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「それでですね! アリスト様」
「こら、メリエ!」
話の続きをはじめようとするメリエルにアリスがチョップした。
なにするのと、可愛く怒ってるメリエルを見て私はふっと口を滑らせた。
「仲が、いいんだね」
二人の視線が此方にむく。変なことを口走ってしまったのかと焦る私に、メリエルは堂々と答えた。
「あったりまえですわ! カトル様とアリスト様は私の幼馴染ですもの。アリスト様は私の大事ないもう…、あ、弟ですわ!」
「いま、妹って言おうとしたね」
「気のせいですわ!」
幼馴染かぁ。いいなー。昔からこんな感じで仲良しだったのかな。
私は少し彼女が羨ましいと感じていた。
「もちろん、リサ様も今日から妹ですわ!!」
え、私?
話題をふられて、自分を指差すとウンウンとメリエルが頷いている。
「あ、はぁ。よろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀しておくと、満足そうに彼女は笑った。
「それでですね!」
「だーかーらっ、朝も話は聞いたでしょ。メリエはボクじゃなくて、兄上に直接話しにいきなよ」
ピタリとメリエルがとまり、俯いてしまった。
「聞いて下さるなら話したいですわ。でも、カトル様は最近カナ様のところにばかり。私のところには、ほとんどお顔を見せにきてくれませんの……」
せっかく止まっていた涙がまたうるると湧いてきた。
ふと、涙を押さえようとしている彼女の手を見ると私がアリスにもらったものによく似た指輪が光っているのに気がついた。
あれ、カトル王子からもらった指輪なのかな。
メリエルがいるのに、カトル王子はなんで、カナちゃんにあんな風に接するんだろう。とても真面目で、優しそうな人に見えたんだけどなぁ。
私達は彼女が泣き止むまで、動くことができなかった。
ーーー
「泣いたら少しスッキリしましたわ!また、お話を聞いて下さいませ。アリスト様。リサ様、後日よかったら一緒にお茶しましょう」
では、と言ってメリエルは嵐のように去って行った。
結局、彼女は何が言いたかったんだろう。
「まったく、何を話してたかも忘れちゃったじゃないか」
むぅと膨れるアリスは可愛くて、なんだか笑いがこみあげてしまった。
「リサちゃんは何を笑ってるの?」
笑いがとまらなくて、アリスが私の頬をムニムニしてきたけれど、私の笑い袋はなかなかとまる気配がなかった。
あぁ、そういえば朝の謎の声の正体はわかったけれど結局聞くに聞けなかった、あの縄。あれはいったい、なんだったのかしら……。
「そうだ、リサちゃん。服の採寸! 夕方にきてもらうんだけど、大丈夫? 試作の服も持ってきてもらうんだけど」
きた!
「はい、大丈夫です」
「はーい」
アリスが立ち上がる。反省会は終わりかしら? そう思っていると先ほどとは違う足音が聞こえてきた。
コンコン
「アリスト殿下!!」
男の人の声だ。ひどく焦っている気がする。
「なんだい?」
「城下町に魔物が出現しました!」
コメント
1件
読み終えました〜! メリエルがアリスに「妹」って言いかけて誤魔化すところ、可愛くてちょっと切なかったです🥺 幼馴染っていいなって思うけど、カトル王子がカナちゃんの方に行っちゃう寂しさが伝わってきて……。指輪の描写も気になりますね。最後の魔物出現で急に緊張感が走ったけど、リサちゃんの笑いが止まらないシーンとか、日常のほっこりした空気が好きです🌙 次、どうなるんだろう……!
月城 蓮桜音
36
耀聖(ようせい)
244
耀聖(ようせい)
549
205