6話です!
今は11時。いつも通り、nakamuが迎えに来るはず…!
nakamu「きんとき!開けて?」
ほ〜ら来た!
nakamu「ごめんね〜?ちょっと遅れた〜」
…?は?
きんとき「何やってるの?“Brooooku”?」
Brooooku「…あはは〜…。バレちゃった…」
きんとき「nakamuに言われた?」
Brooooku「そうそう、言われたんだ〜!
『ろくに仕事してないよね…!あ…!ねぇ、
Brooooku!きんときがいつ気付くか試そうよ!』って…なった!」
きんとき「ふーん。舐められたもんだね?」
甘く見られてる…
Brooooku「ねぇ?なんで僕だって気付いたの?」
は?単純すぎる質問!
きんとき「隠す気0!それに喋り方、違う!
あと…雰囲気とか…、違った。」
Brooooku「雰囲気か…全然こだわってなかった!nakamuの雰囲気とか、わかるんだ!ま?僕もわかるけどね!」
きんとき「お前はわかって当然なんだよ!」
きんとき「なんで、雰囲気とかこだわらないの?」
Brooooku「…雰囲気だけじゃないよ…。
服もだよ…僕、身だしなみとか、髪とかも、
全然気にしないよ!」
きんとき「…なんで…?」
俺は違和感を抱いた。
Brooooku「僕、生まれて5歳になって捨てられたんだ…。だから、何も気にしなくって
食べる物とかも気にしなくって…。
だから好き嫌いとかも無くて…というか…何でも食べようと思えば食べれるし…。
だから…何もかもにこだわらないんだ…_」
悲しい…コイツらはこんなにも優しい奴なのに…この世界はおかしい…。
Brooooku「あ!チョコあるけど食べる?」
は?なんでそこだけ似てるんだよ!
変装とか、そう言うのはすぐ見抜けるのに…
Brooookuの笑顔は見抜けない。無理に笑ってる…。
笑顔だけは一人前だから…。
nakamu「よ!きんとき!Brooooku?何秒で見抜かれた?」
Brooooku「え、え〜と…」
nakamu「ちょっと待って!当てるから!…
………3秒でしょ?」
Brooooku「え⁉︎正解!ヤバ!」
nakamu「ま、そうでしょうね!あの出来は最悪だったし…。」
わかってるんだったらやらせんな!
きんとき「あ…え…と…みんなは?」
いつもわちゃわちゃしている空間にnakamuしか居なかった。俺は違和感を抱いた。
nakamu「みんな?訓練場だよ!行こ!」
きんとき「…うん!」
きりやん「お!おかえり〜!」
きりやんは手に銃を持っていた。なんでかはすぐにわかった。きりやんの場所から30m?離れた場所に的があったからだ。
あとよく見れば中心部分だけに黒い穴が出来ていた。
スマイル「あ、きんとき。」
俺はスマイルの声だとわかり、その声の方向を向くと同時にシャークんがスマイルを襲っていた。
シャークん「おい、よそ見すんなよッ!」
『カキン』その音と同時にスマイルが崩れた。
きんとき「え?」
シャークん「ニシシ( ◠‿◠ )また俺の勝ちだな」
スマイル「くっそ…」
nakamu「さっすがシャケ!でもスマイルも惜しかったね!」
スマイル「なんか煽られてる気分…。」
きんとき「スマイル達はなんの特訓をしてるの?」
きりやん「見てわかるだろ、鍛えてるんだ」
Brooooku「ま、きんときから観れば喧嘩してるにしかおもえないよね〜!」
きんとき「…特訓…これやり過ぎでしょ?」
きりやん「そんな訳ないだろ!俺らは死なないために特訓してるんだから!」
きんとき「それでも…」
シャークん「俺らに暴力を振るう警察だって居るんだ。」
え!暴力⁉︎
スマイル「銃を向けてくる警察だって、少なくはない。」
え!銃を向けるって…殺す気満々だし、殺意丸出し!
きんとき「だから、こうやって特訓してるの?」
きりやん「もちろん。死にたくないからね」
Brooooku「でも、最近の警察は優しいね」
スマイル「だからと言って油断は出来ない」
nakamu「Brooooku、忘れたの?きんときのお父さん、鬼警察を…!」
鬼…警察?
