女子研究大学短編集

【設定】

しろせんせー×まちこりーた

仲直り(喧嘩)エピソード

🪴💚さん卒業済み

※1部🍓👑様関連のお話。

序盤🍓🐶様登場します。

お友達枠というだけでそこでの恋愛要素はありません。

時間軸としては卒業後はまちラジオの1～2週間後と捉えてください。

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《1つの言葉と、きっかけさえあれば良かった》

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まちこりーたside＿＿

先程まで手を滑らせていたスマホ。

それの電源を切り、机に戻す。

ふと、横にあるものが目に映ってきた。

昨日行った場所に使った……小さなチケット。

🍓❤️｢っね！俺達映画やるからさ……試写会、よかったらまちこりちゃんも来てくれない、？｣

結構前から推し……みたいな存在であり、少し前に仲良くなった莉犬くん。

ゲームをしながら急にそんなことを言われたのは、数週間前のことだ。

元々招待されなくとも普通にチケットは買う予定だったし2つ返事でOKした。

💚(…めっちゃよかったなぁ……)

映画の内容を思いだして、思わず涙腺が緩む。

ただただ楽しそうなすとぷりを見れたのはもちろん、涙ぐむ展開もあって思わず映画に見入っていた。

………そしてなにより…

💚(…主題歌、よ………)

｢誓いの花束を〜With You〜｣MV、推しのなーくんと莉犬くんは勿論、映画で聞くとより感極まった。

💚(…良く考えれば凄い人と友達なのか…w)

なんてことを思ってしまうがそれ以前に大切なお友達だ。

今1人で活動をしている分、こうやって仲良くしてくれるのは嬉しい。

＿＿もう、友達がいるから、大丈夫。

なんて、なんて。

言い聞かせるように、覚えさせるように。

頭に、刻んで、刻んで。

先程まで真っ暗な画面だったスマートフォンが小さくバイブ音を立てて明るくなる。

ちらりとその方向に目線を流せば先程メッセージを送った莉犬くんからの返事。

🍓❤️【こちらこそ来てくれてありがと！誓いの花束をいいよね、俺も気に入ってる！】

相変わらず、明るくて優しい人。

なんとなく、沈んでいた気持ちが少しばかり晴れて思わず欲が出てしまう。

💚【MVも凄く良かった!!少し話変わるけど、時間あればゲームしない？】

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🍓❤️｢…で、まさかのヒュー○ンフォールフラット、ね…w｣

