テラーノベル
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今日は二人とも仕事が休みだった。
朝から一緒に買い物へ行き、帰ってきてからは岩本が夕食を作る。
「ふっか。」
「味見。」
「はいはい。」
深澤はスプーンを受け取り、一口食べる。
「うま。」
「ほんと?」
「うん。」
「店出せる。」
岩本は照れくさそうに笑った。
「それは言い過ぎ。」
夕食を食べ終え、食器を並んで洗う。
何気ない会話をしながら過ごす時間が、何より心地よかった。
「そういえば。」
深澤がソファへ座りながら笑う。
「ちゃんと二人で休み過ごすの久しぶりかも。」
岩本も隣へ座る。
「忙しかったからな。」
「うん。」
少し沈黙が流れる。
その静かな時間さえ、気まずくはなかった。
深澤は岩本の肩へそっと寄りかかる。
「照。」
「ん?」
「幸せ?」
岩本は迷わず答えた。
「幸せ。」
その一言だけで十分だった。
深澤は嬉しそうに笑う。
「俺も。」
岩本はその笑顔を見つめながら、小さく息をついた。
「実は。」
「ずっと悩んでた。」
「何を?」
「ふっかを大事にしたくて。」
「焦らせたくなくて。」
「ずっと待とうって思ってた。」
深澤は静かに頷く。
「知ってる。」
「だから嬉しかった。」
「でも。」
深澤は少し照れながら笑った。
「最近。」
「俺も。」
「もう少し近くにいたいって思うようになった。」
岩本は驚いたように深澤を見る。
「……本当に?」
「うん。」
「女の子になったこととか。」
「怖かったこととか。」
「全部少しずつ乗り越えて。」
「今は。」
「照となら大丈夫って思える。」
岩本は深澤の手を優しく握った。
「無理してない?」
「してない。」
「本当に?」
「本当。」
深澤は微笑みながら握り返す。
「俺が決めた。」
「照だから。」
その言葉に、岩本の目が少し潤む。
「ありがとう。」
「こちらこそ。」
深澤は立ち上がると、岩本の前へ歩いてきた。
「照。」
「今日は。」
「恋人として。」
「もう少し甘えてもいい?」
岩本は優しく微笑み、深澤をそっと抱き寄せた。
「もちろん。」
長い間、すれ違ってしまっていた二人。
恋人なのに、どこか遠慮ばかりしていた二人。
今は違う。
深澤は岩本の胸に顔を埋め、小さく笑った。
「やっぱり。」
「落ち着く。」
岩本は髪を優しく撫でる。
「俺も。」
「ずっとこうしたかった。」
深澤がゆっくり顔を上げる。
二人は目を合わせ、穏やかに微笑み合う。
そして、そっと唇を重ねた。
長い年月をかけて積み重ねてきた想いを確かめるような、優しく温かな口づけだった。
「……照。」
「ん?」
「今日は。」
「抱いてほしい。」
岩本は何も言わず、小さく頷く。
「うん。」
部屋の照明が少しだけ落とされる。
窓の外には静かな夜景が広がっていた。
その夜は、言葉よりも温もりを確かめ合いながら、お互いへの想いを静かに伝え合った。
翌朝。
柔らかな朝日がカーテンの隙間から差し込む。
深澤が目を覚ますと、隣では岩本が穏やかな寝顔を見せていた。
その寝顔を見て、深澤は思わず笑う。
「おはよう。」
小さく呟くと、岩本もゆっくり目を開けた。
目が合う。
二人とも照れくさそうに笑った。
岩本は深澤の額へ優しく口づける。
「おはよう。」
深澤も幸せそうに微笑み返した。
「……今日も。」
「よろしく。」
「こちらこそ。」
新しい朝は、恋人としてさらに一歩近づいた二人を、優しく包み込んでいた。
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kaede🍁
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kaede🍁
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コメント
4件
朝、起きてベッドの中で 今日もよろしくっていいですね。 ゆり組とは違う長い付き合いの大人な二人のストーリー好きです。

一気に読みました。 みなさん引っ越し終わり 安心できるちゃんと帰れる家が決まりましたね。 すれ違ってた人も一つになれた。 癒されました♪ありがとうございます😊