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攻🐉×受🔝の捏造まみれのジヨタプ小説。
ご本人様たちとは全くの無関係。
ご都合主義の矛盾まみれ解釈違いもろもろですがたくさんの愛はある、たぶん。
🐉が🔝のことを乱暴に扱うシーンが少しだけですがありますのでご注意。
覚悟の上読んでくださる方はそのままお進みください…!
「……ねぇ」
時計の音がやけに耳に響く。先程までの熱が一気に身体から全部抜け落ちて、まるで空っぽになってしまったかのようだった。
「もう………こういうの、やめにしない?」
ぐちゃぐちゃのシーツを握りしめた。
「………苦しい」
空っぽになってしまったはずなのに、胸が痛いからタチが悪い。
「…………………………………わかった」
彼がゆっくりと頷いた。そのときどんな表情をしていたのか、あまり覚えていない。
始まりの理由はなんだったんだろう。コンサート後の余韻を抱えた身体の熱を発散したかったのかもしれないし、忙しさで目まぐるしく過ぎていく日々の中にあったちょっとした心の寂しさを埋めたかっただけかもしれない。酒も入っていたし、酔った勢いだったかもしれない。それら全てが合わさった先に、俺と彼がいたからかもしれない。
気付けば俺は、彼を抱いていた。無理やりではなかったと思う。同意の上だったかどうかわからない、でもきっと彼も嫌ではなかった。それは俺の欲目だったのかな。
理由は覚えてないけど、始まりの瞬間は覚えている。どちらか誘ったわけではないのに、気付いたらベッドの上にいて、当たり前のように彼を押し倒していた。
「ジヨン、」
名前を呼ばれたのを合図にキスをした。柔らかい唇の感触に身体の奥が熱くなって、痛いほど手を握っていた。鼻先から漏れた彼の声を聞きながら服を脱がす。普段見えない彼の肉体美、触ると酷く手に馴染んで興奮した。
「ぁ…っ、」
その綺麗な肌を傷つけないように優しく触っていたら、それが逆にもどかしかったのか彼はくすぐったそうに身を捩る。目をギュッと瞑りながら小さな快感に身を任せるその姿に、俺の自身は痛いくらいに勃っていた。
「あ、ぁ……んっ」
「タプヒョン、」
明かりは小さく灯る枕元の小さな電球のみの暗い部屋だったけど、目が慣れれば案外見える。足を開いた先にあったそこを、唾液で濡らした指で触れる。何度かなぞった後に、ゆっくりと指を押し入れれば、彼の身体がビクッと跳ねた。眉を下げ不安そうな顔をする彼のおでこに小さくキスを落とす。
「大丈夫。痛かったら言って?」
自分で言っててなにが大丈夫なのか分からなかったけど。潤む彼の瞳の横、頬、鼻、顎先、首筋、鎖骨、肩。唇を当ててない場所がないくらいにキスを落としていけば、狭かった秘部が少しだけ緩んでホッとした。きっと違和感があるに違いない。それでも拒まれなかったから徐々に指を入れていった。
どれくらいの時間解かしただろうか。2本の指を抜き差ししながら、だいぶ柔らかくなったそこは火傷しそうなほど熱い。
「あ、ぅ…んん…はぁ、はっ、」
俺のこめかみから流れた汗が枕に垂れる。正直限界だった。彼を傷つけまいという理性だけがここまで俺をもたせたように思う。
「……そろそろ、入れるね?」
小さく、でも確実に頷いた彼を確認してから、取り出した自身をゆっくりと入れていった。
「ぅぁ、ああぁっ!」
「ん…ぐ、ぅ…っ」
後頭部を枕に押し付け、彼の顎が上にあがる。開いた口からは音にならない声と涎がもれて、眉間にシワを寄せながら苦しそうに顔を歪めていた。
「ごめん…っ、あとちょっと、」
一度息をついてから、一気に腰を進めた。絡みついてくるそこはやっぱり熱くて、締め付けられるほど狭かった。馴染むまで待つ間、震える唇を塞いだ。啄むように口を動かせば、彼の目尻から涙がこぼれる。まつ毛が濡れて綺麗だった。
「ん…ふ…ぅ、ぁ」
「…動くね、」
