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1 - 最後の口づけ

♥

28

2024年01月21日

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昨日と今日は違うはずと祈り目を閉じた

ーワスレモノー

彼女のためだとわかっていても

どうしても、受け止めきれない

失恋は思ったよりも辛い…

音もなく過ぎていく僕らの日々

あれは、去年の秋のこと。

彼女と同棲をしていた時の話し…

一年前

「あのね、私やりたいことがあるの亅

やりたいこと?

「うん、でもそのためには留学をしなくちゃいけなくて」

「でも、私貴方が好きだから」離れたくないの。

俺だって、離れたくない、そう言いたかった

でも…俺は夢を応援するよ!

「えっ…、いいの?」

いいよ。

行ってきな、『夢を、夢で終わらせないで』

「うん!、ありがとう!!」

「私、頑張る!!」

「でも、こうなったらもう、一緒には居られなくなるよね…」

うん…

「私が留学するのは1年後」

「1年後には、私達別れよう。」

こうなるのは、目に見えていたことだ…

そう、だね

「その分、最っ高な思いでつくろう!!」

うん、そうだね!

8ヶ月後

「そろそろ、私準備しなきゃ!」

そっか、そんな時期か…

君とのお別れもその分近づいている。

出発の日

「どうしたの?」

いや、明日から君がいないと思うと寂しくって

この広い部屋で、二人で過ごした思い出が沢山詰まってる

今となっては。

「だんだん、家、でないとなぁ」

「ねぇ、こっちを向いて、目を瞑って」

えっ!、こっ、こう!?

そしたら、君は僕に口づけをしたのだった

「えっ!!??」

「もう、会えなくなっちゃうから」

君の声、君の顔、最後だとわかった口づけも、痛いほど優しかった。

「最後は、涙じゃなくて笑顔でお別れしたいから」

そっか、そうだよね!

このとき、僕の胸は寂しい悲しい気持ちで、今にも泣き出してしまいそうなぐらいだった

でも、僕も最後は笑顔がいいから。

もう、いかないとだよね…

「それじゃあ、行ってきます」

「うん、行ってらっしゃい」

君は、青いスーツケースを引きづり前を向いて歩いていく

「あぁ、僕は4年間で何をしてあげられていただろうか?」

あぁ、行っちゃった…もう…泣いて良い、よね?

「貴方、ありがとう…、、」

うっっ…

あぁ、なんで私泣いてるの…泣かないって、決めていたはずなのに…、



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