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悲鳴を上げるサタナキアを横目で見ながら善悪がコユキに対して言う。


「どうするでござるか、コユキ殿ぉ、当初の予定通りサタナキアを生かして協力させる方向で行くのでござるか?」


コユキは揺るがない強い口調で言い切る。


「そりゃそうよっ! 今は一人でも一柱でも手があるにこした事は無いでしょう? んだからバアルちゃんとアスタっ! 辛抱して頂戴っ! そんでサタナキアぁ! アンタも素直になって手を貸しなさいよぉ! んもうっ、面倒臭いわねぇ!」


善悪も続く。


「本当でござるよ! サタン君、チミって自分の立場、本当に判っているのでござるかなぁ? 甚(はなは)だ疑問が残る所でござるよ? 良い? 拙者とコユキ殿、んまあ、身を分かつ前のルキフェルがニブルヘイムから消え去りたい、んでも配下の悪魔達がパニくるかもな、んじゃ置いて行こうかな、そっくりな『偶像』を…… そう言う理由でなんちゃって魔神に就任したのがチミ、サタン、所謂(いわゆる)『石』でござろ? モノホンの魔神のアスタやバアルの前では無意味な存在、ゴミゴミ、そこらに転がった石コロのチミが生意気なこといっては駄目でござろうがぁ! はい、ゴメンするのでござるよっ! さっさと謝罪して実力通り下働きに徹するのでござるよぉ!」


ふむふむ、適材適所って奴だな、納得できる。

私、観察者でも納得できた、だと言うのに当のサタナキアはそうでは無かった様だ。


「ぐ、偶像っ? ゴミだと、下働き? こ、断るっ! 我は、いいや俺はサタナキア! 石であるものかっ! 偶像ではないっ! 我は我だっ! 断じてルキフェルの代わりではないぃっ!」


「その通りです我君…… さあ、ここは我等に任せて、一旦お引き下さいませっ! くっ、は、早くっ!」


この期に及んで小児病的な我が儘(わがまま)をほざく始末、はぁーやれやれ…… と思っていた矢先、なにやら闖入者(ちんにゅうしゃ)が有った様である。


コユキが声のした方向を見ると、ここニブルヘイムに進入して最初のころ、オリジナルの姿に変じたモラクスに簡単に倒されて、魔核を捨て置いた魔将が薄っすらとした姿のままでサタナキアの前で大きく手を広げている姿が映ったのであった。


コユキは思わず漏らすのであった。


「あ、アンタ! 暗灰(あんかい)のアートルムじゃないのっ! そんな薄っすらとした姿で何しに来たのよぉ! そんな状態で無理したら死んじゃうわよぉ! 下がりなさいよぉっ!」


「下がりません!」


『我々もですっ!』


「っ! な、なぬぅっ!」


ピタリと合った声に振り返ると、悪魔達の脇をすり抜けて、アートルムと並びサタナキアを護るように立ちふさがる幾つかの姿、姿? と言うかアートルムよりも更に薄っすらとした陽炎(かげろう)、若(も)しくは蜃気楼(しんきろう)的な色鮮やかな靄(もや)が。


赤銅(しゃくどう)色、菫(すみれ)色、翠金色、黒銀色、濃淡が微妙に違う二つの桃色、そして薄い金色……

それらのオーラから察するに、ここまでスプラタ・マンユやアルテミスに対峙して来た魔将達だと類推できる。

赤銅色のオーラの下には小指位のロボットみたいな奴が見えた、多分再生途中のタロースではないだろうか。

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