腰を動かしていく。最初はきつそうな顔をしていた彼も、徐々に徐々にその眉間のシワがなくなっていった。代わりに聞こえる声に痛みだけじゃないそれが混じってきて、より腰スピードが上がる。
「あ、ん…じ、じよ…ぁあっ、あ」
「ん…は…はぁ…っ」
掠れたセクシーな声がさらに俺を煽った。
「た、たぷ…ひょん、」
ああ好きだ、と唐突に思った。
だから俺、今君を抱いているんだな。
だって君とこうなれてすごい幸せだもん。
「ぁ…ん…ああ、や…だめ、まって…っ」
でもなぜか、その言葉が言えなかった。
「ぅう…も、むり…ぁ…いく、いくから…ぁっ!」
いやいやと頭を振る彼を力強く抱きしめて、腰を大きく打ち付けた。そして途端に締まる中に、俺も後を追うように果てた。
「はぁ…は…っ、」
今日初めてトップを抱いた。
気持ちを言うこともできないまま。
それからというもの、俺たちは定期的に身体を繋げた。最初こそ、次の日恥ずかしくて妙に距離をとってしまったが、それ以降は普通だった。みんなの前では今まで通り振舞ったし、仕事の話もするし冗談を言って笑いあったりもした。
そんな中、瞳の奥に隠した欲と熱を互いに感じたとき、俺たちは当たり前のように寝た。特別言葉にして誘うわけでもないのになぜかわかってしまうのだ。
「………俺たちってなんなんだろう」
周りから見た俺らの関係ってなに?定期的に身体重ねて、これって所謂セフレってやつ?
トップは果たしてどう思ってるんだろう。なんで黙って俺に抱かれてるの?俺はさ、君のことが、
「……好きだから」
でもそれは言えなかった。言ったらなにかが大きく変わってしまいそうで怖かった。それならいっそこのままで、なんて思ってしまう自分がいる。
「あーーーーあ……順番、間違えたな」
タバコに火をつけて、ゆっくりと煙を吐き出す。上がっていくそれを見ながら、臆病者の俺は1人後悔していた。
「ぁ、う…っ」
彼との行為は純粋に気持ちがよかった。身体の相性というものはよく分からないが、少なくとも俺は彼が好きだったから。
「んっ…はぁ…や、」
奥をつくように腰を動かせば、ビクンッとその身体が跳ねてトップの口からよりいい声が上がる。
「あ、ぁあっ、!」
ぎゅうぎゅうと絡みつく中は俺を離すまいとしているようだ。君とセックスをするの、今日で何回目だろうね。もうわからないほど君を抱いてるから、どこをどう愛撫すれば君が喜ぶかわかっちゃうんだよね。
「ひっ…ん、ぁ、あ…じよ、」
「はぁ…っ、ねぇ…タプヒョン、」
なんで君は俺に抱かれるの?
なんで黙って受け入れてるの?
なんで、なんでなんでなんで。
「ぁ、あ……っ、」
俺はね、君が好きだからだよ。
そんなこと、怖くて言えないけど。
「タプ、ヒョン……っ、」
好きだって言えない代わりに、何度も君の名前を呼んで、その唇を塞いで、強く抱きしめることで誤魔化してる。なんだか口の奥に苦いものが流れてきたような感覚がした。
「す、」
好きだって伝えたら、俺たちの関係ってどう変わっちゃうのかな。
俺たちは仲のいいグループだと思う。ベタベタと四六時中一緒にくっついてるわけではなくむしろ割とドライな部分をみんな持ち合わせていて、その干渉しないところがうまくいっている要因だった。
その中でもトップは比較的人といるのが好きだったりする、と俺は思う。自由気ままな性格で縛られることが大嫌いな一面もあるのに、人一倍寂しがり屋だから。一番年上だけど甘えるのが好き。そんなところが彼の魅力だったりする。
でもその魅力は俺だけじゃなくみんなも知っているわけで。そうした彼をなんだかんだみんな広い心で受け止めて、ときに彼の望むように目一杯甘やかすのだ。
「テソン、」
特にテソンに対しては、果たしてどっちが兄なのか分からないような言動をする。普段ステージじゃ絶対に見せないようなふにゃふにゃな顔をしてテソンに擦り寄る。テソンもそんな彼を、仕方ないなという顔で受け入れていた。
(………じゃあ、俺は?)
