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#いわなべ
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みら

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佐久間、康二、ラウールも合流する。
「いただきます。」
九人の声が重なり、リビングは一気に賑やかになった。
オードブルに寿司、宮舘が持ってきた温かいスープ。
テーブルいっぱいに料理が並び、自然と笑顔がこぼれる。
「久しぶりにこんな豪華なご飯だね。」
阿部が嬉しそうに笑う。
「今日はあべちゃん、座ってるだけ。」
目黒がそう言いながら取り皿へ料理を取り分ける。
「はい。」
「ありがとう。」
「醤油取る?」
「お願い。」
阿部が言う前に、目黒がすっと手を伸ばす。
それを見ていた深澤が吹き出した。
「ほら。」
「もう始まってる。」
「過保護。」
部屋中から笑いが起こる。
目黒は少し照れながら肩をすくめた。
「しょうがないじゃん。」
「左手使えないんだから。」
「右手あるよ?」
阿部が笑うと、目黒は真顔で首を横に振る。
「右手も疲れる。」
「だから俺がやる。」
「そこまで?」
阿部は思わず苦笑した。
そのやり取りを見ていた渡辺が口を開く。
「めめ。」
「分かる。」
「俺も涼太が怪我したら、多分同じことする。」
宮舘は優しく笑う。
「翔太なら、一日中隣にいそう。」
「いる。」
渡辺は即答した。
「仕事以外、一歩も離れない。」
「ほら。」
深澤が岩本を見る。
「こっちも過保護。」
「そうだな。」
岩本は苦笑する。
「恋人が怪我したら、誰でもそうなる。」
「照だって絶対そうだよ。」
深澤が笑うと、岩本は少し照れながら頷いた。
「否定はしない。」
「ふっかが怪我したら、俺も家事全部やる。」
「やっぱり。」
深澤は満足そうに笑った。
ラウールが周りを見渡す。
「結局みんな過保護じゃん。」
「ほんまや!」
康二も笑う。
「人のこと言われへんな。」
佐久間は寿司を頬張りながら頷いた。
「愛だよ、愛!」
「俺もみんな怪我したら過保護になる!」
「佐久間は元から過保護。」
阿部が笑う。
「確かに。」
全員が頷き、また笑い声が広がった。
___________
食事が終わると、宮舘と目黒が食器を片付け始める。
阿部も立ち上がろうとした、その瞬間。
「座って。」
目黒。
「座ってて。」
岩本。
「動くな。」
渡辺。
三人の声がぴったり重なった。
阿部は思わず固まる。
「……はい。」
その返事に、今度は全員が大笑いした。
「完全に包囲されてる。」
ラウールが笑う。
「逃げ場ないね。」
「俺、そんな重症じゃないんだけど。」
阿部が困ったように笑うと、深澤が腕を組んだ。
「本人はそう言うんだよ。」
「昨日も『大丈夫』って言ってたし。」
「それは……。」
「反省してます。」
阿部が小さく頭を下げると、岩本が優しく笑った。
「反省してるなら。」
「ちゃんと甘えろ。」
「怪我してる時くらい、人に頼れ。」
その言葉に、阿部は少し目を潤ませながら頷いた。
「……うん。」
「ありがとう。」
___________
帰る時間になり、みんなが玄関へ向かう。
岩本は靴を履きながら、振り返って阿部を見た。
「阿部。」
「はい。」
「みんなが過保護なんじゃない。」
少し間を置いて、岩本は笑った。
「お前が心配かける天才なんだ。」
一瞬の沈黙。
「そんな才能いらないよ!」
阿部が思わず叫ぶと、玄関は大きな笑い声に包まれた。
「否定できないけど!」
「そこ認めるんだ!」
佐久間が笑い転げる。
康二はお腹を抱え、ラウールも声を出して笑っていた。
宮舘も深澤も穏やかに笑い、渡辺は「照、うまいこと言うな」と肩を揺らしていた。
目黒もようやく安心したように笑う。
昨日まで家の中を覆っていた重たい空気は、もうどこにもなかった。
「じゃあまた来るね。」
「ゆっくり休んで。」
「無理すんなよ。」
