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#うちはイタチ
琴葉つきね
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第6話、めっちゃ面白かった!!アカネの「風の気持ちになる」修行がまさかの人間風車で笑ったわw マキナの結婚発言もシズクの音波攻撃も相変わらずカオスで最高。でもその爆発の最中に一瞬だけ風の質が変わったって気づく流れ、ちゃんと成長の布石になってて熱いな。ラストの第九班とのクロスも来たか!サエ先生の未来視エグすぎるし、ミズキの「不快な風を叩き潰すのは僕」って台詞、次回が気になりすぎる🔥
「よし! 今日から『竜神化』に向けた特別修行を開始するよ!」
砂漠を抜けた先にある、岩山に囲まれた荒れ地。
私は拳を握りしめ、高らかに宣言した。
目標は決まった。体内のチャクラを力任せに爆発させる「竜人化」から、周囲の風と一体化する「竜神化」への昇華。
……だけど、大きな問題がひとつあった。
「で……アカネさん。具体的にどういう修行をするんですか? 師匠もいなければ、巻物の後半も読めないわけですが……」
マキナが木彫りの人形で日よけを作りながら、ボソボソと正論を突きつけてくる。
そう、私たちには師匠がいない。大国の忍みたいにアカデミーで体系的な授業を受けたこともなければ、五大国のすごい師匠に弟子入りしているわけでもない。全員、野良と独学の叩き上げだ。
「そんなの簡単だよ! 風と一体化するなら……風の気持ちになるのが一番でしょ!」
「……風の気持ち、ですか?」
「そう! だからまず、風に身を任せる修行! マキナ、あんたのチャクラ糸で私を吊るして、あの断崖絶壁の上からブンブン振り回して!」
「えっ……アカネさんを振り回す……!? 僕のチャクラ糸で……!? そんな、実質的に抱きしめているのと同じでは……っ! 結婚しましょう!!」
「話を聞け! 早く吊るして!」
「はい♡ 喜んで!!」
目がギラギラに輝いたマキナの指先から、高密度のチャクラ糸が伸び、私の胴体をグルグル巻きにする。
「行くよ〜っ! 秘技・人間風車!!」
「うああああああっっ!!?? 風に……風になるんだ私ぃぃぃっ!!」
断崖絶壁から突き落とされ、マキナの糸によって高速で超巨大な円を描く私。
ビュービューと鼓膜を裂く暴風。目が回る、視界がぐるぐる回る、三半器官が壊れそう!
「うふふ♡ すごい、すごいよアカネちゃん! その悲鳴、悲鳴の周波数が高音から低音へドップラー効果で変化していく……! あぁん、最高の実験体……いや、最高の音源だねぇ♡ **食べちゃいたい♡**」
下で優雅に日陰に座っているシズクが、笛を構えて嬉々としてメモを取っている。
「シズク! 人の悲鳴分析してないでアドバイスしなさぁぁぁいっ!!」
「え〜? じゃあねぇ、僕の音波攻撃を避けながら風と一体化してみなよ♡ **音遁・キツい高周波(高音)!!**」
キィィィィンッ!!と、脳みそを直接針で刺されるような凄まじい高音波が私を襲う。
「ぎゃあぁぁぁっっ!? 耳が! 耳が壊れるぅぅぅっ!!」
「アカネさん!! 僕の愛の糸で包み込みます!!」
「余計な糸増やすなぁぁぁっ!! 絡まる! 絡まって竜巻みたいになってるからぁぁぁっ!!」
**ドガガガガガガッッ!!**
強引にチャクラを練ろうとした瞬間、マキナの糸とシズクの音波、そして私の暴走した風のチャクラが打消し合い、巨大なつむじ風となって岩山に激突。私たちは全員まとめて爆発に巻き込まれた。
「……ハァ、ハァ、死ぬかと思った……」
岩のくぼみで、泥とすすだらけになった私。
マキナは頭から岩に突っ込んで脚をバタバタさせているし、シズクは髪が爆発してボサボサになっている。
「だ、ダメだ……全然『風の気持ち』になれない……ただ三半器官が破壊されただけだった……」
「あー……耳が幸せだった……♡」
「アカネさん……僕たちの愛の共同作業、最高でした……次は二人で糸に絡まりましょう……」
「反省しなさいよ二人とも!!」
私が怒鳴りつけると、シズクがボサボサの髪を手で直しながら、珍しく真面目な顔(※ただし顔は爆発している)で顎に手を当てた。
「でもさ、アカネちゃん。今の爆発の直前……一瞬だけ、君の風のチャクラの音が変わったよ」
「え? 本当!?」
「うん。マキナの糸の『張力(物理力)』と、僕の『音波(振動)』に挟まれた時……君、無意識にそれらを『いなそう』として、風のチャクラの回転を極限まで滑らかにしたでしょう?」
