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芽々さんと胡霸さんのキャラ好きです! いやー、スマイリー見ようと思ってたけど結局見てなかったから気になりますよ 最後の文字も気になります続き楽しみ!
『こんにちは』
『世界の不適合者様』
『あなたたちに目はありません』
『あなたたちに耳はありません』
『あなたたちに存在はありません』
『おや、おかしいですね』
『そんなはずありません』
『では、再生しましょう』
『改めてこんにちは』
『世界の不適合者様』
*
-up side
壁も床も一面黒い部屋に、椅子が横一列に並んでいる。
そこで、俺は目を覚ました。
光源は無く、窓さえ無ければ扉も無い。
胡霸「…なんだここ」
善「どこでしょうか…」
胡霸「あ?なにお前」
すぐ横から声が聞こえた。暗いが、顔を視認することはできる。
熊耳を付けた小柄な男だった。
…何故か、どこかで見覚えがある気がする。
善「え、え?」
善「‥えちょ争いは辞めましょうよ!仲間ですって!やめて!!」
胡霸「…仲間…?」
芽々「はい、きっとそうですよ」
立ち上がってガンを飛ばしていると、ふいに声がする。
芽々「喧嘩なんてよしませんか?まずは自己紹介でもしましょう」
麗扠「…」
笑みを浮かべながら言う、紺色の長髪をした女。
後ろから赤いヘアピンを付けた女も立ち上がった。
なんで自己紹介なんてしなければいけないんだ。
俺が不満を抱いている間にも、話は進んでいく。
芽々「では私から」
芽々「魂檀芽々(こんたん めめ)です。以後お見知りおきを」
麗扠「荼代麗扠(とがわ らて)」
善「熊白善(くましろ ぜん)です!」
胡霸「…野紅胡霸(のこう うぱ)」
「あのー、すいません」
「皆さん俺のこと忘れてませんか…」
そのとき後ろで、大きなSのヘアピンを付けた男が近づいてきた。
椎名「東雲椎名(しののめ しいな)です」
麗扠「よろしく。これで全員?」
善「そうだと思います」
各々が返事を返している中、少し驚いたような顔をしている魂檀芽々。
芽々「…いたんですね、あなた」
胡霸「は?」
椎名「そうですよ隣に居ましたよ!」
善「知り合いですか?」
芽々「はい」
その言葉に頷いた魂檀。
芽々「少し相談を聞いただけですが…」
椎名「芽々さんの右腕みたいなものです、俺は」
芽々「どこがですか?」
そう話していた瞬間だった。
この場にそぐわない効果音が鳴る。
床、壁一面に笑顔の顔文字がまんべんなく並ぶように表示され、
パクパクと口が動き出しては、機械音が流れてきた。
『はじめまして』
スマ『私は“スマイリー”』
スマ『あなたたちは、“Project:Sm;ley”の参加者に選ばれました』
スマ『おめでとうございます』
スマ『それでは参加するにあたって、質疑応答の時間を設けます』
*
麗扠「なに?こいつ」
椎名「スマイリー…?」
善「ここはどこなんですか?」
スマ『その質問にはお答えできません』
熊白の言葉にそう返すスマイリー。
それを見た魂檀が、では、と口を開いた。
芽々「私たちをここに集めて、何がしたいのですか?」
スマ『あなたたちは、このプロジェクトに相応しいと判断され選ばれました』
スマ『共通点などはありますが、公言いたしません』
スマ『ご了承くださいね』
胡霸「…あいつの質問だけ答えたぞ」
麗扠「グル?」
グルなのか?
そうだとしたらたちが悪いってもんじゃない。
魂檀はフッと笑った。
芽々「あなたたちの質問が悪すぎるんですよ」
芽々「頭を使ってください」
いちいち嫌な言い方をする奴だ。
芽々「どうすればここから出られるんですか?」
スマ『Project:Sm;leyが無事に終われば、帰れます』
スマ『張り切ってのぞんでくださいね』
芽々「Project:Sm;leyというのは、私たちが何かしなければならないのですか?」
スマ『Project:Sm;ley、それは、笑顔を忘れたあなたへ贈る救済プロジェクトです』
スマ『これからあなたたちには、問1から問5に答えていただきます』
芽々「もし、その問に答えなかったら?」
スマ『いけません』
スマ『これは、笑顔を忘れたあなたへ贈る救済プロジェクトなのです』
スマ『肯定的及び協力的な意思を見せることこそが、明るい人生への第一歩です』
胡霸「明るい人生ねえ…」
胡霸「くだらないな」
麗扠「…」
芽々「そのProject:Sm;leyとやらに参加をすれば、私たちは出られる。という認識で合っていますか?」
スマ『このプロジェクトが無事に終われば、帰れます』
スマ『張り切ってのぞんでくださいね』
機械的な文章を繰り返すスマイリー。実際機械なのだから当たり前だが。
善「じゃ、早く出るために頑張りましょう!」
麗扠「そうだね」
椎名「デスゲームみたいなものなんすかね?」
胡霸「だったら先に死ぬのはお前だろ、魂檀芽々」
芽々「あは、それは何故でしょうか?」
こんなことを言われても、終始ニコニコしている魂檀。
そのヘラヘラとした笑顔が実に気に入らない。
スマ『それでは、ここにいる全ての方にご協力頂けるということでよろしいですか?』
全員の無言の合図の後、言葉を続けるスマイリー。
スマ『以上で、質疑応答を終了します』
スマ『改めてこんにちは』
スマ『恵まれた君たちに贈り物です』
スマ『それでは、問1です』
スマイリーはそう告げた瞬間姿を消した。
ガコンという大きな音とともに、前方の壁が扉に変化する。
その横に書いてある赤い文字。
愚者は誰にも救われない
いつか来る破滅の日まで
皮肉な人生を送りながら
どうか 笑ってください