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朝、目が覚める
今日はなんだか体が重たい
ut んっ…ふぁぁ、眠た
眠い目を擦って洗面所へ向かおうとしたとき、いきなりの気持ち悪さが込み上げてきた
ut んっ…ぷ!?
急いでトイレに向かう
ut んぅぉえっ…うっ、ガッハ、ゲホッゴホッこぽっ、あ、おえっ
トイレに入った途端、気持ち悪さが限界を超えて異物が喉から吐き出された
数分間僕はトイレから離れれなくて
朝起きたばっかでこれは最悪すぎて
目から涙がぽたぽた流れ落ちた
ut ん、ぅなんで、あさから吐かないといかんの?
誰もその言葉に反応するわけなく、僕はよたよたしながら吐き終わった後、トイレから出た
朝食のアナウンスが入る
これを聞いたら、何がなんでも一回食堂に集まらなくてはならない
ut 腹減ってへんけど、、行かないと
僕はいつものスーツに着替える
今日は調子が悪いみたいだ
手が震えてるし
寒気がしてたまらない
僕は寒さを感じながら食堂へと向かった
食堂
幹部専用の食堂
そこにはもう全員が集まっていた
僕がよたよた歩いたから遅れてしまったのだ
ci あ、おはようございます、大先生
shp おはようございます、また、遅刻っすか?
sho 大先生、毎日遅刻しとるやん
kn 笑、ほんまやな
あ、れ?笑今日は耳もあんまり調子良くないみたいだ
皆の声が少し遠く聞こえる
ut すまん、笑遅れてもうた、
sho いつも、そればっかりやな笑
皆が笑いながら談笑するなか、僕も席に座った
出されたご飯
今はご飯が気持ち悪くてしょうがない
作ってくれる人には本当に申し訳ないが今日は無理そうだ
震える手でスプーンを手にとる
すくった小さな一口を口に入れようとしたとき
どんと肩に重みを感じた
ut ゾム?
zm 大先生、今日遅れたから食害したるわ笑
そう言って僕の隣にゾムさんは座った
ut …っ、今日はちょっと笑
そう
今日だけは本当に食べれない
そう言って否定をするが、ゾムさんはにやりと口角を上げたまま
食べ物を僕のトレーの上にたくさん置いた
zm いつも遅れとるの大先生やろ?今日はその罰やで笑
目の前のたくさんの料理にまた吐き気がして、僕は口を手で押さえる
あぁ
周りも僕を見て笑っとる
悪いのは確かに僕やけど
目の前が涙でぼやける
ut わ、かった、たべます、た、べま、っぅ、す
僕はゾムさんにそう言った
zm …?あぁ、じゃあちゃんと食べるんやぞ
ゾムさんが離れていく
僕はまた涙を流していた
ゾムさんからの食害分も口に含めた僕は案の定トイレで吐いた
吐くことは意外と体力を使うもので
さらに一層疲労感が溜まった気がする
僕はまたとぼとぼと歩いていた
kn お、大先生やん!
下を向いて歩いていると相棒の声が聞こえてくる
ut シッマ、やん笑どした?
少し焦っているようだ
kn 大先生、良いところにおったわ、あんな、今から任務があってな、書類の提出が帰ってきてからじゃ間に合わへんねん
kn やから、頼む!やっといてくれへんか!
そう言って沢山の書類を渡そうとするシッマ
正直、頭回ってへんねんから書類なんて上手くできへんで?
シッマからの期待の眼差しが痛い
僕は笑って受け入れた
ut 分かった、ええよ笑
kn …!まじで?!ほんま、ありがとうな、大先生、じゃあ、俺とシャオロン分よろしくな
そう言って書類を僕に預けたシッマはニコニコで走り出していった
…てか
シャオロンの書類もあるゆうてなかった?
あいつ
言いもせずに逃げたな?
そんなことを思うが
口には出せない
いや
出したいけどそこまでもう体が言うことを聞かないのだ
僕は書類を握りしめながら眩む目に深くため息を付いた
自室へ帰る道が長く感じる
ut はぁー…はは笑
ut こんな、ながいっけ?
