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・本人様関係ありません
・アンチやめてください
・BLです(lr愛されです)
・口調注意⚠️
・ギャングの名前が思いつかなくてリコリスの名前借りてますが、MAD town関係ないです。もし気分が害された方がいたらお教え願います🙇♂️
〜設定などは1話をご参照ください〜
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kn『』
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今日は、誰もいない。
叶さんと小柳は仕事があるらしく、
「遅くなる」とだけ言って出ていった。
(……久しぶりだな、ひとり)
部屋に残された静けさが、やけに広く感じる。
(荷物、整理しよ)
小柳が俺の家から持ってきてくれたらしいが、
改めて見ると、物は驚くほど少ない。
「……こんなもんか」
一つずつ片付けていくうちに、
部屋はすっきりしていった。
「よし。
ひと通り、終わったかな」
少しだけ、胸が軽くなった気がした。
——その時。
ゴトッ。
(……ん?)
何かが、棚の奥から落ちる音。
床に転がったのは、
埃を被った小さな箱だった。
(なんだ、これ)
無意識に、手が伸びる。
——開けてしまった。
中に入っていたのは、
警察服。
手錠。
無線機。
手帳。
……見覚えがありすぎるもの。
「……え?」
一つずつ、確かめるように取り出す。
警察手帳。
開いた瞬間、視線が止まった。
そこに写っていたのは——
俺だった。
背筋を伸ばし、
まっすぐ前を見て、
正義を疑わない顔をした俺。
(……俺)
喉が、ひくりと鳴る。
(俺は……警察だったんだ)
パラッ。
一枚の紙が、手帳から滑り落ちた。
拾い上げる。
そこには、俺を囲んで笑う警察の仲間たち。
全員、満面の笑みでカメラを見ている。
《おめでとう ローレン》
……ああ。
昇格した時だ。
サプライズで、ケーキを用意してくれた。
「……」
写真の中の俺は、
今よりずっと、幸せそうだった。
「……幸せそうだな、俺」
呟いた声が、やけに静かに部屋に落ちる。
次に、無線機を手に取った。
迷いは、もうなかった。
カチリ。
電源を入れる。
ザー……ザー……。
ノイズ混じりの音。
(……懐かしい)
胸の奥が、熱くなる。
「俺は……警察だったんだ」
その瞬間だった。
バラバラだった記憶が、
パズルのピースみたいに噛み合っていく。
現場。
仲間の声。
守りたかった街。
切り捨てられた正義。
裏切りじゃなく、選ばされただけだった現実。
——全部、思い出した。
「……行かないと」
自然と、声が出た。
「……でも、どこへ?」
答えを探す前に。
ザー……。
(……ーーレン……ローレンさん!
聞こえ……ますか!?)
——え?
心臓が跳ねる。
「聞こえてる!!
聞こえてる!!」
声が、震えた。
(ロレさん!!)
(やば、繋がった!!)
(みんな!ロレさんだ!!)
無線越しに、歓声が溢れる。
胸が、締め付けられる。
——ここだ。
(行かないと)
ローレンは、警察服を掴んだ。
迷いは、もうない。
ドアを勢いよく開け、
夜の街へ飛び出す。
「……待ってろ」
走り出した先にあるのは、
奪われた居場所。
——警察署だった。
(ロレさん!!
おかえりなさい!!
ずっと探してたんですよ!!)
無線越しではない、
直接耳に届く仲間たちの声。
そこには、懐かしい顔が揃っていた。
けれど、皆どこか違う。
以前よりも逞しく、
迷いが減り、
それぞれが背負うものを受け入れた目をしている。
——俺がいない間に、
ちゃんと前に進んでいたんだ。
【ローレン】
低く、落ち着いた声が空気を切る。
【……おかえり】
「……署長」
胸の奥が、きゅっと締め付けられた。
【本当に、すまなかった】
署長は一歩前に出て、深く頭を下げる。
【汚職という件は、完全な誤解だった。
君の後輩たちがな……
“ローレンが汚職なんてするわけがない”と、
何度も何度も食い下がってくれて】
顔を上げ、静かに続けた。
【正式に鑑定した結果、
あの証拠はすべて合成画像だと判明した】
——ああ。
喉の奥が、じんと熱くなる。
(ずっとロレさん探してたんですよ!)
(署内も、街も、全部!)
(なのに全然見つからなくて……)
(そしたら今日、
急にロレさんのシグナルが戻ってきて!
信じられなかったです!!)
矢継ぎ早に飛んでくる声。
責める言葉は、ひとつもない。
「……」
ローレンは、少し困ったように笑った。
「……ハハ」
息を吸って、吐いて。
「みんな……」
一人一人の顔を見渡し、
はっきりと言う。
「ただいま」
その瞬間、
張り詰めていた空気が、ふっとほどけた。
——ここが、
俺の帰る場所だ。
奪われたと思っていた居場所は、
ずっと、ここで待っていてくれた。
そしてローレンは、まだ知らない。
この再会を、
赤い車の中から見つめている
二人の存在を。
終わりです!おつかれ様でした!
もう少ししたら最終話になります!
9話に続きます!