💚｢しょうがないじゃん、私ホラーは無理だし｣

🍓❤️｢でもまちこりちゃん時々やってるじゃん、俺マジでやってないよ｣

💚｢でもだからといって莉犬くんFPSとか銃戦系苦手じゃん｣

🍓❤️｢それは…そう………｣

🍓❤️｢そー考えればホラーはどっちも苦手なのに結局やってるゲーム違うね〜｣

💚｢たしかに…｣

まぁでもヒューマン好きだし、と呟いて莉犬くんのキャラクターが私の画面に降ってくる。

適当にステージを選択して自分のキャラクターを動かし始める。

🍓❤️｢……それにしても、さ｣

💚｢ん？｣

くそ、と心の中で舌を打ちながらキャラクターを操作する。

壁くらいちゃんと掴めよ。

🍓❤️｢…んー、珍しいね、まちこりちゃんから誘うの｣

🍓❤️｢…嫌なら言わなくていいけど、何かあったのかなあって｣

💚｢………………………｣

図星だ。

もう2ヶ月半も経っているのに未練を感じてしまっているだなんて、そんな、傲慢なこと。

それに、莉犬くんは全く関係がないのに。

…ただ、知ってしまっただけなのに。

💚｢………………………｣

🍓❤️｢…言っとくけど、迷惑とか思わないでよ｣

💚｢……うん、…なんか、時々、ね｣

🍓❤️｢うん、｣

💚｢…懐かしく……いや、寂しく、感じるの、｣

🍓❤️｢…しろせんせー……さん、のこと、？｣

💚｢勿論、女研もなんだけどね、w｣

本当にたまたま、たまたま私が口を滑らせただけだった。

……いや、過去のLINE画面を間違って共有してしまっただけだったかもしれない。

理由なんて覚えていないほどには些細なきっかけで、私と彼の関係は莉犬くんに知られていた。

｢…なんで急に、そんなこと言い出すん、？｣

｢俺ぶっちゃけ、まだ納得してへんのやけど｣

｢…せんせーに分かんないことくらいあるでしょ｣

｢いちいち突っかかってくるのやめてよ｣

｢…もう私が決めたことなの｣

｢メンバーが納得してないくせに勝手に決めるんや、｣

｢っは…？なにその言い方……｣

私がグループを卒業したいとメンバー全員に話した後に始まった私とせんせー＿＿しろせんせーの口論。

お互いが1番仲のいいメンバーであり……なにより｢恋人｣という関係性だったからこそ、それは普段のお互いへの不満を言い合うきっかけとなってしまった。

｢大嫌い｣

そう言い残して、後に送った｢別れよう｣というただ淡白な、それだけのメール。

……その後、他のメンバーとは話すものの、せんせーとは一言の会話も、メッセージのやり取りすらもしていない。

🍓❤️｢…じゃあつまり、未練があるってことか〜｣

💚｢そういうわけでは……｣

🍓❤️｢俺にはそう言ってるように聞こえたよ｣

💚｢……………………、｣

🍓❤️｢まちこりちゃん、言葉足らずなとこあるからね〜w｣

🍓❤️｢しろせんせーさんもそうなんじゃない、？｣

💚｢…別にそんなことないと思うけど……｣

🍓❤️｢わからない、…と思うけどなぁ…w｣

💚｢………………………｣

🍓❤️｢…誓いの花束を、いいでしょ｣

💚｢え？…うん、それは、まぁ……｣

急に戻る話に思わず首を傾げる。

それはまぁ、当たり前に良かったのだが。

🍓❤️｢…花束って、｢仲直り｣の意味も込められてるんだって｣

💚｢……………っ、！｣

🍓❤️｢まちこりちゃん、｣

🍓❤️｢伝えられるときに、伝えなくちゃダメだよ｣

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｢それ｣を渡すタイミングは、意外にも早く訪れた。

私の卒業発表直前～それ以降に送られていたリスナーさんから私へのプレゼント。

中には卒業祝いまでも入っているらしい。

それを渡されるため、私、そして女研メンバーは同日に事務所に集まることになった。

手に持つ袋の中には小さめのヒヤシンスの花束。

ふぅ、と緊張を吐き出し、扉を開ける。

💜｢っあ！まちこ〜！久しぶりっ！！ ｣

💚｢じゅーはちぃー！！！｣

ぎゅ、と思わず親友に抱きつく。

今日もたまたま東京で予定が入っていてこちらに来れることになったじゅうはち。

定期的に東京には来ていたらしいがタイミングが合わず会うのはLEGENDの時以来だ。

💜｢まちこかわい〜♡前のはまちラジオ楽しかったねー♡｣

💚｢めっちゃ楽しかったよぉ〜！じゅうはちこそ可愛いよぉぉ！！｣

そうキャッキャする私達の奥で呆れ顔をしてこちらを見つめる男子メンバー(※1人を除く)

💚｢みんな久しぶり〜｣

❤️｢ほんとに久しぶりだねw｣

🩷｢まちこり元気してた！？｣

💚｢おぉおぉw元気してたよww｣

💛｢今日は渋柿の匂いしないねw｣

💚｢あ”？なんだお前ぶち殺すぞ｣

💛｢怖いっすまちこりーたさん｣

💚｢……、てか、せんせー、、は？｣

なんとなく、口に出しずらいその名前を口に出す。

💜｢、あ〜、、、｣

🩷｢ちょっと用事があるとか何とか…｣

💛｢途中までは俺らと一緒だったからすぐ来ると思うけど、｣

💚｢………ふーん、｣

自分で聞いたものの、どんな反応をすればいいのか分からず、薄っぺらい反応。

……これだから、別れたのかもしれない。

途端に自己嫌悪に陥る。

＿＿謝ったところで、何も

すぐにそんな感情になってしまうのは私の悪い癖なのだろうか。

そんなことを考えているといつの間にか扉が開き、他の誰でもない、かつての恋人が入ってきた。

気まづそうにこちらに視線を向け、すぐにメンバーの方に視線を逸らすせんせー。

＿＿やっぱり、ダメかも

だって私と目合わせてもくれない。

すぐにメンバーのところに行ってしまう。

……まぁ元カノ以前に元メンバーだから、という理由もあるのだろうが。

当の本人は男子メンバーと耳打ちし合っている。

全く、私達がいるってのに、

💚(…やっぱいっか、)

