#.1 赤黒く染まる
⚠uplt要素あり
_up side_
分厚い雲が空を覆い、何処と無くじめじめとした雰囲気が漂う。ほぅっと息を吐くと、窓越しの自分の顔に霧がかかる。
up「くっそ微妙な天気…」
ため息混じりに独り言を言いながら、スマホでメッセージを打ち込む。
『今日中止?』
up「うお、返事はやw」
『絶対に行きますマジで今日は!!!』
まるで声が聞こえてくるような思いを感じるメッセージを目で追う。
メッセージの相手は、俺の幼馴染み兼親友でもある、ltさんだった。
今日はltさんの好きなゲームのコラボカフェのオープン日。絶対に初日に行くというltさんのオタクっぷりに少し吹き出しつつ、すぐにメッセージを返す。
『おけ!!んじゃまた2時に』
そうメッセージを送信し、コラボしているゲームの情報なんかを見る。なんだかんだいって楽しみにしながら、いそいそと準備を始める。
ピーーンポーーン
up「は?おいまだ1時半だっての!!」
呆れつつ、笑いつつ、俺は玄関まで駆けていき、ドアを開ける。
キィという音と共に、ひょっこりと見慣れた顔が現れた。
up「早いってお前せっかちがよ」
lt「なんですかいいでしょ遅刻するよりかは!!」
ベラベラと文句を垂れ流しながら、入ってきたのが、そう、ltさんだ。
艶のある黒髪を三つ編みに結い、3年前の誕生日にあげた赤いヘアピンが四つ、髪の上で光っている。ふんわりとした白いパーカーを身に纏い、キラキラと輝かせた目を向けてくる。
lt「さ、行きましょ!!早ければ早いほど良いってlt辞書にはありますよ!!」
up「なんだよlt辞書…まぁいきましょか」
lt「へぇなんだかんだ準備してんじゃないですか!!」
up「流石upprn!!!!」
lt「…」
up「は?」
急いで足を動かし地面を蹴る。空を見上げると、相変わらず暗くて厚い雲が全てを覆ってるだけだった。
傘はあるが、ltが忘れたせいで、相合傘。そんな馬鹿な真似はしたくないと、忘れたくせに文句を垂れるltさんを横目に二人で並んで全力疾走。
ポツ、ポツ
lt「ちょちょ、やばくね!?」
up「こっち通りましょ!近道!!」
近道だと知っていた路地に入ったのは2度目程である。じめっとした空気が体に纏わりついて、変な汗をかく。
up「頑張ってltさん走って!!」
lt「ッ!!?待っt」
すると、今まで横でなっていたltさんの足音がピタリ、と止んだ。それと同時に
グシャリ、と鈍い音がなった。
反射的に振り返ると、背筋が凍り、血の気が引いた。
up「__ッ、!!?」
??「ふふ、いいですねぇ!!その顔!!」
そこにいたのは、整った容姿とは裏腹に、悪魔のような不適な笑みを浮かべた女と
白いパーカーが赤黒く染まった、ltさんがいた。
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おっと〜初っ端からタヒネタを 持ってくるうさぎん選手〜! タヒネタを出すのが早い早すぎるぞぉ!
死んだぁ!? そんな直ぐに死ぬんですね…