俺たちの関係が始まった理由は明確にはわからない。たくさんある要素の中で、どこか感じる寂しさを埋めたかったのもあったと思う。その先にたまたま俺がいただけ。
じゃあ、その先がテソンだったら?はたまたヨンベなら?もしくはスンリなら?
彼は俺と同じように、誰かと関係を持つことになったのだろうか。
グッ、と胸の奥が痛んで思わず息がつまる。心臓が裂けて、その切れ目からどろりと黒いものが垂れた気がした。それはじわじわと身体を蝕んで、全身に回ってしまったのような感覚がする。
そもそも今、君が抱かれているのは俺にだけなの?そんな証拠、ないよね。もしかしたら、なんて思ってしまう。
「…………何考えてんだ、俺」
一人呟く。
ああ頭が痛いな。
なんだか最近うまく集中ができない。いや、正確には集中ができていないわけじゃない。
「はぁ…っ、あ」
彼とのセックスに、だんだんと苦しさを覚え始めていた。気持ちよくて心地いいのに、どこか苦しくてしんどい。心がぐらついて、当事者なのに他人事のように考えている。
「あ…ん、んっ、」
眉間にシワを寄せて、長いまつ毛を小さく揺らしながら、声を上げるその顔がたまらない。誰もが羨むような綺麗な顔を、気持ち良さげに歪める。
ねぇ、君のその顔、他に誰か知ってる人いるの?
汗ばむほど身体が熱いのに、心の奥が酷く冷たい。そのアンバランスさにぐちゃぐちゃになりそうだ。
「…タプヒョン、」
これってさ、臆病な俺の醜い嫉妬だね。
「……これ」
困ったような顔をしながら、マネージャーが紙を差し出した。白黒の写真と記事。今度出される週刊誌のゲラ。俺は一度それを受けとって興味なさげに一瞥すると、マネージャーに突き返した。
「…なに?俺のゴシップ記事?」
「今度出る予定のやつです。潰してもらいますけど」
女の人と話しながら店を出たところをパシャリ、といったところか。
「別にどっちでもいいけど。嘘ばっかだしこんなの」
「嘘か本当かなんて関係ないんです。疑惑がかかればそれだけ今後の活動に影響していくんですよ」
「じゃあ誰とも会うなって言うの?」
思わず大きなため息をついた。こめかみ辺りがちりちりと焦げるような感じがする。
「このときだってさ、この人と2人きりじゃないよ。何人かご飯食べてた。その帰りにたまたまこの人と一緒に店を出ただけ。それなのにこういう切り取り方されて、そんなこと言われても困る」
「そうですけど…」
なんでだろう、すごく心がささくれだっている。頭の奥が熱い。
「なに?俺は誰も好きになっちゃいけないってこと?」
言ってからハッとした。左から刺さるような視線を感じてそちらを向けば、トップが酷く苦しそうな顔でこちらを見ていた。
(………なんで君が、そんな顔するの)
こんな嘘まみれのゴシップ記事、今までいくらでも経験している。だからいつもはこんなことでここまで気が立たないのに、なぜか心がイラついて仕方ない。八つ当たりをしている自覚はあった。
「………ごめん。ちょっと言いすぎた」
「いや…こちらこそ、すみません」
「頭冷やしてくる」
俺は立ち上がると、みんなの心配そうな顔に気付かないフリをして楽屋を出た。喫煙所のベンチに乱暴に腰をかける。タバコを1本咥えてライターを擦った。オイルの少なくなったそれはなかなか火がつかない。
「クソッ!」
ライターを投げ捨てて灰皿を蹴る。頭を冷やしに表に出たはずなのにちっとも収まらない。歯に力を込めすぎてフィルターが潰れた。頭をガシガシとかきながら、膝にひじをついて大きなため息をつく。
「!」
スっと、視界の端から差し出されたライターに思わず顔を上げた。
「……タプヒョン、」
「物に当たるな」
そう言って彼は、俺の投げ捨てたライターを擦った。散々つかなかったそれは一発で火がついて、ゆらゆら燃える炎を顔の前に向けられる。
「……ありがと」
