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結局、私はその授業では回復魔法を発動させる事が出来なかった…
はぁぁあ…
また、ザキアの奴に嫌味の1つでも言われるわ、きっと…
私は暗い気持ちのまま呼び出されたお化け図書館に向かった。
「ライト!」
短縮詠唱で、光を灯して図書館の奥に進む。
ここまで出来るようになったのは、やはり、ザキアの指導の賜物だろうか…?
いいや、自分の力だと信じたいものだが…
「ここだ。
遅かったな。」
ザキアは相変わらずテーブルの上に乗り、分厚そうな本を読んでいる。
「う、うん、まぁ…」
「回復魔法は?」
「で、出来なかったわよ!
悪かったわね!」
「教えてやっても良い。」
「ほ、ほ、本当!?」
「あぁ…
その代わり、出来るようになったら褒美をもらおうか。」
「褒美…?
うーん、よく分からないけど、教えてっ!」
私はそう言ってしまう。
「我が忠実なる僕、ダークスパロウよ。
我が呼びかけに応じて可憐なる姿を現せ。」
そう、ザキアが唱えると、彼の手の上に闇属性と思われる小さなスズメが現れた。
「か、か、可愛いーーー!」
私は言う。
「そうか。
アイスカッター…!」
ザキアは、小鳥をアイスカッターで斬りつけた。
「キャァァァーーーー!!!
な、な、何するのよ!!!
アンタ頭おかしいんじゃ無いの!?」
スズメはザキアの手の上に倒れている。
「…治してみろ。
そうじゃなきゃ死ぬだけだ。」
ザキアは私にスズメを渡し、そう言った。
「し、しっかりして!
今治すから!」
とは言ったものの、私に…出来る…?
でも!
ザキアはきっとこの子を見殺しにする!
私にはそれが分かっていた。
やるしか無い!
落ち着いて!
そうよ!
1番得意な光魔法を応用させるのよ!
…出来るッッッ!
「光の精霊アルフレイムよ…
我が切実なる願いを聞き届けたまえ。
この愛する小鳥の傷を癒やし、助けよ。
ライトヒール!」
私の手のひらの上にほのかに暖かい光が集まった。
そして、スズメの傷を癒やしていく。
『チュン…チュン…!』
「スパちゃん!涙」
「スパちゃん…?
そんな名前なのか…?」
「うるさいわね!
冷酷非道男!
あなたって血も涙も無いのね!
こんな可愛い子を…!
許せない!!!」
「…約束は守ってもらう。」
「は?
約束???」
「褒美をくれるんだろ?」
彼は近づいてくる。
私の顎に手を当てて、軽く持ち上げると、キスをした。
「やっっっ!」
私はもちろん抵抗する。
「めんどくさいな…
闇の鎖よ、この者を拘束せよ。」
ヒュン!ヒュン!と、闇の鎖が現れたかと思うと、私の両腕を後ろで縛り上げた。
「ちょっとぉ!
こんなの卑怯よ!」