ため息が多くなる
そんな時だった
tn おい、
今度は前から声が聞こえる
こ、れは
トントン?
ut あぁ、トントン、どしたん?笑
そう言ってへにゃっと笑う
もうそれぐらいしか対応が難しいんや
変なことにな、
汗が止まらんねん
声もな掠れてしまってて
だから
今トントンにはこんな顔しか見せれん
tn お前、その手に乗っとるの書類か?てか、まだ出しとらん書類たくさんあるのに、何ちんたら廊下歩いとんの?はよ、やってくれませんかね?迷惑かかっとんのやで?ほんま、無能やで、そんなんじゃ
今日のトントンは機嫌が悪いみたいだ
書類やらんと
書類間に合わへんよな、
ut ごめ、ん笑今、戻ってやるか、ら
tn 最初からやっとれよ
ut ごめん笑ちゃんと、やるから、ごめん、怒らんといてや…笑
tn …は?
またゆっくりと歩きだす
あぁ
ふらふらしちゃうの嫌やな
ごめんな
トントン
tn ちょっ、!
トントンが後ろで呼んでる
ut ごめん、な笑トントン
僕はそれだけ言ってまた歩きだした
扉を開けてやっと自分の机に腰をかける
ut はぁ、はぁ、ん
あぁ
書類をしなくちゃあかんのに、体が重くて動かない
これじゃあ
また
無能やん、俺笑
僕は静かに目を瞑った
ごめんな
役に立てんくて笑
みんな
ごめん
段々意識が遠退いていく
僕は椅子から崩れ落ちていくのを感じながら静かに眠った
tn あ、?もう夜やん
時刻はもう21時
書類をやっていたら、時間は早い
tn んぅー、っ、ふぅー
tn …
tn てか、あの後、大先生に会ってから大先生来てへんな
tn 今日の書類だってあんのに、、
tn …そういや、何かあいついつもと違うくなかったか?
tn 弱々しい感じで…
tn …、行ってみるか
俺は休憩がてら席を外した
コンコンコンッ…
tn おーい、大先生?ちゃんとやっとんのか?
中からの返事はない
tn …あいつ、寝とんのか?
扉のドアノブに手を置くといとも簡単に中に入れてしまった
tn …、鍵閉め忘れたんか?
扉を開けると中は真っ暗で人の気配がない
tn …?
一応と言うように、電気を付けた
tn …へ?、大先生?、!
そこには荒い呼吸をしたまま倒れる大先生の姿
また
どこかで遊んでるんやなって思っとったから驚きが隠せない
tn うっそやろ…はぁ、まじかよ
とりあえず、気分を落ち着かせる
深呼吸をして 鬱のもとに駆けた
tn おい、聞こえるか、大先生?…あちぃな、 こりゃ重症や
見るからに火照ってる体
想像上の体温の熱さに俺は驚きを隠せんかった
すぐさまに俺は鬱を抱き抱えた
tn 大先生、聞こえとるか?もう、大丈夫やからな
さらっと髪を撫でる
ut …っん、トンち…?
ピクッと彼の体が反応を起こした
tn そう、トントンやで
tn ごめんな、気付けんくて
tn すぐ、運んでやるからな
そう声をかけると、大先生は涙を流した
ut ごめんっ、トンち、僕何もで、きんくてゲホッゴホッ
辛そうな声で無理やり声を出して謝る大先生
tn …何言うとんねん、できとんで大先生
tn もう十分にできとるから、安心しぃな
tn …辛かったよな、ごめんな
tn 謝まんのはこっちやで?いつも、すまんな、迷惑かけて
tn いつもありがとう、大好きや
沢山頭を撫でて、声をかける
大先生の目から涙が止まることはなかった
ー医療室ー
ピピッ
sn 嘘でしょ、大先生40度軽く越えてるよ?