2ヶ月以上も前に別れた相手のことを想っているとかそれこそやばいだろう。

早くプレゼントを受け取って帰ろう。

はぁ、と小さくため息を吐いてスタッフさんの所へ向かう。

｢＿＿ま、ちこ、｣

いや、正しくは｢向かおうとした｣。

久々に私の名前を呼ぶ声につい、唇を噛む。

振り向きたくとも、その声の主の顔を真正面から見たくとも、体は動かない。

｢＿＿ごめん、…ずっと、ごめん…っ、｣

なんで？謝るのは私の方だよ。

そりゃそうだよ。

急に、メンバーが抜けたいなんて言ったら納得できないよ。

喧嘩したまま、恋人に別れようなんて言われたら納得できないよ。

なんで？全部、全部、私が悪かったんだよ？

💚｢……なん、で………………｣

先程のことが嘘のように、すんなりと、体が後ろを向く。

数ヶ月ぶりに真正面から見る、彼の顔。

その顔はきょとんとしていて。

＿＿久々なのに、間抜けだなぁ、w

💚｢…私が、悪かったんだよ、？｣

💙｢違うっ……｣

💙｢ただ俺…怖かっただけで……っ、｣

💙｢まちこが抜けたら、女研はやっていけるのかとかっ……｣

💙｢まちこが抜けたら…っ、もう、話せなくなるんやないかとかっ……｣

💙｢…ごめ、んっ…………、っ｣

そう頭を下げるせんせーに何と言えばいいのか分からず、ただ、無言で｢それ｣を取り出した。

💚｢……、せん、せ、｣

ゆっくりとせんせーが顔を上げて、その顔が驚きに変わる。

💚｢…私こそ、ごめん｣

💚｢…あの時、誰よりも受け止めてもらいたかったせんせーに受け入れて貰えなかったのが苦しくて……辛くて、｣

💚｢…気づいたら頭に、きて……｣

＿＿｢大嫌い｣なんて

💚｢思ってもないこと口走って、｣

💚｢物凄い、後悔した。｣

💚｢…なんであんなこと、言っちゃったんだろうって、｣

💙｢…………………………、｣

💚｢……ただね、｣

💚｢グループを卒業しようと思った理由が個人の活動に専念したいっていうのは、間違ってないし、その選択は間違っていたとも思ってないし、後悔してない｣

💚｢私は、これからも私のやりたいことをしたいし、今の私にとってそれは個人の活動だから、｣

💚｢……だから、それは、認めて、ほしい｣

💚｢…ずっと、謝りたかった、…またせんせーと、話したかった｣

そう言って、口を閉じる。

せんせーは、何も言わない。

……でも、何も言わなくても、その手は確かに、私の手から花束を受け取った。

どんな表情をすればいいのか分からず、思わず下を向く。

｢まちこ、｣と呼ばれて、またすぐに顔を上げた。

…せんせーは、呆れ顔で笑っていた。

💙｢…考えること、同じやなあ……、w｣

“せんせー知ってる？花束ってプロポーズとかじゃなくてさ、仲直りとか謝罪とかにも進められてんだって、”

久しぶりに見た、大好きな、せんせーの笑顔。

先程の私と同じようにせんせーもまた、袋から小さな花束を取りだした。

小さな、カモミールの花束。

💙｢……まちこ、｣

なんだ。

そんな、単純な、小さなことでよかったのか。

ただ私達は何気なく、さり気ない、きっかけが欲しかっただけで。

💙｢…もう一度、俺の傍に、いてほしいです｣

これは、告白でもプロポーズでもなんでもない。

1から、……いや、0からの再スタートを約束する言葉。

この後、私が何と言ったのかは皆様のご想像にお任せしよう。

🪻ヒヤシンスの花言葉･･･悲しみを乗り越えた愛、許してください

🌼カモミールの花言葉･･･仲直り、ごめんなさい

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この小説ではお久しぶりですね。

私のことを覚えていただけているのであれば光栄です。

莉犬さんとまちこさんの絡み嬉しかったので実はすとぷり試写会に行ったとのまちこさんのポストを見た日に作りました。つまりは7月の半ばには作っていました、、w

最近配信や動画を見ることが少ないのでやけにまちこさんが大人しかったりせんせーがロマンチックだったりしていたかもしれません。

ちなみに、映画よかったです。面白かったです。

𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮 𝐟𝐨𝐫 𝐰𝐚𝐭𝐜𝐡𝐢𝐧𝐠．