「え……あ、うん。なんか、まともに喰らうと死ぬと思って、体の中のチャクラをサラサラ流そうとしたかも……」
「それだよ」
マキナが岩から頭をぶっこ抜き、顔を拭いながら立ち上がった。
「竜人化が『硬い甲冑』なら、竜神化は『流れる水』や『風そのもの』……。受け止めるのではなく、相手の力や衝撃を自分の風に乗せて受け流す……それが第一歩かもしれません」
「衝撃を……風に乗せて受け流す……」
私は己の手のひらを見つめた。
今までは、大国の忍や彼岸の奴らに負けたくなくて、ただひたすら力任せに風を固め、爪を鋭くし、爆発的な力で突っ込むことしか考えていなかった。
でも、それではカムラの闇電やイワドの重力みたいな「強力な力」に正面からぶつかって、砕けてしまう。
風は、固い岩を砕くこともできるけど、どこまでも柔らかく、何ものにも縛られないものだ。
「よし……! もう一回やるよ!」
私はもう一度立ち上がり、髪を結び直した。
「今度は暴走させない。二人とも、手加減なしで攻撃してきて! マキナの絡繰の不意打ちも、シズクの嫌な音波も……全部、私の風で受け流してみせる!」
「ふふっ♡ 言ったねぇ。僕の最上級の音、耐えられるかな? 食べちゃいたくなるような音を届けてあげるよ♡」
「アカネさんがそう望むなら……僕の傀儡の全てを投じます。……受け流せたら、結婚してくださいね」
「だからそれはそれ! これはこれ!」
独学で、無茶苦茶で、傍から見たらただのコントみたいな修行。
だけど、私たちは私たちなりのやり方で、泥を舐めながら確実に前へ進んでいた。
夕陽に染まる岩山で、私の手のひらに生まれた小さなつむじ風は、昼間よりもずっと静かで、どこか澄んだ音を立てて回り始めていた。
Side:日向ミズキ ——
「いいかミズキ! 忍の修行とは常に自分との戦いだ! 限界を突破した先にしか、真の『情熱』は芽生えないのだからな!!」
「ロイス、声が大きい。それに先ほどからあなたの八門遁甲の汗がこちらに飛んできて不快です」
砂漠を抜けた先、岩山が連なる険しい峠道。
僕——日向(ひゅうが)ミズキは、額の汗を手ぬぐいで拭いながら冷ややかに言い放った。
僕たちのチーム「第九班」は、現在、抜け忍集団「彼岸」の潜伏先を突き止めるべく、火の国と風の国の国境地帯を鋭意捜索中だ。
僕の小隊員であるカール・ロイスは、マイト・ガイ先輩の遠縁にあたり、すでに第六「景門」まで開けられる規格外の体術使い。さらに体術の隙を消す精密な「幻術」のスペシャリストでもある。……言動の暑苦しさを除けば、戦力としては文句のつけどころがない。
「もうっ、ミズキもロイスも喧嘩しないの! ほら見てサエ先生! 私とテンテンで共同開発した『対・重力忍術用アンカー付き大型裏手裏剣』! この重心のバランス、完璧じゃない!?」
「はいはい、アイネ。素晴らしい出来栄えですね……ですが、忍具の手入れに夢中になるあまり、前方への警戒を怠ってはいけませんよ」
そう言って、道端の岩に腰掛けながらマイペースにお手製のお汁粉をすすっている女性。
彼女こそが、僕たち第九班を率いる担当上忍——未来(みらい)サエ先生だ。
一見すると、甘いもの好きのどこにでもいそうな緩い上忍に見える。
尊敬する人物は伝説の「木ノ葉の白い牙」こと、はたけサクモ様。
だが……彼女が真の力を発揮した時、その脅威は五大国でも指折りの域に達する。
サエ先生の持つ血継限界——『未来視(みらいし)』。
数秒から数十秒先の「未来の情景」を完璧に予見する能力。
先読みの精度と確定度だけに関していえば、うちは一族の「写輪眼」すらも上回ると言われている恐ろしい瞳術だ。
……ただし、この能力には**「一回使うだけで膨大なチャクラを根こそぎ持っていかれる」**という壊滅的な燃費の悪さがある。そのため、普段の先生はチャクラを温存するために極力動かず、こうしてお汁粉を食べて血糖値とチャクラの維持に努めているのだ。
「サエ先生。白眼で探りましたが、この先の岩穴に彼岸の手下どもが潜伏しています。……どう動きますか?」
僕が報告すると、サエ先生は最後の一口のお汁粉を飲み干し、お椀を懐に仕舞うと、表情を「上忍」のそれに変えた。
「ミズキ、ロイス、アイネ。相手は危険な抜け忍です。油断は禁物ですよ。……よし、少しだけ『覗いて』みましょうか」
サエ先生がスッと両目を閉じる。
次の瞬間、先生の周りの空気がピキリと張り詰め、異質なチャクラが立ち昇った。
(発動した……先生の『未来視』……!)
