TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

永遠に渇く

一覧ページ

「永遠に渇く」のメインビジュアル

永遠に渇く

1 - 儀式の夜に

♥

182

2025年08月06日

シェアするシェアする
報告する





霧が濃く立ちこめる夜だった。

古びた森の奥に、ひっそりと佇む黒い館。

村の誰もが口を閉ざし、決して近づかぬその場所の扉が、静かに開く。


――生贄を捧げる夜だけ、その扉は開く。


🎼☔️「……これが最後なら、それでいい」

少年の声は震えていたが、怯えているだけではなかった。

こさめ。

この館に捧げられた、生贄の少年。まだ十六の歳で、白い肌と大きな瞳、薄く震える唇をもっていた。


蝋燭に照らされるその姿は、まるで神の供物のように美しい。


🎼🍍「おまえが、今夜の“供物”か」

重い扉の奥から現れたのは、一人の青年だった。

深紅の瞳に、黒曜石のような髪。

白く整った指先が、こさめの顎に触れる。


🎼🍍「こさめ……だっけ? 細いな。血の味、薄そう」


🎼☔️「……どうせ、飲むんでしょ。さっさと済ませてよ」


🎼🍍「強気だな」

男は、吸血鬼。名前はなつ。

何百年も生き、村人たちが恐れた不老不死の存在。


だが彼は、その見た目からは想像もつかぬほど静かで、皮肉屋で、そして——飢えていた。


🎼🍍「じゃあ、一口だけ……味見してやるよ」


こさめの首筋に、冷たい唇が触れる。

そして、牙が肌を割いた瞬間——


🎼☔️「あっ……!」


血が流れた。

赤く、濃く、熱い。

それを一滴舐めた瞬間、なつの瞳が見開かれる。


🎼🍍「……なに、これ……」


口内に広がる、甘さと熱。

まるで快楽の液体を飲み下すような感覚。


🎼🍍「……もう、他の血じゃ、満たされない……」


こさめの血は、“契約”を孕んでいた。

吸血鬼が、唯一その血に執着し、他の血を拒絶してしまう——それが、運命の吸血契約。


🎼☔️「なっ……なに、したの……?」


🎼🍍「違う、こさめ。おまえが“した”んだよ。……もう、俺はおまえの血しか飲めない」

なつがこさめを強く抱き寄せる。


🎼🍍「殺すつもりだったけど、できなくなった。……おまえを、飼うしかない」


🎼☔️「……ふざけないでっ!」


でも、その抗いは、夜の闇に溶けて消えた。





それから数日、こさめは館に閉じ込められた。


逃げ道はなかった。

そして、毎夜“渇き”に襲われるなつが、こさめに手を伸ばすたび、血と快楽が絡む。


🎼☔️「また……飲むの?」

首筋を隠すように、こさめが毛布を引き上げる。


🎼🍍「……飲まなきゃ、俺が死ぬ」


🎼☔️「それ、脅し……?」


🎼🍍「違う。事実だ。……こさめ、俺はもう、おまえに飢えてるんだ」


なつは彼の体に覆い被さる。

縛られてもいないのに、逃げられない。


🎼☔️「ねえ……どうして、こんな優しくするの……?」


🎼🍍「欲しいものを、乱暴には扱わない。……それだけ」


耳元で囁かれたその声は、熱を帯びていて、

こさめの心臓が、ひどく騒いだ。





月が満ちる夜。

こさめは、書斎の扉に手をかけた。


村へ続く地図を見つけてしまったから。

ほんの一瞬、「帰れるかもしれない」と思った。


けれど、その小さな音も——


🎼🍍「……逃げる気?」


🎼☔️「ち、ちがう、これは……」


🎼🍍「なら、なんでそんな顔してる?」


次の瞬間、ベッドに押し倒される。


🎼🍍「おまえが逃げようとしたから、俺の理性はもう持たない」


両手は拘束具に縛られ、足も開かれていく。


🎼☔️「や……やめて、なつくん、こんなの……っ!」


🎼🍍「おまえが俺を拒むなら、俺の快楽で縛るしかないだろ」


玩具が、濡れた音を立てて、奥へ押し入ってくる。


🎼☔️「んぁっ……っ、だめ、そこ……!」


何度も、何度も。

甘い痺れと、溺れるような絶頂が、こさめの身体を支配していく。


🎼🍍「好きって言え。俺に縛られてるおまえに、ふさわしい言葉を」


🎼☔️「なっ……なつくん、もう……やだ、でも……好き……っ、なつくんしか……いやぁ……!」


その言葉に、なつの腕が震える。


🎼🍍「……可愛いな、こさめ」





それから、こさめは逃げようとしなくなった。

なつの腕の中で、血を与え、快楽を受け、愛を囁かれる。


🎼☔️「ねえ、なつくん。これって、ほんとの“愛”なの?」


🎼🍍「……そんなものはどうでもいい。

ただ、おまえが俺を必要とし続けるなら、それがすべてだ」


なつの牙が、首筋に再び沈む。


🎼☔️「ぁ……ん……」


血を分かち合いながら、深く、奥まで繋がっていく二人。


🎼☔️「ずっと、ここにいて。……俺のこと、忘れないで」


🎼🍍「忘れられるわけ、ないだろ。

おまえの血がなければ、俺は渇いて死ぬんだ」


そんな歪んだ愛の言葉が、心を潤す。



◆エピローグ:世界が終わっても


館の外では、季節が巡っている。

けれど、この部屋の中では、すべてが止まっていた。


赤いカーテンの奥。

昼も夜も関係ないその場所で、なつとこさめは、静かに身体を重ねる。


欲望を、血を、心を喰らい合うように。


🎼🍍「おまえだけだ、こさめ。……他の誰にも、やれない」


🎼☔️「うん。……なつくんも、俺の、だから」


深く口づけを交わす。

吐息も、舌も、体温も、全部が重なって——


永遠の夜が、二人を包んでいた。


この作品はいかがでしたか?

182

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