タバコの先をそこに当てて、思い切り息を吸う。肺まで入ったそれを味わいながら、ゆっくりと煙を吐き出した。それでも心は重いまま。
「………タプヒョン」
ちりちりと燃えていく。タバコも、俺の心も。しんどいな。
「……………今日の夜、俺ん家来て」
目も合わせずに言った。それに対して彼は何も答えなかった。
「ちょっ…、」
まて、と言おうとしたであろう口を塞いでベッドに押し倒した。俺に続いてトップが家の中に入ったのを確認するや否や、その腕を引っ張って真っ直ぐに寝室に向かったから、きっと混乱してるに違いない。
「んっ、」
口の中を舐めながら早急に服を脱がしていく。止めようとする手を掴んで頭の上に縫いつけた。ズボンも下着も一気に下ろして床に投げ捨てる。恐怖も相まってか縮こまる秘部に無理やり指を入れた。
「痛っ…ま、まてって、ジヨンっ、」
「待てない」
狭いそこを無理やりこじあけていく。何度も俺を受け入れているそこは、本人の意思に関係なく嫌でも開いていった。そんなことにさえ苛立つ。
「いやだ…ぁ、や、」
「嫌じゃないでしょ。もう十分入りそう」
「まって、あ、さすがにまだむり…」
「入れるね」
足を押し開いて、取り出した自身を押し当てた。彼が息を飲む音が聞こえる。
(ちがう)
本当はちがう。こんな風に抱きたいわけじゃない。そんなの分かってる。
「ぐ、ぁあああっ」
メリメリ、と音がしそうな感覚がする。それでも切れてはいなかった。苦しそうに顔を歪める彼のギュッと瞑った目から涙がこぼれる。
「痛い…っ、いた…じよん、じよ…っああ、まって、いやだ、やめて」
「痛いのなんて最初、だけだよ…っ、すぐ良くなるでしょ、」
頭を振って嫌がる彼を無視して腰を動かした。酷く狭いが、俺を離すまいと絡みついてくる。
今まで散々抱いたんだ、嫌だって思ってもその身体は俺を受け入れるでしょ?
それとも俺以外のことも受け入れてるの?
「ぅ…ぁ、んあっ、」
「く…ん……タプ、ヒョンっ」
視界が歪む。酷いことをしているのは俺の方。苦しいのも痛いのも君の方。なのに、なんで俺が泣いてるの。
「ふ、ぅ…う、たぷひょんっ、」
泣く資格なんてない。分かってるのに止まらない。俺の目からこぼれ落ちた滴が彼の顔に落ちていく。
いつから、どこで、俺は間違えたんだろう。
「……ねぇ」
時計の音がやけに耳に響く。先程までの熱が一気に身体から全部抜け落ちて、まるで空っぽになってしまったかのようだった。
「もう………こういうの、やめにしない?」
ぐちゃぐちゃのシーツを握りしめた。さっきまであんなに2人の体温が混ざりあっていたのに、そこは酷く冷たかった。
「………苦しい」
空っぽになってしまったはずなのに、胸が痛いからタチが悪い。散々泣いたのにまた泣きそうだった。俺も、君も。
「…………………………………わかった」
彼がゆっくりと頷いた。そのときどんな表情をしていたのか、あまり覚えていない。それでも全てを悟ったような顔をしていた気もする。
彼はそのままゆっくりと立ち上がると、床に散らばった服をそそくさと着て、そのまま寝室を出ていった。
「……………まって、」
自分勝手な声が漏れる。それは掠れてちゃんと音になっていなかった。きっと君には届いてない。
バタン、と遠くで扉の閉まる音が聞こえた。出て行ってしまった君のいないこの家は、静かで寂しい。
「まって、行かないで。タプヒョン…………苦しいよ、」
そんなこという資格は俺にない。散々苦しめたのは俺だ。
「好き、」
ベッドに顔を押し付ける。いつから、どこで、俺は間違えたんだろう。最初に君を抱いたときに、好きだって伝えてたら、こんなことにはならなかったのかな。どこで道を間違えたの。どこでボタンをかけ違えたの。
「好きだよ…っ、」
臆病者の俺が全部壊した。
「……ごめんね。好きになって、ごめん」
叶うことならもう一度あの日、初めて君を抱いた日の、幸せなときに戻りたい。