口々にそう言って、メンバーは帰っていく。
玄関のドアが閉まると、部屋には静かな時間が戻った。
阿部は食器棚へ目を向ける。
新しく仲間入りした、割れにくい食器たちがきれいに並んでいた。
「……増えたね。」
目黒も隣に立ち、優しく微笑む。
「うん。」
「見るたびに、今日のこと思い出しそう。」
阿部は小さく笑う。
「みんな、本当に過保護だった。」
目黒は阿部の左手をそっと握る。
「過保護じゃないよ。」
「みんな、あべちゃんが大好きなんだ。」
阿部は照れくさそうに笑いながら、その手を握り返した。
「……幸せ者だね、俺。」
「うん。」
「俺も。」
二人は新しい食器棚を眺めながら、穏やかな夜を迎えるのだった。
___________
それから一か月後。
阿部の左手首の傷はすっかり治り、抜糸も終わっていた。
「もう家事していいですよ。」
医師からそう言われた日。
目黒はようやく胸をなで下ろした。
___________
「めめ。」
休日の朝。
阿部は久しぶりに朝食の片付けをしようとシンクの前へ立つ。
「今日は俺が洗うね。」
そう言ってスポンジを手に取った瞬間だった。
「待って!」
目黒がものすごい勢いでキッチンへ飛んでくる。
「ガラスじゃない?」
「大丈夫?」
「滑らない?」
阿部は思わず笑ってしまう。
「めめ。」
「俺、もう治ったよ。」
「分かってる。」
目黒は少し照れくさそうに頭をかく。
「でも……。」
「まだちょっと心配。」
「もう。」
阿部は苦笑しながらシンクの中を指差した。
「見て。」
目黒が覗き込む。
並んでいるのは、あの日みんながプレゼントしてくれた割れにくい食器ばかりだった。
佐久間のステンレスのコップ。
康二とラウールが選んでくれたプラスチックのお皿。
岩本、深澤、宮舘、渡辺が贈ってくれた、おしゃれで丈夫な食器たち。
ガラスの食器は、一枚もなかった。
「これなら割れないでしょ?」
阿部が笑う。
目黒もその光景を見て、小さく笑みを浮かべた。
「……そうだった。」
「みんな、ここまで考えてくれてたんだね。」
「うん。」
阿部はステンレスのコップを手に取り、しみじみと眺める。
「あの日は、『みんな過保護』って思ったけど。」
「今は。」
「この食器を見るたびに、みんなの優しさを思い出す。」
目黒も頷く。
「俺も。」
___________
その日の夕方。
九人のグループチャットに一枚の写真が送られた。
送り主は阿部。
写真には、新しい食器に盛り付けられた手料理が並んでいる。
メッセージは一言。
『今日から料理復帰しました!食器も元気に活躍中です😊』
送信して数秒後。
通知が止まらなくなった。
佐久間
『コップ落とすなよー!!😂』
康二
『皿は投げたらあかんで🤣』
ラウール
『次はシリコン製フライパン探しとく?笑』
深澤
『包丁よりスポンジの方が危険そう。』
渡辺
『またグラス事件起こすなよ。』
宮舘
『翔太、煽らない。』
岩本
『あべ、無理だけはするな。』
そして最後に届いたのは、目黒からのメッセージだった。
『俺がちゃんと見てるから大丈夫😊』
その一文を見た阿部は思わず吹き出した。
「めめらしい。」
笑いながら返信する。
『過保護なのは、まだ治ってないみたいです😊』
するとすぐに、
『それは一生治らない。』
と目黒から返ってきた。
阿部は小さく笑い、隣で洗濯物を畳んでいる目黒を見る。
「めめ。」
「ん?」
「一生過保護でもいいよ。」
その言葉に、目黒は照れくさそうに笑った。
「じゃあ。」
「一生あべちゃんを守る。」
「よろしく。」
「こちらこそ。」
二人は顔を見合わせて笑う。
あの日の傷はもう痛まない。
けれど、あの日にもらった仲間の優しさと、大切な人の愛情は、これから先もずっと二人の心に残り続けるのだった。
コメント
7件
一気読みさせて頂きました、過保護なのは🖤だと思って居たがメンバーも凄い過保護だった😂 💛の「心配させる天才」ってセリフがツボりました😂
みら様の作品を読ませていただく事で毎日を頑張れています☺️ ありがとうございます🙂↕️⟡.·