのヒョウ、グレンヴァは気にもとめないようでした。そして敵意はないというアピールをすると二匹は無事、結ばれました。そして生まれたのが一匹のメス、ビューリーだった。二匹目もメスだがハーフテールは大事に育てた。オス・メスを気にすることができるほど自然は優しくありません。二番目の子、ビューリーが生後七ヶ月のある日、ハーフテールはビューリーをそばに置いて狩りに出かけました。しかし、あと一歩のところで獲物を逃がしてしまいました。獲物のトムソンガゼルは風のようなスピードで逃げ去っていってしまいました。すると、大きな地響きがして1頭のオスライオンが逃げたトムソンガゼルを襲いました。放浪ライオンです。群れに入ることができず、一匹でさまよっているのです。すると、仕留めた獲物を腕の間において周りを見渡しました。その視界にハーフテールの子供、ビューリーが入りました。