大先生から出された体温計の表示は壊れたのかというほど、高かった
tn 嘘やん…、まじかぁ…
あの後、すぐ医療室に連れていって何人かが心配そうに後をついてきた
来てないやつらも後々来るらしい
shp まじっすか…
皆が心配そうに勿論俺も大先生を見つめる
荒い呼吸の中、呼吸器をつけられた大先生は未だに泣いていた
sn 何でこんな高熱が出てるのかは俺も未だに分からないけど、検査して何とか出す
そう言いながら忙しそうに働くしんぺい
俺も何かできないかと手伝っていた
殆どのメンバーが医療室に集まり、医療室は渋滞してる
あれから、少し時間は経ったが未だに荒い小さな呼吸を大先生はしていた
色んな管が刺さっても治、苦しそうな大先生に皆心配そうに見つめていた
ut み、んなっ…ゲホッゴホッ
静まり返っていた室内にか細い声が聞こえた
tn 大先生…、?
すぐに分かった、大先生だと
皆が大先生の方に寄る
大先生は
少しだけ目を開けどこかを見つめていた
tn どしたん…?
まだ熱湯のように熱い手に触れる
ピクッと反応したが、動かすことはなかった
ut み、んな、ケホッゴホッガッ…め、いわくかけ、て、ごめん、なゲホッさ、ぼ、く、いっしょ、けんめい、にや、れなく、てゲホッゴホッが、んば、れ、な、くて、きたい、にこたえれ、なくて、、…ごめ、んなゲホッガッハッ
小さく途切れたかすれ声は皆の耳には大きく聞こえた
ut と、んちぃ…?ゲホッゴホッ
tn ……ん?どした、?
目は開いているけど、俺たちは見えてなかったんやろう
少しだけ大きく俺は喋った
ut しょ、るい、おわ、らせ、てなくでざ、ゲホッていしゅ、つ、お、くれ、るゲホッゴホッ、い、つもほ、んまにごめん、め、いわくかけ、て
一生懸命に言葉を繋ぐ大先生
大先生の本当は真面目な部分が滲み出ていた
tn 風邪やから仕方ないやろ?別にいいよ、俺もいつもカッとなってすまんな
手をトントンとすれば、にこりと笑った大先生
なみだは流れたまま
ut しっまぁ、っゲホッゴホッしゃおちゃ、ん、おる、ん?
一通り俺に喋ったのか、次はシッマとシャオロンを呼ぶ大先生
俺はパッと手を離して、後ろに下がった
kn …おるで
次に声を発したのはシッマ
ゆっくりとシャオロンと一緒に大先生の一番側まで寄る
シッマはそっと顔に手を当てた
kn …大先生、ごめんな?気付けんくて
kn 辛かったなぁ?、もう、安心してな
コネシマの手にぴくっと反応して、顔をほんのわずかにシッマの手の方に寄せた
ut う、うん謝ら、んといてやゲホッ、ん、しょる、い、でき、ん、か、った
ut しっ、まと、しゃ、ゲホッゴホッおちゃ、んのふ、たんをへ、らそ、とした、んやけ、どな、ほん、まにごっ、
sho …もう、ええよ、大先生
sho いつも、お前は無理しよるんやから、ほんまに
そう言って、大先生の頭を撫でるシャオロン
sho 悪かった、俺たちが悪かったからもう、ゆっくりしぃ?
sho ごめん、いつも気付けなくてっ…
そう言って、ポロポロと涙を流していた
ut しゃ、おちゃ、ん?なか、んで?ぼくが、いつ、もわる、いこやか、ら、なんにも、で、きっゲホッゴホッんから、かみさ、ま、からのて、んばつや、
そう言っていつもより弱々しい顔で笑う大先生
これだけ、自己肯定感を低くさせたのは俺たちのせいなんやろうか
自分のことを悪く言う大先生に、悲しくなってくる
ut し、っ、ま?
手を必死に伸ばそうとするが、上手く伸びないのか、震えた手で軽くシッマの方に手を伸ばしている大先生の手をぎゅっとシッマが握る
ut し、っま…?かお、かし、て
言われたままにシッマが自分の頬に大先生の手を置いた
さっきも言った通り、大先生の手は熱湯のように熱い
ぴくっと手が反応して、その手を皆が見る
その手は涙が出てるシッマの目元にたどり着いた
ゆっくりそれをごしこじと拭う
ut し、っまもなか、ないで?もう、だ、いじょぶ、やか、ら
ut しん、ぱい、ばっかかけ、てごめ、ん
その言葉に更に胸が痛くなる
何故そんなに周りに謝るのだろう?
