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『初音ライダー剣』
第28話
“決裂”
BOARDの宿舎ではLily、MIKI、GUMIの3人がBOARD支部の面々に自分たちのことを伝えた。
キヨテル「では、君たちはBOARD本部から来たんですか?」
Lily「そういうこと。」
キヨテルの質問にLilyは不敵な表情で答える。
MEIKO「しかし、本部でこんなライダーシステムが開発されてたなんて…チーフ、知ってました?」
キヨテル「いえ、私も聞いたことがありません。」
Lily「だろうね。ウチらのは極秘で開発されてたからさ。」
MIKI「情報漏洩を防ぐためじゃな〰い?」
GUMI「単に伝えるまでもないってことっしょ。」
キヨテルをはじめ、BOARD支部の面々にはLilyらが使う新型ライダーシステムのことは全く伝わっていなかった。そこはLilyたちが「極秘だから」だと言うが、その口調はどこか嘲笑的だ。
GUMI「ギャレン、ブレイド、レンゲルで得られたデータを元に、私らのライダーシステムが造られたのさ。その点は感謝してるよ、ロートルさんたち♪」
ミク「なっ!?」
リン「誰がロートルだ!」
GUMIは侮蔑的な口調でミクたちをからかう。その様子を見ていたMIKIとLilyも絡んできた。
MIKI「プッww」
Lily「おいおい、ロートルなら労わるもんだろww」
GUMI「そうだったw年寄は労わらないとねww」
Lilyら3人はミクたちを「ロートル」、「年寄」と言って露骨にバカにする。その様子にミクとリンはもちろん、MEIKOも堪忍袋の緒が切れそうになった。
MEIKO「あんたたち、いい加減にしなよ!」
MIKI「うわ、怖〰っ!」
MEIKOは鬼のような形相でLilyら3人を睨む。その怒声にMIKIはわざとらしくたじろぐ。
リン「新人ならもっと謙虚にしてなよ!」
GUMI「お前が言えんのかよ?ガキンチョが!」
リン「何だと!?」
リンはLilyら3人に注意するが、GUMIは反ってリンに悪口を付けて言い返す。
Lily「ま、今後のアンデッド討伐は私らに任せて、お前らはさっさと引退していいよ。老兵は消え去るのみ、て言うだろ?」
MIKI「死神を封印するのは私たちの仕事だよ〰」
GUMI「あんたらは指銜えて見てな。」
3人は交互に言い放つ。やはり、これらの口調も侮蔑的だ。
ミク「…死神?」
Lily「お前らがチンタラやってっから、ウチらが呼ばれたんだよ。」
MIKI「じゃあね、旧式さんたち〰♪」
ミクはLilyら3人の言う「死神」について勘繰るが、Lilyらは気に止めずに後ろを振り向いてBOARD支部を去った。
キヨテル「…協調性の無い人たちですね。」
キヨテルはLilyらの態度に頭を痛め、右手で軽く頭を押さえて溜め息をついた。
MEIKO「…で、私たちは今後どうします?」
MEIKOは今後の自分たちの任務についてキヨテルに問う。だが、それより先にミクとリンが返答する。
ミク「私は嫌だ。ライダーを降りるなんて!」
リン「リンも、アイツらの言う通りにするなんて嫌!」
キヨテル「…ひとまず、我々はこれまで通り任務に当たりましょう。Lilyさんたちが何と言おうと、我々は自分たちでやってきましたから。」
キヨテルはミクとリンの気持ちを汲んだ上で、自分たちはこれまで通りのことをしようという。
MEIKO「ところで、あいつらが先言ってた、死神って…?」
MEIKOはLilyたちが去り際に言っていた「死神」という言葉について勘繰る。
ミク「…まさか!」
ミクは「死神」、「アンデッド」という言葉を繋ぎ合わせてピンと来た。
Lily、MIKI、GUMIの3人はBOARD支部から去った後、屋台でタコ焼きをたべながら作戦を考えていた。
GUMI「どうすんのさ?」
Lily「何が?」
MIKI「ジョーカーを封印する作戦〰」
Lily「目的語を最初に言えよ。」
Lilyはタコ焼きを食べながら2人を注意する。
GUMI「ジョーカーて確か、色んなアンデッドの力を使えるって聞いたけど。」
GUMIがまず最初にジョーカーの能力について聞く。
MIKI「どうする〰?色々使えるんじゃ、対処しにくいよ?」
GUMI「今からでも対処法考えといた方が良くね?」
