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放課後
蘭「はーるー、一緒帰ろー」
春千夜「ぁ、あー、」
春千夜「わりぃ、今日、委員会の集まりあんだわ」
蘭「えー、そんなん、サボれよ」
春千夜「…絶対、出ないといけねーやつなんだよ」
春千夜「サボったら後々めんどくせーし」
蘭「ちぇー、わかった、今日は竜胆と帰るわ」
春千夜「、おう」
蘭「明日なー」
春千夜「…」手を振る
春千夜「…はぁ」
本当は、委員会の集まりなんてない。
でも、
あんなん見せられて、普通の態度でいられるほど
俺は、強くねぇ。
『魅力を感じない』
蘭にもしかしたら、ほんとにそう思われてるのかと思うと
…怖くて、辛くて
蘭と一緒にいる時間が、楽しかったあの時間が
苦痛に変わって、
こんな俺が隣に立っていていいのか、なんて
そんなことばかり考えてしまう。
春千夜「…あ”‘ぁー」
春千夜「…最悪…、」
それからというもの、俺は
ことある事に、蘭のことを避けてしまっていた。
彼が俺に、一緒に帰ろう、と誘ってきても
俺がその答えにYesと応じることは、ここ最近無いに等しかった。
どうしたらいいのか、と悩んで、
悩んで。それでも答えは出なくて…。
けれども、時間は残酷だ。
悩んでいる俺の横を、何知らぬ顔をしてとおりすぎていく。
1日、また1日と過ぎていき、
早くも、
彼にチョコを渡す予定だった日が、翌日に迫っていた。
春千夜「……」
彼のことを避けていたからと言って
渡す準備を怠っていたわけではない。
何度も何度も彼を想って練習して
やっと最近成功するようになった、
彼好みの手作りチョコ。
勿論、そこら辺の女共よりは気持ちを詰め込んでいるつもりだ。
でも…
春千夜「……こえー、…」
もしも、もしもだぞ、
沢山の”本命”チョコを抱えた蘭が
俺の目の前に現れたらどうだろう。
春千夜「うぁ”ーー、…。」
俺、その時
泣かない自信、ねーわ…
春千夜「…、」
キーンコーンカーンコーン
下校時刻の5時30分となりました。教室に残っている生徒は速やかに帰宅してください。
繰り返しお知らせします。
春千夜「ぁ、もう、こんな時間か…」
帰るか…、
ドタドタ、ガラガラ!
春千夜「!」
蘭「あ、いた!」
蘭「はるちゃん!」
春千夜「ら、ん」
なんで、ここに…
蘭「やっと見つけたー、ずっと探してたわ」
春千夜「あ、そうなのか、わるい」
俺の事、探してたのか…
蘭「全然、見つかってよかった」
春千夜「…」
嬉しいとか、俺も単純だな、。
蘭「あー、それ、でさ」
蘭「今日、こそは一緒、帰りたいんだけど、どう?」
春千夜「あ、あー…」
春千夜「、今日、も、その…」
春千夜「…」
蘭「…だめ、」
春千夜「え、?」
蘭「今日だけは絶対だめ!、」
春千夜「、…」
蘭「お前、明日、何の日かわかってる?バレンタインだよ?バレンタイン!」
春千夜「…っ」
そんなの、俺が1番分かってる。
蘭「俺、明日春千夜が俺にチョコ、渡してくれるかもって、期待してたのに、」
蘭「最近、はるちゃん、なんか俺の事避けてるよね…、?」
春千夜「…、」
蘭「ねぇ、春千夜、俺なんかした、?教えてくれなきゃ、わかんないよ、俺…、。」
春千夜「…、っ」
春千夜「…なんでも、ねーよ」
素直になれない自分に腹が立つ。
蘭「は、…?」
蘭「な、なんでもないわけねーだろ!、」
でも、嫉妬の感情でいっぱいになった、醜い俺を蘭には見て欲しくない。
春千夜「…」
蘭「あんだけ俺を避けたくせに、そんなんですませんな!」
春千夜「…、わりぃ、けど、ほんとになんでもねーから、」
春千夜(…ごめん、蘭)
春千夜「俺、帰るわ、」
春千夜は、そう言い放ち
この場を去ろうとする。
蘭「あ、ちょ、おい!まてよ!」
蘭の手が、春千夜を掴む。
春千夜「!、」
バッ
蘭「!」
春千夜「…、ぁ、わり、」
蘭「…、」
春千夜「…っ、」
春千夜は逃げるように、その場を後にした。
春千夜宅
ぼふっ、
春千夜「……はぁ、」
春千夜「なんで、俺、こんな性格悪いんだろ…」
春千夜の目から、ぽたぽたと涙が溢れだす。
こんな感情、抱いてしまえば、きっと嫌われるって分かってるのに、蘭の前では何故かこんなにも制御できない。
嫉妬と、自分への憎悪が渦巻く、醜くて、汚い、そんな気持ち。
そんな心をさらけ出せる、勇気も素直さも、俺にはなくて
溜まっていくばかりで、
春千夜「こんな、おれなんか、蘭の隣に居て、も…、」
頭の中では、俺なんかが彼の隣にいてはいけないことくらい、ちゃんと理解してる。
彼と俺では不釣り合いだから。
でも、…
春千夜「…好きだ、蘭、本当に、大好きだ。」
好きで、好きすぎて、離れられない。
俺が蘭の手を振りほどいた時、
蘭、傷ついた顔してた、よな
春千夜「…」
ピロン
春千夜「?、LINE、だ」
春千夜「んだよ、公式かよ…」
『 明日は、バレンタイン!皆、恋人にあげるチョコの用意は大丈夫かな??
それにバレンタインは、チョコだけじゃないよ!
普段は言えない貴方の心の内を素直に恋人に伝えるチャンス!
勇気を振り絞って、チョコと一緒に伝えてみよう♡ 』
春千夜「普段は、言えない心の内を、伝える…」
バレンタイン、か
春千夜「…伝えたら、この気持ちも、少しは楽に、なるのかな」
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読んでくださりありがとうございます!
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ちなみに、次のお話が最後になると思います!
コメント
11件
ひぁ、このお話大好きです🥹💓
続きが気になりすぎる! 早くみたい!マジ最高です! 神作すぎて、😭