数秒の沈黙。
やがて目を開けたサエ先生は、ハァハァと激しく息を乱し、額に大量の汗をかいていた。
「はぁ……はぁ……っ! ぜぇ……やっぱり、これを使うと一気にチャクラが持って行かれますね……すさまじい倦怠感です……」
「大丈夫ですかサエ先生! ほら、追いお汁粉(非常食用ボトル)です!」
アイネが素早く水筒を差し出す。先生は「助かります……」と受け取り、ゴクゴクと飲んだ。
「……で、先生。何が見えましたか?」
僕が問うと、サエ先生は呼吸を整えながら、冷徹な分析を口にした。
「正面から突破した場合……ロイスの八門遁甲の一撃を皮切りに突入しますが、奥に潜んでいた敵の仕掛け忍具によってアイネが左腕に軽傷を負います。そして、逃げようとした敵の幹部候補が、ミズキの点穴を突く柔拳を間一髪で回避し、自爆用の起爆札を起動させますね」
「なっ……! 僕の柔拳が見切られる……!?」
「ええ。ですが……『未来』が分かっていれば、対処は容易です。アイネは突入と同時に上方へ『避雷針付き苦無』を三本投げなさい。ロイスは景門を開かず、左からの幻術で敵の三半器官を狂わせる。そしてミズキ……あなたは相手が右に回避したその瞬間の『コンマ一秒先』の点穴へ、予め突きを置いておきなさい」
「……了解です」
完璧な「未来のカンニング」。
これが、未来サエという上忍の恐ろしさだ。
「突入!! 情熱・景門開——いは言わず、第一・開門!!」
「口寄せ・忍具散華!!」
「柔拳・八卦六十四掌!!」
ドガガガガガガッッ!!
戦闘は、文字通りサエ先生の「予言」通りに展開した。
アイネの投げた苦無が敵の仕掛け忍具を相殺し、ロイスの静かな幻術が敵の判断を狂わせる。
そして、逃げようと右へ跳んだ敵の首筋の点穴に、僕は寸分違わず指先を叩き込んだ。
「ガッ……!? な……ぜ、そこに攻撃が……!?」
「僕には、あなたの『未来の動き』が見えていたのですよ」
バタリと倒れ込む敵の男。自爆の隙すら与えない、完璧な完全勝利だ。
「ふう……見事な連携でしたよ、三人とも」
戦闘の背後で、サエ先生が木陰で再びお汁粉の缶をパカッと開けて笑っていた。チャクラがすっからかんのため、先生自身は指一本動かしていない。
「サエ先生の未来視、相変わらずエグいですね……! 敵の動きが全部スローモーションみたいに予測できるなんて!」
アイネが目を輝かせる。
「フッ、だがなアイネ! どんなに未来が見えようとも、それを超える速さと強さ……即ち『情熱』があれば未来は覆せる! そうだろう、サエ先生!」
ロイスがポーズを決める。
「ふふ、確かにそうですね、ロイス。……ですが、今の私たちはこの完璧な予測を武器に、『彼岸』の本体を追い詰めなければなりません」
サエ先生の瞳が、少しだけ陰りを帯びた。
「さっきの未来視の末尾で……少しだけ見えました。この先で……あの『たつまきアカネ』という少女たちの小隊が、彼岸の幹部と激突する未来が」
「……なに?」
僕の眉が跳ね上がった。あの猪突猛進の野蛮な風使い——アカネ。
「彼女たちはどうなりますか、サエ先生。まさか、全滅でもするのですか?」
「いいえ。……彼女の『竜人化』という異質なチャクラ……そして、彼女が連れている二人の奇妙な仲間たちの不確定要素が大きすぎて、私の未来視すらも『複数の未来』にブレてしまっていました。……ただ一つ言えるのは、彼女たちの『泥臭い執念』が、確定した未来すらも破開する可能性を秘めているということです」
サエ先生は最後の一滴までお汁粉を味わうと、立ち上がった。
「行きましょう、第九班。……あの少女が自滅する前に、そして彼岸の陰謀を阻止するために」
「……ふん。自滅などさせませんよ」
僕は握りしめた拳にチャクラを込めた。
「あの荒削りで不快な風を……僕の柔拳で正しく叩き潰すのは、僕なのですから」
「よぉし! 青春の血が騒いできたぞ! 行くぞ第九班、情熱の限界突破だ!!」
「私の新開発忍具も火を吹くよ〜っ!」
サエ先生を先頭に、僕たち第九班は砂塵の舞う風の国の奥地へと、疾風の如く駆け出したのだった。