テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
38
さむ
63
どうもさむです!雷鉢の死ネタ、メモ帳に書いてたから持って来ました!
・死ネタ
・雷蔵が愛重い
・両片思いだけど正式に付き合ってはないと思う
・ある人のネタお借りしてます!
・駄文注意!
・それでもいいよって方だけどうぞ!😌
「私、そろそろ雷蔵の変装をやめようと思うんだ」
少し遠い街へ降りて2人で甘味を食べた帰り道。
空が紅くなり始め、本当なら急いで忍術学園へ戻らなくてはいけないけれど、
折角の2人きりのこの時間をまだ終わらせたくなくて近くの大きな岩にもたれ掛かる。
明日になれば僕たちは一つ、学年を上がり最高学年となる。
今日は僕たちが5年生でいられる最後の日。
だから2人で遠出をしてみた。
さっきまで2人並んで、明日からはどんなイタズラをしようかとか、絶対豆腐地獄が待っているんだろうな…なんて笑い合っていた。
だけど、休憩しようと言って岩へもたれ掛かって隣を見ればさっきまでの楽しそうな笑顔は何処へやら、何やら真剣な顔をして地面を見つめていた。
そして口を開いたかと思えばその一言だけ告げて黙り込んでしまった。
「…そうかい。それはまた何で?」
暫く続いた沈黙を破ったのは普段よりもほんの少しだけ低くなった僕の声。
「卒業したら、こうして共にいれることもなくなるだろう?そうしたら、もう雷蔵の顔を借り続けることは出来ない。」
だから、と続けられる言葉を僕は遮るように目の前の彼を押し倒しそのまま馬乗りになった。
少しばかり大きな音が鳴るのと共にカアーッとカラスが飛び去るのが聞こえた。
彼は咄嗟のことで対応出来ずそのまま地面に頭を打ち付けた。
鉢屋三郎ともあろう者がいとも簡単にこうして身動きを取ることが出来なくなるとは、それだけ僕の隣で気を抜くことが出来ていたということ。
それが同じ学級委員長委員会所属の尾浜勘右衛門や同じクラスの竹谷八左ヱ門、天秀と呼ばれる程の才能を持つ者同士である久々知兵助じゃダメなんだ。
僕だけが許されている特権。
そう、たった僕だけが。
だから、
「ら、雷蔵…?」
「不破雷蔵あるところ鉢屋三郎あり、それなのに僕から離れる気なんだ。そんな勝手な理由で僕の変装をやめるだって?」
「ら、雷蔵、!ちが、これには…、!」
「うん。知ってるよ」
今まで出したことのないような低く冷めきった声で話す僕の様子に身の危険を感じ取った三郎は焦ったように弁解しようと声を震わせる。だがそんなもの聞くつもりはない。
「例えそれが嘘でも僕は許さないよ。三郎は僕の変装だけをしてればいい。僕の変装をしない三郎なんか要らないよ」
「ら、らいぞ…、…っ?!」
戸惑う彼の腹に僕は懐から取り出した小刀を刺した。
彼は目を白黒させて訳が分からないというように僕を見つめる。
「らい、ぞ…なんで…っ」
「言っただろう、僕の変装をしない三郎は要らないって。だから僕の姿のまま殺そうと思って。」
そのまま僕は小刀を深く刺し込む。したらドクドクと三郎から大量に血が流れ出てきた。
いくら忍たまと言えど、5年の中で1番体力の少ない三郎のことを考えたら、本気で抵抗して僕を退かさない限り出血多量で死んでしまうだろう。
そう考えながら僕は小刀を握る手を強めた。三郎からうめき声が聞こえる。
刺しすぎてしまったかな、三郎は痛みに声をあげるだけで言葉を発さない。
「いいの?抵抗しなくて」
そう問えば血を吐きながら咳き込み、暫くして小さな声で“雷蔵、ごめん”とだけ答えてついには反応がなくなった。
小刀を三郎の横腹から抜いた。ゴポッと血が溢れてきていっとう僕の手を汚した。
ここまでやっても後悔はなかった。むしろ出てくるのは愛おしさと、ほんの少しの呆れだった。
僕は知っていた。彼があんなことを言った理由も、抵抗をしなかった理由も。
ああ、そんな嘘ついてまで僕に妬いてほしかったんだ。僕に殺されることも、お前にとって嬉しいことなんだね。
「ばかだね。お前は」
三郎の血で汚れた小刀を自分の首に持っていって、そのまま力を入れた。
コメント
1件
うわあ…読み終わってしばらく黙り込んでしまいました。冒頭の「変装をやめる」という台詞が、あそこまで重い意味を持って回収されるとは。雷蔵の「僕の変装をしない三郎は要らない」って台詞、愛の裏返しというより同一性を求める執着そのもので、こわいほど美しいバランスでした。それでいて三郎が抵抗しなかった理由も透けて見える構造、好きです。最終行で刃が向かう場所に、思わず息を止めました。