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タイトル通り、pixivにあげたほのぼのリクガナです🍓
さよならいちごちゃんを聞いてたら書きたくなっちゃいました。
ちょこちょこ歌詞を参考にして書いた文があるので、是非ききながら読んでみてください。
コツ、コツ、コツ。
一定の間隔で響く自分の靴の音をききながら、脳内でヒールの音と重ねる。
熟れた苺のようなワンピースに、ホイップをのせたような白襟。
首元で結ばれたリボンと対応するように、足には黒のブーツを履いている。
桃色の丸い頭の上には、晴天をそのまま映したようなカチューシャとリボン。
いつものように、彼女のことを考えて街を歩く。
暖かい陽だまりのような笑顔は、誰が見ても心が癒されるものだろう。
表情がころころと変わり、鈴を転がすように笑う。
そう、正しくあそこにいるような———
「あれ、リック?」
「が、ガーナ…?」
そう声を掛けた彼女は、パニエが入ったスカートをふわふわと揺らしながら こちらへ駆け寄ってくる。
なんて素敵な日だろうか。
先程まで脳内で想っていた人が、目の前に居る。
しかも、その彼女が見つめる先は自分。
「びっくりした、リックも外出てたんだね!」
「あぁ、ちょっと必要なものがあってな」
「そうなんだ…なんか、嬉しいにゃ」
「嬉しい…?」
少し重めの前髪が、やわらかい風に吹かれてさらさらと揺れている。
顔の前に流れた横髪を手で掬いながら、ふわ と笑って言った。
「うん、嬉しい!
会おうって約束したわけじゃないのに 街中で会えるなんて、なんだか運命みたいだもん」
「……運命、…」
ふと顔を見ると、彼女はワンピースと同じくらいに顔を赤く染まらせていた。
—それが本当に、甘く優しい苺のようで。
ゆらゆらと揺れながら、目の前の苺は言葉をつづける。
「えへへ、リックが私の王子様だったらなぁ…」
「……俺に王子様なんて、似合わないだろ」
「そんなことないよ!
私が悲しくなっちゃったときだって、…私と、サトリくんのことがあったときだって…リックはいつでも、私を励ましてくれたよ。
…私にとっては、もう王子様みたいなものなの!あとは、私がお姫様になるだけなのかもねっ」
そう言った彼女の笑顔は、いつもと違って少し寂しそうだった。
—優しいわりに、嘘をつくのが苦手なんだ、この愛おしい苺は。
「お姫様になるだけ」と口では言いつつ、『自分ではお姫様にはなれない』とでも思っているのだろう。
「ガーナは、…もう立派な、お姫様じゃないか」
「そうかな、えへへ…なんだったら、私が迎えに行ってやるくらいだにゃ!」
元気そうな声をしているが、視線を合わせようとはしない。
しきりに目を瞬かせて、もじもじと手を動かしている。
「……別に、迎えに行かずとも、先に進んでいいんじゃないか。
お姫様が先に進んだって、後から王子様が追い付けばいい」
「…本当に、良いのかな? 私、本当に…っお姫様に、見えるかな。
王子様に迎えに来てもらえるっ、…素敵なお姫様に、っ……なれるかな、…!」
喉を振るわせて、たどたどしく弱々しい声でそう言う。
ふいと見えた、苺の葉の色をした瞳。
瞬きをするたびに、雨が降るように雫が滴り落ちていく。
「……いつか、…
…いつか、俺が迎えに行くよ」
「っ……!」
「きっと立派な王子様になって、…素敵なお姫様を迎えに行く」
「……っ約束だからね、忘れちゃだめだよ」
目元の涙を指で掬い、しっかりと抱きしめてそう伝える。
今日 会話することが出来るのは、時間的にもここまでだろう。
彼女もそれをなんとなく察しているようで、回された腕の力が少し強くなった。
白苺のような肌に、成熟した苺のような頬。
本当に身体の全部が苺で出来ているようで、誰かにかじられでもしないかと心配になってしまう。
——彼女の甘さは、きっと誰でも寄ってきてしまう甘さがある。
そんなお姫様を、俺は放っておくわけにはいかない。
「…それじゃあ、またねっ、リック。」
「あぁ…また。」
さようなら、とは言わない。
またいつか、会えるような気がしているから。
——きっと、…きっと立派な王子様になって、俺が君を迎えに行く。
だから、先に進んで待っていてくれ。
コメント
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リクガナ好きです! 衣装がガーナらしいですね🎀