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「だっさー!なんでこんなことも出来ないの?」
周りにバカにされるのにはもう慣れた。
知らない内に失敗して、失望されて期待を裏切る形になってしまった。勝手に期待して、僕の元から離れていってしまう。
……もう散々!
今まで大人しくしていた。それは自分のキャラを守るため。仕方が無いことだった。
「なんで…アンタみたいなよく分からない奴の相手なんて、しなきゃいけないの!?」
やっとの思いでそのガキに一発、拳を放った。
ガキが食らった痛みよりも散々僕に浴びせてきた罵声の方がよっぽど悪だ。
「悪趣味ですね。」
この転がっているガキの態度に嫌気が刺す。
「アンタ……こんな事してただで済むと思うなよ!」
「ほんと…惨めで悪趣味ですよ……」
コイツは私に何をした?いや!まさか!反撃されるわけがないじゃない!私達のリーダーがいないから誰もコイツに意地悪しない。だが、私はそんな意気地無しじゃない!
だって!コイツのことを誰よりも受け止めたのは私だから、私の思った通りに動いてくれなかったからちょっと痛い目見てもらってるだけ。私は殴られた頬に手を当てて必死に訴えた。
「悪趣味ですね。」
それはそっくりそのまま自分のことを言っている。そうに決まっている。私の思いのままに動いて暗躍してくれるだけで私の株は上がる。コイツを利用して私はこのクラスの女王になるのよ!
「…僕のこと舐め過ぎ」
唐突にコイツが持っている刃物を私の方に投げてきた。そして後ろに飾ってあった自分の絵画に傷をつけた。
コイツは何をやっているんだ。自ら、痛みを孕んだ傷をえぐっている。力作だと、自信作だと数ヶ月前に私に話してくれた彼とは大違いだ。
「ありがとう。ようやく分かったよ」
そう言った彼は震えながら
────お前は誰にも愛されない
「…っは?」
愛されちゃいけない。一度痛い目を…いや、何度も痛い目を見なければならない。それほどの憎悪と嫌悪感を抱いた。
優しい僕、弱い僕とは違う。僕の人生はここで始まりここで終わる。
「あはは…!ざまぁみろ!今までの報いだ!!そんなに羨ましかったか?チヤホヤされて本当は僕、三鶴に才能があることを認めたくないんだろ!綾瀬も圭吾も千秋も!そして瑠璃、お前も。」
図星か、このガキは僕よりも頭が弱かったようだ。
「今から、僕。お前らと一切の縁を切る。孤独になろうが高校は卒業さえ出来りゃいいし!」
ガキは静かに脳を刺激していた。今まで使ったことの無い思考を駆使してやっと出た言葉は
「…あ、みつ…」
もういいや。さよなら!
金輪際関わってくんな。