テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ーーーーーーーー
――忍城。
「長野業正殿、お久しゅうござる」
成田長泰は、久方ぶりに訪れた業正を迎え入れた。
「当家になんの御用でしょうか?」
業正は、単刀直入に切り出す。
「上杉憲政様を関東へお戻しするため、
北条の征伐を行うこととなった」
「既に箕輪には、憲政様がお越しになられている」
成田長泰は、少し考え込む。
「…………」
「それは……失策だったかもしれませんな……」
「箕輪に、何者かを差し向けると、
某、耳に挟んでおります」
「差し向けるとは……?」
業正の表情が変わる。
「…………!!!」
「まさか……風魔……」
成田長泰は頷いた。
「まあ、少し前に我が家の密偵に調べさせましたが――」
「心配は無いでしょう」
「……なに?」
「箕輪城の外で、
透破の連中にボッコボコにされて逃げていくところを、
うちの密偵が見ていたようです」
「箕輪城内に入れたら、もう少し詳しく知れたのですが……」
「申し訳ない」
業正は、黙って話を聞いていた。
すると長泰は、静かに告げる。
「……業正殿」
「我が成田家は、元々山内上杉の家臣」
「喜んでお味方いたす」
業正は深く頭を下げる。
「…………感謝いたす」
「そして、情報……大変ありがたき……」
「くっ……」
「憲政様……申し訳ございません……」
そんな業正を見て、長泰は声をかける。
「早くお戻りになられた方が良い」
「知っての通り、憲政様は強がられるところがある」
「周りの人間を不安がらせまいと……」
「お子を失われた時も、
笑っておられたからのお……」
「本当は、怖かったはずじゃ」
「そして、それは業正殿にしかできぬのじゃ」
「某は受け入れ準備を整えて、お待ちしております」
業正は、静かに頷いた。
「…………」
「そうさせていただく……」
「では、後ほど……」
「そうしてくだされ」
長泰も頷く。
「某も密偵を飛ばして、なるべく動きを探るよういたす」
「そろそろ……北条に勘づかれるでしょうからな^^」
業正の表情が険しくなる。
「…………!!」
「そこまで……申し訳ない」
長泰は笑みを浮かべた。
「憲政様のためじゃ」
「なに、気が付かれようが、
富来 えび
122
#自分用
富来 えび
20
һагυ_彡
238
忍城を落とすことは出来ん」
「ここは任されよ」
「そして――」
「憲政様を、お頼み申し上げますぞ」
業正は、力強く頷いた。
「ああ……」
「必ずや」
コメント
1件
琴寧さん、第15章「忍城会談」読みました〜!😭✨ もうね、成田長泰と長野業正の会話、渋すぎる…! お互いの立場をわかった上での信頼関係がめっちゃ伝わってきてグッときたよ。特に「憲政様は強がられるところがある」「それは業正殿にしかできぬ」って台詞がもう… 分かってる人がいるって心強いよね。 風魔の件もサラッと「ボッコボコにされてた」って報告されるところ、長泰の情報網の確かさと人間味が両方出てて好きだな〜。 「ここは任されよ」って言い切るところ、かっこよすぎるでしょ… 次回も楽しみにしてるよ!🔥