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色鮮やかな記憶… モノクロームの未来…。

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色鮮やかな記憶… モノクロームの未来…。

7 - 第7話私に足りないものばかりですね。

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2022年10月11日

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に足りないものばかりですね。

まあ、そうでしょうね……。

今度こそは上手くいくはず。

さて、それはどうかしら? あなたはまだ何もしていないじゃない。

また失敗するかもしれないわ。

失敗を恐れない人間はいない。

だから、失敗したときのことも考えるのです。

それじゃあダメだって言ってるの! どうしてわからないのかしら? なぜ同じ過ちを繰り返すのかしら? あなたには期待できないわ。

あなたのやり方では誰も救えない。

みんなを傷つけるだけだから。

ああ、なんて愚かなんだろう。

それでもまだ続けるつもりなのかしら? あなたは間違っている。

このままだと、いつかきっと後悔することになる。

こんなことを続けていても無駄だよ。

結局は何も変わらない。

あなたはいつもそうだ。

いつまで経っても、進歩しない国だと呆れるかもしれない。

しかし、人間社会における変化というものは、 常に同じスピードで行われるわけではないのだ。

急激な環境の変化に、ついていけない人々もいる。

たとえば、それは人間関係においても言えることだ。

昔のように親しく付き合っていた友人同士であっても、 ふとしたきっかけから疎遠になってしまうことがある。

あるいは逆に、まったく関わり合いがなかったはずの人物同士が、 いつしか親密になることもある。

これらは、いわゆる『時間の経過』によるものではないだろうか? そう考えると、急に楽になった。

時間はただ流れるのではなく、流れながら変化していくのだ。

例えば、ある地点から次の地点へ直線的に移動するわけではない。

時間の流れとともに移動して、ある地点で止まるのだ。

つまり、時間が経てば、何もかもが変わる。

それは、当然のことなのだ。

「それなのに……」

なぜ自分は、こんなにも変わることを恐れているのか? 変われば変わってしまうことに怯えるのは、何故なのか?

「そうだ……」

きっと自分が変わらないために、何かを変えようとしているからだ。

しかし、だからといって、いったい何を?何もしないで、ただ待っているだけではダメなのか?

「自分の力で解決できない問題なんてない!」

そう思うからこそ、今こうして必死になっているんじゃないか! それなのに……なぜ誰も分かってくれない!?

「……あのさぁ、あんまり難しく考えなくて良いんじゃね?」

「えっ?」

「確かにお前さんは他人より頭が良いかもしれんけど、人間てのは誰でも得手不得手があんだよ。勉強が得意な奴だって、苦手なことはあるだろ? それにほら、俺なんか見ての通りバカだからさ! ははは!」

「…………」

(なんでこんなことになっちゃったのかしら?)

少女は困惑していた。

目の前にいる男は、先ほどからずっとニコニコ笑っている。

少女は自分の顔を隠すようにうつむきながら、「……はい」とうなずくしかなかった。

「ところで君の名前は?」

「……ロザリーです」

「そうか、よろしくなロザリーちゃん!」

男はいつもそうだった。

どんなに愛していても、結局、裏切られて終わるのだ。

だから、恋愛なんてくだらないと思っていたのだが……。

いつの間にか恋に落ちている自分に気づいた時には遅かった。

「好きだ」

言ってしまった言葉を飲み込むことはできず、想いを告げるしかなかった。

しかし、女の反応は男の予想とは違うものだった。

「ごめんなさい」

女の答えを聞いてからというもの、男の生活は一変してしまった。

今まで通りで良いはずだったのに……

色鮮やかな記憶… モノクロームの未来…。

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