「これより『魔女アリア』の処刑を行う!」
王国を救った女勇者は冤罪をかけられ処刑された————と思ったら、なぜか15年前に戻ってる!?
しかも悪名高き伯爵令嬢マリアローズとして!?
平民ゴリマッチョの私が、銀髪碧眼の華奢な美少女だと!?
へえ……案外、お貴族様のご令嬢生活ってのも悪くない。勇者としての責務や誇りは全て捨てて自由に生きよう。生前はできなかったお金儲け! ペットを愛でる! 武術もさらに極めよう! そして死ぬはずだった戦友たちを救おうか。
もちろん私たちを使い捨てにした奴らには復讐を。
勇者不在で王国が滅びそう? へえ、それは面白い。
ん、ちょっと待て、かつての戦友リカルド公爵よ! なぜ赤面しながら花束を渡してくる!?
かつての親友ミカエル王子よ! なぜ情熱的な気色悪い目で私を見つめる!? 鳥肌が立つよ!?
幼馴染のユーシスよ! なぜ吐息混じりで囁きながら迫ってくる!? 無理、キモい!
ペットの幼竜が『くるるるるー』ってスリスリ甘えてくるのは最高だ。
こうして冷徹令嬢マリアローズは、黒い感情を笑顔の裏にひた隠し、勇者の力と未来視で『金貨』も『好感度』も稼ぎまくってゆく。