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第4章 告白と本音
🌸○○side
放課後の教室は少し静かで、夕陽がカーテンを揺らしてた
片づけをしていたら、廊下の向こうで誰かの声がした
「……LANさん、好きです!」
思わず動きが止まった
声の方を見ると、知らないクラスの女の子が、LANの前で真っすぐ立っていた
彼は少し驚いたように目を見開いて、それから静かに首を横に振った
「ごめん。そういう気持ちは、俺……他の人にあるから」
その瞬間、胸の奥がぎゅって鳴った
ほっとしたような、でも泣きそうな、どうにもならない気持ち
女の子が走り去ったあと、LANはその場にしばらく立ち尽くしてた
私、隠れて見てたのに 足が勝手に動いて、気づいたら声をかけてた
「……先、越されちゃったな」
LANが振り向いた
その顔に驚きが浮かんで、でも次の瞬間 ふっと笑った
「○○、見てたの?」
「うん ごめん……なんか、気になって」
「先越されたって、どういう意味?」
言葉に詰まる 目をそらそうとしても、彼の視線が離れない
「……だって 私も言おうと思ってたのに」
LANの目が大きく見開かれて、それから静かに細まった
ゆっくり一歩近づいてきて、柔らかい声で言った
「じゃあ、もう一回言ってよ ちゃんと」
喉が詰まる でも、心は決まってた
胸の奥の小さな勇気を全部使って
「LANが好き」
夕陽の中、LANが少し照れたように笑って言った
「……やっと言ってくれたね」
「遅いよ ずっと待ってたのに」
「俺も、ずっと我慢してた」
二人の距離が、ほんの少しだけ近づく
カーテンが揺れて、オレンジの光の中で世界が溶けた
―――――