コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
レイを含む新一年生達が集会堂に集められた。
ザワザワ……
生徒たちは緊張しているのか、教室にいる時よりも騒がしかった。
「あー、あー。テステス。よし!ちゃんとマイク入ってるね!そろそろ入学式が始まるからみんな静かにしよう!」
活発そうな教室がマイクを通して生徒たちに言った。
しかし、静かになった生徒は2割ほどだけだった。
「あー、やっぱりか。」
「ドキドキしますもんねぇ〜」
「まぁ、しょうがないですよ。」
「毎年こんなだからねー」
などと、教師たちが諦めたような笑顔で話していると___
「静粛に。」
キィ……ン(マイクの音)
と静かで威圧的な声が響いた。
その声の主は黒い髪の長身の男性教師だった。
集会堂の中の空気がビリ…と震えた。
さすがにまずいと思ったのか、生徒たちが静かになった。
「只今より、クールハイト学園入学式を執り行う。まずは、学園長式辞。サンプソン学園長、よろしくお願い致します。」
黒髪の男性教師が言った。
舞台の下手から学園長らしき女性が上がってきた。
マイクの前に立ち、話し始めた。
「えー、皆さん!ご入学おめでとうございます!ようこそ、クールハイト学園へ。私はこの学園の学園長を務めます、『ルゥファル・サンプソン』です。しっかり覚えてくださいね。今年も____ 」
幾らか話し終えて、最後にこんなことを言った。
「__えーつまらない話はこの辺までにしておいて。実は今年、私の実子が入学致しましてー!もー、これから学園長としても母親としても息子の成長を見守りたいばかりですーあ、それから__あ、ちょ!ペト先生!タックス先生!私まだ話したいことがーー!」
話し終えないうちに2人ほどの男性教師に無理やりマイクから引っペがされた。
お気づきの方もいると思う。そう。学園長はレイの母親『ルゥファル・サンプソン』である。
一方その頃、生徒用の長椅子に座っていたレイは、もうほんとやめて…。とでも言わんばかりの顔をしていた。
「___サンプソン……。」
赤毛の生徒がレイに冷ややかな視線を送っていた。
「やはりあの生徒は……」
一瞬歯を食いしばったような表情をした。
この生徒とレイが衝突することをまだ誰も知らない。