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⚠︎
・閉所恐怖症注意
・閉所の表現有
・地球の裏側(歌ってみた)を参考
・意味不明
・自己満
・死ネタ
ガタン、カシャン、…ガタ、コト、…
人間の声はひとつも聞こえない。
取り調べのヒーローも黙ったきりで、俺はとても緊張していた。
急に古風のエレベーターのような場所に連れて行かれ、中は意外と広く、
机、折り畳み椅子二脚、が入り切る部屋だった。
完全な閉所で、出られる場所は、無さそうだった。
…
古風のエレベーターなのか、手動で動くらしい。
取り調べのヒーローはエレベーターを動かすレバーを動かし、席について
コーヒーを入れ始めた。
「 コーヒーは飲めますか? 」
「 あ、はい。 」
エレベーターに乗っている実感がない。
なかなか別の階には辿りつかないし、エレベーター特有の
重力を感じる体の重みもない。
なかなか変な感じがした。
ヒーローはぬるくなったような魚の目をしている。
「 自己紹介しましょうか。 」
「 Dytica所属のヒーロー兼鑑定士、星導と申します。 」
「 ぁ、えと、今回の事件の関係者の、…神谷です。 」
唇の隙間から何か液体を溢しながらミルクの入ったコーヒーを飲んでいる。
そんな姿を見ていると、急に手を僕の方に差し出してきた。
「 …手、? 」
「 握手です。どうですか? 」
僕は笑顔で返事をする。
2人で握手した時、彼の手に違和感を感じた。
手袋越しでもわかる、あの鳥肌。
妙だ、部屋が寒いわけでもない、緊張しているんだろうか。
「 ゲーム、しましょうか。 」
「 げ、ーむ、…? 」
「 ゲームです、ゲーム!ここにトランプがあるので…緊張を解すついでに、ね? 」
「 そ、そうですね、…! 」
急にトランプを取り出してゲームを始める。
始めたゲームは7並べ。
星導さんは、黒と赤を妙に規則的に並べていく、不思議な人だ。
赤赤赤、黒黒黒、赤赤赤、
それを2回ほど繰り返して、本戦に戻る。
奇妙だ、何をしているんだろう。
「 あ、あれ 」
「 あ、13 」
勝負は、僕の勝利に終わった。
そういえば父さんが言っていた。
「 勝利とは、滅びを遅らせるための一時的免疫反応だ 」
父さんは本当に難しい事を言う。
勝利とは滅びを美しく飾るための言葉、とか。
現実味しかない言葉を僕にずっと教えていて母さんも呆れてたな、そういえば。
「 じゃあ、次はお話ししましょうか。 」
「 早速ですが、神谷さん、でしたか? 」
「 はい、神谷です。 」
「 神谷さん、ご年齢は? 」
「 27歳です。 」
「 ご職業は? 」
「 海洋生物学者です。大学の教授もしています。 」
「 お若いのに、凄いですねぇ! 」
「 俺よりもずっと年下なのに、尊敬してもしきれません。 」
「 そんな、…あはは、 」
僕はぎこちない笑顔を星導さんに向けた。
「 もう少し、リラックスしてもいいですよ。 」
「 は、はい!ありがとうございます、 」
少し会話の間に間が開く。
星導さんは妙に天井の方を気にしている。
天井の方にはよく見ると、監視カメラがあった。
「 変な質問をしてもいいですか? 」
「 は、はい。 」
「 神谷さん、貴方って本当に人間ですか? 」
「 …、は、にんげん、? 」
「 はい、人間。 」
教授の話を信じてもらえなかったか、?
それとも、B#レた…?
…
ぐちょぐちょと目の前で神谷さんが変形していく。
あれは、人間ではない何か。
俺と同類がいてよかった。
きっと神谷さんは気づいてただろうな。
唇の隙間からの液体
鳥肌
赤赤赤、黒黒黒、赤赤赤
あれは全て俺の自己の紹介。
唇の隙間からの液体は毒。
本人をこの姿に変えさせるためのもの。
鳥肌は蛸の威嚇反応、あれは無意識だったけど、自己紹介にはちょうどいい。
赤と黒の列は、監視カメラへのSOS。
そろそろ死ぬかも。
ギチギチと壁に押さえつけられている。
俺は一生懸命鞄でなんとか攻撃を耐えている。
やばい、なんか流れ込んでる。
触手の粘液も増えてきた、やばい、蛸の反応としては、しにそうかも。
「 ギ#aあg i…… 」
「 っふ、…かは、ッ、… 」
はやく、はやく、
天井を見る。
モールス信号でSOSを伝える。
目的地に辿り着くまであと5分。
あぁ、これ死んだな、
…、
意識は朦朧としているかい
ぐ、っと、腰につけていた金具の尖っている部分が体に突き刺さる
動くたび、傷が抉れていく
「 ッぐ、あ゛、…、ぃ゛ 」
爪が肩に食い込む。
こっちもだんだん傷口が抉れていく。
出血量と粘液量が増えていく、これは死んだな。
あぁ、この生き物、図鑑で見た気がする、
ない記憶も当たり前に流れてくる、走馬灯ってこう言うことかな、母さん。
今ではあの図鑑にも書いてなかった事を知っているんだな、俺
静かな虚無も、25グラムの嘘も、地球の裏の事も。
あぁ、あんな致死量の毒を埋め込んだのにまだ元気に動いてる。
俺はこんなに死にそうなのに。
体が諦めかけてる、体に力が入らない。
母さん、こんなんじゃ俺、愛もわからないままじゃないか。
教えてくださいよ、宇宙以外の事も。
そんな愛、汚れたまんまだよ。
「 かみや、さ゛、…んッ…、 」
走馬灯が見える。
置いて行かないでよ、俺もついて行かせて。
その死体は、死んだ約1650時間後に見つかった。
完全に腐敗が進んでいると言うよりかは、周りの粘液によって体が溶けている感じだった。
出血量が凄く、粘液はほぼ赤いものばかりだった。
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