MIKIもGUMIに賛成する。だが、Lilyは2人を少し抑える。
Lily「焦んなよ。こっちは3人だ。いつもみたいに連携取って行けばいいだろ。」
Lilyはいつも通り3人で連携を取って焦らずに行こうと言う。その直後、3人の背後から気配を感じた。初音ミクがLilyら3人を見つけ、彼女らの背後に立った。
Lily「お前…」
MIKI「確か、ブレイドだっけ?」
ミク「あなたたち、一体何をする気?」
ミクは早速、MIKIの問いかけをよそに、Lilyら3人に何をする気か問う。
Lily「言ったろ。ジョーカーを封印するのさ。」
ミク「何で…?」
MIKI「何で、って…まさか忘れたの〰?アンデッドを封印するのが私らの任務じゃ〰んww」
GUMI「根本を忘れるとか…ライダー失格っしょwww」
Lilyはミクの問いに率直に答える。聞き返すミクにMIKIは呆れ、GUMIは嘲笑する。
ミク「ダメ!確かにあの人はアンデッドだけど…人間に感化されて、共存しようとしてる!」
ミクはLilyらを止めるべく、ルカ=ジョーカーが人間と共存しようとしていると言って聞かせる。だが、Lilyはミクの言い分を真っ向から否定する。
Lily「バカバカしい。ヤツは所詮アンデッドだろ。しかも1番ヤバいヤツだろ?封印せずにどうすんだよ。」
Lilyはタコ焼きを頬張ると、席を立ってその場を後にする。MIKIとGUMIもそれに続いた。
昼から夕方に差し掛かる手前頃、巡音ルカは賑わう市街を後にしようとバイクに乗ろうとした。その矢先、敵意剥き出しの視線を3つ感じた。門にはLily、MIKI、GUMIの3人が立っている。
ルカ「…何だ、お前ら。」
Lily「お前がジョーカーだろ。その首級(くび)、もらったよ!」
Lilyはルカに宣戦布告すると、グレイブバックルを取り出す。それと同時にMIKIとGUMIもそれぞれラルクバックル、ランスバックルを取り出し、腰に装着する。
Lily「変身!」 MIKI「変身!」 GUMI「変身!」
「OPEN UP」 「OPEN UP」 「OPEN UP」
音声の後、黄色、赤、緑の3色のオリハルコンエレメントが現れた。黄色はLilyを仮面ライダーグレイブ、赤はMIKIを仮面ライダーラルク、緑はGUMIを仮面ライダーランスへと変身させる。
ルカ「お前ら…」
GUMI「おらあっ!」
驚くルカを差し置いて、ランスが真っ先にランスラウザーを両手で構え、ルカに目掛けて突っ込んでいく。ルカは軽く身を反らしてランスの突撃を回避し、♥Aのカードを取り出す。
ルカ「変身!」
「CHANGE」
ルカは仮面ライダーカリスへと変身し、カリスアローを構える。
Lily「おい、1人で突出すんなよ。」
MIKI「チームワーク守りなよ〰」
GUMI「へいへい、っと。」
グレイブはランスに注意すると、ランスは渋々グレイブとラルクの側に戻った。そして、3人のライダーは散会し、カリスを包囲する。
ルカ「…」
カリスは三方をグレイブらに囲まれるが、特に同様した様子は見られない。
Lily「打ち合せ通り行くか!」
MIKI「OK〰」
グレイブは号令を出す。まずはランスが再びカリスに向かって突撃していく。カリスはカリスアローをかざし、ランスの一撃を受け止める。だが、そこにラルクがラルクラウザーから光の矢を撃ち、カリスの背を攻撃する。
ルカ「ッ!?」
不意打ちに気付いたカリスはランスを退け、間一髪でラルクの一撃を回避する。だが、そこからさらにグレイブがグレイブラウザーでカリスに斬りかかる。カリスはこれもカリスアローで防ぐが、そこにまたラルクの不意打ちを受ける。カリスはこれも寸前で回避するが、ランスに背中から一撃を受けてしまう。
ルカ「ぐ…」
カリスは少しよろけるが、すぐに踏ん張って体制を立て直してターゲットをラルクに絞り、彼女に接近する。しかし、カリスがラルクにカリスアローを振りかざした時、その斬撃はグレイブに止められた。そこから、またもやランスがカリスの背中を斬りつけてきた。
ルカ「く…」
カリスはカリスアローを振るってランスを退けようとするが、ランスはすぐにバックステップで距離を取ってカリスの一撃を回避する。
ルカ「…」
