この作品はいかがでしたか?
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※このお話で主が言いたいことは「桃さんってなんかふらっと居なくなりそうだよね」ってことだけです
※なんも深い意味もありません
※桃愛されのつもりですが青桃、微水桃が強いかもしれんです
ないちゃんはなんだか、儚い。
いつかふらっといなくなりそうで偶に不安になる。
やばい、変な時間に起きた。
目が覚めると深夜3時。いつも14時くらいに起きてるから体内時計が狂ったのだろう。
もう一度目を瞑ったところで、眠くならない。完全に覚醒してしまった。
目に良くないと分かっていながらも、ベッドのサイドテーブルからスマホを手に取る。
活動休止中にも関わらず、止まないDM通知。
しかし、指は黒いアイコンに伸びることはなく、ソシャゲのアイコンに吸い込まれた。
……。………。……出ない。
10連をやっても30連をやっても、欲しいキャラが出ない……!!!
気付けば30分は過ぎていた。
これで最後にしよう、と課金に手を出そうとした所でディスコードからの通知が表示された。
こんなド深夜にディスコ動かすのなんて、……。
まぁ、ないちゃんくらいしかいないか。
そう思って、通知をタップする。
予想は的中。送り主はないちゃんだった。が、送られてきた内容は予想外のものだった。
『バイバイ』の4文字。
「……っは」
驚きすぎてスマホを顔面に落とす。
痛みに耐えながら、ないちゃんに通話を掛ける。
ドッキリ、なんてことも頭に過ったが、なんとなく、直感的にこれはマジなやつだ、と悟った。
耳元で通話を掛ける音が鳴り続ける。
……出ない。
ディスコが動いたのはついさっきだから寝てるなんてことはないはず。
「なんで出ないのないちゃん……ッ」
もしもし?、といつものように優しいないちゃんの声が聞こえない。
鳴り止まない呼び出し音に苛立ちを覚え始め、痺れを切らした僕はないちゃん家に向かった。
ないこはうすまであと数歩。という所で、タクシーが横切った。一瞬だったけど、車窓に覗いたのは、見間違えるはずのない、ピンク髪だった。
「っないちゃ、……!」
走った所で人がタクシーに追いつくはずもなく、距離が開いていくだけ。タクシーを捕まえようとしても、場所が場所で、そう簡単には捕まらなかった。
もしかしたら今のは見間違いで、ないちゃんはまだ家にいるかも知れない、と願望に近い予想をしながら、合鍵を使ってないこはうすの扉を開けた。
まぁ、そんな予想は当たるはずもなく、家の中は真っ暗。
人の気配はどこにもない。
リビングにも寝室にも、配信部屋にもないちゃんの姿はなくて。
__ないちゃんが消えた。
その事実だけが僕の脳内を埋めた。
メンバーに連絡しなきゃ、とスマホを開けば時計は4時25分を示していた。
着信音のメロディーで、目を覚ます。
「んん、……ほとけ?なに……?」
現在時刻は、4時半くらい。こんな時間になんやねん……。しょうもない事だったらシバいたろ、とか思いながらほとけの言葉に耳を澄ました。
『こんな時間にごめんいふくん。__ないちゃんが消えたの』
いつになく真剣なほとけの声に、耳を疑う。
頭はすっかり冴えてしまった。
冷静になりきれているような、なりきれてないないような脳が一番思ったことは__
「っ……ドッキリ……?」
『違う。ディスコ見て通話掛けたけど出なかったし、家にも居ない。』
焦りを感じながらも、通話を繋ぎながらディスコを開く。
そこには、1時間半ほど前にないこが打ち込んだと思われる『バイバイ』の文字。
「まじか……っ」
『どこ行ったのないちゃん……ッ』
スマホのスピーカーからほとけの苛立った声が聞こえてくる。
「……とりあえず今はまだ早朝やから、朝になるまで待っとこう。ただ単に帰れてないだけかもしれんし。朝になっても連絡取れんかったら他メンバーにも連絡。」
『……分かった。』
ほとけの返事を聞き、通話を切る。
……やっぱないこの考えてることは分からん。
どうか変なことに巻き込まれてないように、と願いながらもう一度床についた。
「もしもし、」
『ないちゃん帰ってきてない』
「……やっぱか……」
「この感じやと事務所も居なさそうやな……」
タクシーに乗って事務所に向かっている途中だが、この様子だとないこは本当に姿を晦ましたようだ。
「他メンバーには?」
『連絡した。ないちゃんの知り合いの人とかにも連絡するつもり。匿ってもらってるかもだし。』
「頼む。」
そう一言放ち、通話を切ったところで、丁度事務所に着いた。
そして、
__ないこが消えてから、3日が経った。
「っほんま、どこ居るんないちゃん……っ」
ないことのトーク画面を見て、そう吐き捨てる初兎。
今日は、全員ないこはうすに集まっている。
心配そうに顔を曇らせている最年少。
どうにか連絡を取ろうと通話やラインをしまくっているムードメーカーの双子。
暗い雰囲気をどうにか無くそうと声を掛け続けている最年長。
何か手掛かりはないかとないこのパソコンを漁る俺。
パスワードは結成日と俺等のイニシャル、と簡単なものだった。
フォルダを片っ端から漁って行ったが、これからのいれいすの予定や企画台本などで、目ぼしいものは特になかった。
「……っここまで連れてきて、一人で勝手にどっか行くなよ……」
そう吐き捨てた瞬間。
__ガチャリ。
と、ドアが開いた。
「おっ、みんな集まってるじゃん。好都合。」
見慣れた、傷んだピンク色の髪の男。
俺等を夢の舞台まで連れて行ってくれた、俺等のリーダー。
「__っない」
俺が名前を口にしようとすると、それを遮るように、ないこが言葉を発した。
それも、とんでもない。
「ってことで、リーダーが急に消えたらメンバーはどんな反応をするのかドッキリでしたー!!」
「「「「「……は?」」」」」
5人全員の声が重なった。
「ほら、そこにあるじゃん、カメラ。」
テレビの横の照明器具を指差すないこ。
は、……?どっきり……?
「よか、ったぁーーー……………」
情報を上手く処理できていないでいると、ほとけが声を上げて机に突っ伏した。
「みんなごめんねー……」
苦笑い気味でそう言うないこ。
いむ泣かないでー、なんて揶揄っている。
泣いてないんですけど!、と反抗の声を上げるほとけの瞳は確かに潤んでいた。
それにりうしょーも加勢してほとけを揶揄う。
雰囲気がいつものいれいすに戻っていく。
しかし、その雰囲気に納得ができていない者が2人。
「楽しそうなとこ悪いけど、」
アニキがないこの左腕をがしりと掴む。
「ちょっと話聞かせて貰おうか?」
俺が右腕を掴む。
「あっ。」
何かを悟ったないこが逃げ出そうとジタバタ藻掻く。
「言い訳は後で聞くから、3日分の説教ちゃんと受けろよ」
「うわァァァァァ………」
ないこの断末魔を合図に、メンバー5人からの数時間に渡る説教が始まった。
「ところでないちゃんどこ行ってたの?どこ探してもいなかったけど」
「あー……帰省してました……。ドッキリにしたらおもろいかなーって思って……」
「あんな心臓に悪いドッキリ今後一切しないでね、ないくん。分かった?」
「……ハイ」
※ねぇ、騙されたでしょ?((
※シリアスにいけませんでしたゴメンナサイ
コメント
1件
ドッキリでよかったですε-(´∀`*) 普通に騙されましたw でも桃くん、いつかふらっと居なくなりそうですよね…