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離婚します  第一部

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離婚します  第一部

29 - 第29話 する?しない?

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2024年10月30日

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3ヶ月後、なんとか試験に合格した。

これで少しお給料が上がる。

そして、貴君からのご褒美の一泊旅行を計画しなくちゃ。


貴君とは、何回かドライブに出かけた。

新車を見に行ったり、美味しいとテレビで紹介されたやつをわざわざ食べに行ったり、自分の車を塗装すると言うのでその様子を見ていたり。

会社では、仲がいいと噂になってるけど、だからといって不倫してるとは言われてない。

それは、貴君の態度や性格から、そんなことしそうにないと信頼されてるからかも?

そう思うと、その真面目な貴君をはちゃめちゃにしてみたい欲求が出てきてしまう。


多分、もう好きになってる。


旦那との離婚の話は、進んでいるのかいないのかわからない。

私がしたことは、他に旦那の借金がないか確認したことと、生活をできるだけ個人にしてるということ。

それから立て替えた税金のお金を取り立ててることくらい。


引っ越すための部屋の情報は、なかなか集まってないのが現実。

こんなことで離婚できるのかな、と不安にもなるけど生活基盤の家があるというのは、落ち着いていられる。




「で、どこがいい?」

「温泉があるところがいいかなぁ?」


仕事帰りの貴君の車の中。

あのコンビニの駐車場にて。


「チェックインするときにさ、夫婦のふりする?」


ちょっと聞いてみた、意地悪かなぁ、私。


「その方がめんどくさくないかな?わざわざ違いますって説明することもないから、姓を同じにしとこ」

「じゃあさ、する?」

「え?」

「セックス」

「そんなこと聞くんだ」

「うん、聞いてみた」

「いまだと、不倫になっちゃうよ」

「表向きはね」

「どういうこと?」

「んー、ちょっとね」


外でしてきてと言われたことは、言わないでおこう。

そうしないと、まるで欲求を満たすためだけに貴君を誘ってるように見える。

そうじゃないと言いたい。

かといって、大好きとか愛してるとか、あからさまに言うのも違う気がする。

それを言ってしまうと、このいい関係が終わってしまう気がする。


なのに、セックスする?なんて聞いてる私は、何を考えているんだろう?

自分でもわからなくなった。


「とにかく、いい温泉と美味しい料理といい景色、これで探そうよ」

「うん、楽しい旅行にしよ。彼女ができたらさすがに一泊なんてできないから」

「それは、そうだね」


話していて気づいた。

どんなに好きでも、私は貴君とは結婚できない、当たり前だけど。

もう子どもを産める歳でもないし、田舎の跡取り長男の嫁なんて無理。


先がないから、好きだとは言えないんだと。

言ってしまってセックスすると、恋人になってしまう。

それはできない。

じゃあ、セフレ?

それもなんか違う。


やっぱり、早く離婚しよう。

せめて、世間的に不倫と言われるのは避けたい、貴君のためにも。


一泊旅行は少し先にした。

できれば離婚してからということで決着。


その前に住むところを探そう。


友達からシェアハウスの誘いが来たのは、そのすぐ後だった。





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