きんとき「え…そんなに、怖いの⁈俺の父さん!」
シャークん「あぁ、もちろん!一回会ったことあるんだけど…、一発撃たれた。」
きんとき「そんな…父さんが…。ッ…シャケは…何処を狙われたの…?」
何処を撃っても怖いけど…
俺の父さんがすぐに銃を撃つなんて…信じられない。
シャークん「…心臓だ…。」
きんとき「…!」
え?そんなに?こいつら悪いこと……でも、犯罪だ。いや、それでも…やり過ぎだよ…!
スマイル「ま、運良くズレて腕に当たったがな…、相手もそう甘くはない。また更に強くなっただろ……今度会ったら俺達は死ぬだろうな…。」
え…?死ぬ…?そんなに…?どうして…?
nakamu「ちょ、ちょっと!きんときが居るんだよ⁉︎そんな話辞めて、特訓しよ!」
スマイル「あ、あぁ。悪かったな。」
きりやん「はい!特訓、特訓!」
nakamu「きんとき、きんときはシャケと特訓しよ!シャケ、教えるの結構上手いんだ」
きんとき「…うん…わかっ…た…。」
nakamu「じゃあシャケ、よろしくね。」
シャークん「ん」
シャークん「きんときには、どの武器が1番合ってるかな〜!」
シャケ…楽しそうに俺の武器を選んでくれてる…。
シャークん「この、短剣とか⁉︎銃もいいな〜ピストルかな〜?いや、武器とか必要なかったりして⁉︎…流石にそれはないと思うけど…
うん!絶対ないだろ!あ…きんときはどの武器がいいんだ?」
きんとき「え…と…ん〜…」
短剣とか使いにくそうだな〜。かと言ってピストルも…いや、やっぱピストルかな〜?
ん?これは…
きんとき「これ…何?」
シャークん「ああ、それ?それはショットガンだな、隣がピストル型スタンガン!
Brooookuはポッケにこのスタンガン入ってるんだ…まぁ、軽いし結構いい物だと思う」
ん〜?どうしよう…流石に武器被りはNGだよな〜!よし!
きんとき「この、ショットガンにする!本物の弾は入ってないっぽいし…ショットガン型スタンガンだったりして…。」
シャークん「不正解!これは、麻酔だ!」
きんとき「え?麻酔?でも、人間向きの麻酔銃なんて…、基本的には無いはず…。」
シャークん「“基本的には”な?俺達怪盗は、普通ありえない物を持っていたりする。本部が作ってくれるからな…、本部は世間に広まってもいないし、誰も気付けない。だから、
“ない”って言われてるんだ…。」
きんとき「へぇ〜…。じゃあ、ピストル型の麻酔銃は無いの?」
シャークん「…あ”〜。まぁ、『無い』って言ったら嘘になるが…、使いたいのか?」
きんとき「まぁ、それなりにね(^^)」
シャークん「…そ、そうか…?」
今のシャケの喋り方に違和感があった。
きんとき「緊張…?どうしたの?」
シャークん「な、何か今のきんときの笑顔が圧がある様に見えた…?って言うか…。」
え…?え〜?
きんとき「…そうかな?なんかごめん!」
シャークん「フッ逆だろ?俺が悪かった。」
シャークん「よし!武器選び再開だ!」
きんとき「ん〜、じゃあシャケがおすすめな物で!」
シャークん「え…。でも、俺のおすすめだろ?お前に合わないかも知れねぇし…」
きんとき「俺は結構銃使ったことあるから。それに、重い銃ってことはさ、威力がそれなりにあるってことじゃん?威力があるんだったら俺は持つよ?」
シャークん「…」
きんとき「それに、シャケが選んでくれた銃が俺に合わない訳ないでしょ?
もし、その銃が仮に合わなかったとしても、俺はシャケが選んでくれた物だから、ちゃんと特訓して、扱える様になるよ。」
シャークん「ニコ( ◠‿◠ )いい奴だな…。
きんときは…。」
そう言われながら頭を軽く叩いて、撫でてくれた。
俺は純粋に嬉しかった。
きんとき「…///あ…ありがと…。」
何故か頬を赤らめていた。自覚は無かったけれど、もしかして、nakamuやきりやんの時もこんな風に頬を赤らめていたのかな…?