カリス/ルカはグレイブらの作戦を読んだ。まず、ランスが敵に正面から突撃して注意を引く。そこにラルクがラルクラウザーを撃ち、敵の足を狙って牽制する。そこをランスとグレイブが狙って白兵戦を仕掛けて攻撃する。そういう作戦だ。
遅れながら、ミクが戦闘の様子を見に来た。アンデッドサーチャーに反応があったからだ。そのため、ミクだけでなくリンとMEIKOも一緒だ。
MEIKO「こんな形で戦闘なんて…」
MEIKOは戦況の酷さを見て微妙な気持ちになった。グレイブらは街の施設を所かまわず破壊し、時には近くにいた人物すらも巻き添えにすることも厭わず、なりふり構わない戦い方でカリスを追い詰めていく。ミクはLily/グレイブたちに違和感を覚えてならなかった。
カリスはグレイブら3人を分断すべく、街中をシャドーチェイサーで走る。だが、回り道していたランスに前に出られてしまう。ランスはランスラウザーを伸ばしてカリスの邪魔をする。カリスは一度シャドーチェイサーを降り、カリスアローを振るってランスに斬りかかる。鍔迫り合いに入ったカリスはパワーでランスをそのまま押し倒す。しかし、上からジャンプして降りてきたグレイブがカリスを背中から斬りつける。
ルカ「く…」
カリスはまたもや背中から一撃を受けてしまう。そこに駆け付けたラルクもまた、「MIGHTY」と書かれたラウズカードを取り出し、ラルクラウザーでラウズする。
「MIGHTY」
ラルクはラルクラウザーをカリスに向けて光の矢を放つ。カリスは怯んでいたところにラルクの光の矢の直撃を受け、露店の商品棚の近くに飛ばされた。
住民「うわあっ!?」
Lily「邪魔。」
倒れたカリスの目の前で、グレイブは驚く住民を退けるとグレイブラウザーにカードをラウズする。
「MIGHTY」
グレイブはカードのパワーが込められたグレイブラウザーをカリスに振り下ろす。カリスはカリスアローを咄嗟にかざして防ぐが、防ぎ切れずにダメージを負ってしまう。
ルカ「うっ…」
カリスはその場にドっと倒れた。グレイブはブランクのラウズカードを取り出し、カリスを封印しようとする。
Lily「あばよ、死神。」
グレイブはゆっくりとカリスに近づく。カリスは立つ力も入らず、絶対絶命となった。そんな矢先、カリスの右側からミクの声がした
ミク「やめろお!」
Lily「何!?」
ルカ「…?」
ミクは憤りのあまりグレイブらを止めに割って入る。そして、走っている最中にブレイバックルを取り出し、腰に装着する。
ミク「変身!」
「TURN UP」
ミクはオリハルコンエレメントをくぐってブレイドへと変身し、ブレイラウザーを持ってグレイブに斬りかかる。グレイブはそれをグレイブラウザーで受け止める。
Lily「お前…何のつもりだ?」
ミク「分からない…でも、あなたたちは許せない!」
ブレイドはグレイブらのやり方に並ならぬ憤りを感じていた。
GUMI「分かってんのか?お前、ライダーだろ?」
MIKI「ライダーがアンデッドの味方をするっての〰?」
ランスとラルクもブレイドを非難するが、ブレイドは退かない。
GUMI「そうかい。だったら…」
ランスはランスラウザーを構え、ブレイドを攻撃しようとする。しかし、これにも横槍が入った。
リン「させない!」
リンは走ってミクの助太刀に入る。その最中にレンゲルバックルを取り出し、腰に装着する。
リン「嶋さん、光さん、力を貸して!」
リンは以前、自分に力を貸してくれた嶋/タランチュラアンデッドと光/タイガーアンデッドを想い、レンゲルバックルを腰に装着する。
リン「変身!」
「OPEN UP」
リンはスピリチアエレメントをくぐってレンゲルへと変身し、レンゲルラウザーを振るって目の前のランスに挑む。
GUMI「レンゲル!?お前ら、一体…」
リン「っ!」
レンゲルはレンゲルラウザーでランスに一撃を入れる。ランスはこれをランスラウザーで受け止める。そして、レンゲルとランスは互いに武器を持って打ち合う。
MIKI「バ〰カ!隙だらけなんだよ!」
ラルクはラルクラウザーでグレイブと戦っているブレイドを狙う。しかし、それを銃撃が邪魔した。ラルクの向かいでは、ギャレンがギャレンラウザーを構えて立っていた。
MIKI「…ギャレン?」
ラルクは銃撃を仕掛けてきたギャレンに驚く。
ミク「…あなたたちの思い通りにはさせない!」
Lily「お前ら、正気か…?」
ブレイドはグレイブと鍔迫り合いを演じながらグレイブを睨む。