今病気なんだから、そんなこと考えなくたってええのに
……
俺たちのせいなんかな?
俺たちがいつも謝らせちゃってる…?
そう、なのかもな
kn …、大先生は何でも分かってるよな、すまんな、もう泣かへんよ笑
シッマは大先生の手をそっと自分の頬から外して、元の位置に手を置いた
ut へへっ…ゲホッゴホッゲホッヒュー、っ、きょ、うも、いっ、ぱいめ、いわ、くかけ、たなぁ…
ut ぞむさ、んの、りょ、うり、はき、もど、しっちゃ、った、ご、めん、ね、
ゾムは俯いていた
ut ろぼ、ろ、しご、と、いく、まえ、にたお、れ、ちゃっ、て、ゲホッゴホッっ、し、ごと、いけ、んか、っ、た、ごめ、ん
布越しからのロボロの顔は分からなかった
ut え、みさ、ん、の、ほ、んお、しえ、てもら、うよてい、だった、のに、いけ、んくて、ごめ、ん
エミさんは心配そうに大先生を見つめていた
ut ちー、の、しょ、っぴ、とうぎじょ、うのれんし、ゅうさそ、って、くれ、たけ、ど、い、けんかっ、たゲホッゴホッっ、ヒューごめ、んな
チーノとショッピも大先生のことが心配そうだ、こんな状態の大先生を初めてみたのだろう
ut しんぺ、い、ちり、ょ、うたいへ、んやのに、いつも、しん、ぱい、かけ、させ、て、ご、め、ん
しんぺいは静かに頷いていた
ut グルちゃ…ん、ゲホッゴホッゲホッゴホッお、る、の?
gr …あぁ、居るが?
グルッペンが声を出す
ut グルちゃ、ん、いつ、もご、めん、
ut …ぼく、ここ、のかんぶで、よかった、かな?
ut むの、う、でも、あい、され、なかっ、たぼくでも、やくに、たて、て、る…?
大先生の声は今にも枯れそうだ
悲しい顔でグルッペンにただただ微笑んでいる
gr …
gr 鬱、俺はな才能ある人間しかここでは雇わない
gr 俺の見込みが悪かったと?
gr どう見てもお前は愛されてると思うゾ
gr こんだけここに仲間が居て、まだお前は愛が足りないのか?
gr 寂しいなら寂しいと、辛いなら辛いと言え
gr 仲間をもっと頼れ、鬱
そう言って、グルッペンは大先生の顔と頭を優しく撫でた
大先生はただ、微笑んでいた
ut ぐる、ちゃ、あり、が、と
ut ぼ、く、やっぱ、ぁこ、こが、すき、ゃ…
涙を出しっぱにしたままの大先生は、その後、静かに眠りについた
目元には赤く腫れた跡
大先生が起きて仕事に復帰したのは1週間後だった
大先生がいない間は、皆、愚痴一つ言わず自分の意志で大先生の分まで働いていた
大先生のあの異様な寂しさはどこから沸き上がるのだろう?
大先生の自己肯定感の低さにはさすがに驚いた
ほんとうに
俺たちが彼を壊してしまったのだろうか?
また
寂しくなって、自己肯定感がぐんと下がったら、彼はまた苦しむのだろうか
…
大先生
は
繊細なのかもしれない
俺は…その心に気付けない、弱気物
また
ああなる前に沢山の愛情を彼に与えなければ
大先生が抱えてきたものはどのぐらい大きいのだろうか?
それは
大先生しか知らない
だから
俺たちは寄り添うことしかできない
それが
彼の心のケアに、なるのなら
また
新たに共に過ごしていく
もう
大先生を苦しめたくない
その思いでぱんぱんだった
コメント
16件
涙止まらないよ😭😭
いや神すぎん?てかこんな重症やねやったら 水飲ますか寝かすかしたれや
ずぎでずぅ゙!!!