恥ずい”!
シャークん「フッ きんときらしいな〜!」
シャケは笑った。偽笑いみたい…。きりやんの時もそうだった気がする。nakamuもだ…
スマイルはわからない…Brooookuも、わからない。コイツら偽笑いは、一人前だ。まだ俺はコイツらのことをよくわかっていない。
きんとき「もっとお前らのこと…わかってみせる…(ボソ)」
シャークん「なんか言ったか?」
きんとき「ううん!何も。」
シャークん「そうか!で、どの武器に?」
きんとき「シャケが決めて!」
シャークん「…じゃあショットガン型麻酔銃だな!」
きんとき「うん!ありがと、シャケ!」
俺は銃を手に取って、感覚を思い出す。
久しぶりに持った銃。
きんとき「あの的に、撃ってもいい?」
シャークん「ああ、撃ってみ!」
バンッ……
シャークん「お!上手いじゃん!初めてじゃないからか…」
よかった。銃の腕は落ちていなかった。こんな何処で恥をかくわけには行かない。
俺はそう思い、もう一発撃つ。まあまあだな
きんとき「これ、使いやすいね!実戦が楽しみかも!」
俺はそう言いシャケの方を向いた。そしたらシャケは真顔で此方を見ていた。
シャークん「_きんときは、本当に怪盗の仕事をしたいと思ってるのか?」
きんとき「…もちろん!」
そうしないと、皆と一緒に居れなくなる。
シャークん「それは、本当にきんときが…
望んだことなのか…?」
きんとき「え…?」
予想外の返答で声が漏れる。
きんとき「…う…ん…。」
シャークん「そうか…だっ…」
きんとき「待って!」
俺はシャケの言葉を遮った。
きんとき「…やっぱり、わからない…。自分がどうしていいのか…わからない…。」
俺は全て自分で自分の選択肢を選んだことがなかった。というか、自分で決めようと思ったことがないから、自分で選択肢を作ったことがなかったのだ。
いや、一回あった。俺がワイテルズに入るかどうかを決めるものがあった。どうしてあの時は即答で決められたんだろ…。
感情って…難しいかも…。
シャークん「そうか…わからないよな…俺、
その気持ちわかる。」
きんとき「え…?」
シャークん「俺、怪盗やるかやらないか、
悩んだんだ。でも、アイツらが居たから怪盗になった。俺の人生を変えてくれた。
俺は怪盗の仕事、誇りに思ってる。」
シャケの言葉は、間違ってはいないと思う。
なんでも仕事をやれば、自分の仕事に誇りを持てるから。
きんとき「わからないから、やるよ。やらないとわからない。」
シャークん「そっか…」
nakamu「きんとき、シャケ!ちょっと来て!」
nakamu「きんとき、これ!」
nakamuはそう言って俺の手を開いて乗せた
きんとき「あ…これ…!」
nakamuに渡された物を見るとそれはみんなとお揃いの白い尾だった。お揃いはお揃いでもみんな色が違った。
nakamuは白い尾の先が水色。
Brooookuは先が赤。
シャークんは先が緑。
スマイルは先が紫。
きりやんは先が黄色だった。
俺は…
きんとき「青…」
俺の色は青だった。ジャージが青いからかな
きりやん「…青、嫌だった?」
きんとき「ううん!俺は何色でもよかった!皆が選んだ色だったら、なんでもよかったよ!」
俺の為に合う色を選んでくれた。それだけで嬉しかったから。なんでもよかった。
あれ…?俺…、『いつから何でもいい』って言うようになったんだろ…。
きっとあの時だ…。あの時から、自分の考えは言わなくなったんだ。
nakamu「きんとき!どうしたの?」
きんとき「あ…え…と、ちょっと考え事してただけ、この白い尾とは関係のないことだから!」
Brooooku「そっか!よかった!この白い尾があれば、僕達はずっと繋がってるよ!」
きんとき「うん!」
こんな感じに、他愛のない会話を挟みながら俺は家に送られた。
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