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#及川徹
なぎ@孤独チャン
92
れい
901
夢桜(-_-)zzz
91
コメント
1件
ああ〜もう!!!第12話、めっちゃ良かったです!!!!! 黒尾の正体が魔王補佐のスパイって衝撃だったけど、何より研磨が「さびしかった」って泣いちゃうシーンがズルいですよ…。あの無表情でクールな研磨が感情爆発させるの、反則級に刺さりました。2人の「ただいま」「おそい」のやり取り、尊すぎてもう…!! 及川が「あれも両片思いじゃない?」って冷静にまとめてるのも笑ったし、他のキャラの「今さらっす」連発もツボです。 これは両片思い確定案件では?!次話、超楽しみにしてます!!🔥
魔王城の警報が鳴った。
正確には。
鳴らされた。
「侵入者ァァァァァァ!!」
日向翔陽が窓から飛び出した。
「殺す!!」
五色工も追従する。
「待て待て待て待て!!」
城中に叫び声が響く。
中庭。
そこには一人の男が立っていた。
黒いローブ。
長身。
フードの奥から覗く鋭い目。
そして。
狼耳。
「……あ?」
日向が着地する。
五色も耳を立てた。
「獣人?」
「人間側じゃないんすか?」
「でも知らねぇ」
「知らないっす」
「「よし殺そう。」」
そうなった。
「待てボゲ共」
低い声。
二人が振り返る。
そこには城内パトロール中だった影山飛雄がいた。
「……帰ってきてたんすね」
「おう」
男が軽く手を挙げる。
その瞬間。
日向と五色が固まった。
「知り合い?」
「知り合いっつーか」
影山は肩を竦めた。
「魔王補佐」
沈黙。
数秒後。
「は?????」
日向が叫んだ。
「いや待って待って待って」
五色が混乱している。
「魔王補佐って孤爪さんじゃないんすか」
「もう一人いる」
「聞いてない」
「言ってねぇもん」
「そうだけど!!」
男はフードを下ろした。
黒髪。
狼耳。
漆黒の目。
どこか胡散臭い笑顔。
「どーも」
ひらひら手を振る。
「黒尾鉄朗です」
「初対面みたいに言うな」
影山が呆れた。
すると。
後ろから菅原と澤村もやってきた。
「騒がしいと思ったら――」
そして固まる。
「……え」
「……黒尾?」
黒尾が笑った。
「よっ」
沈黙。
「…………」
「…………」
「…………」
「え?」
黒尾が首を傾げる。
次の瞬間。
「「お前スパイだったの!?!?」」
菅原と澤村の声が綺麗に揃った。
「いやいやいや!」
菅原が指差す。
「人間側でめっちゃ会ってたじゃん!?」
「会ってたな」
「相談とかしてたじゃん!?」
「してたな」
「俺悩みとか話したぞ!?」
「聞いたな」
「最悪だ!!!」
黒尾が爆笑する。
澤村も頭を抱えていた。
「全然気づかなかった……」
「だろ?」
黒尾は得意げだった。
「これでも敏腕スパイなんで」
「腹立つ〜!!」
日向が笑っている。
五色も吹き出した。
「すげぇっすね」
「まぁな」
すると。
及川が現れる。
「黒尾〜!帰ってきたんだ〜」
「お、魔王サマじゃん」
「報告書ありがとね」
「どういたしまして」
普通だった。
どう考えても昔から知り合いだった。
「お前らどんだけ隠してたんだよ」
影山が呆れる。
その時。
ずっと黙っていた研磨が。
一歩前へ出た。
「……クロ」
小さい声。
黒尾が振り返る。
「ん?」
「……帰ってきたの」
「帰ってきたよ」
当たり前みたいに答える。
研磨は黙る。
黒尾も黙る。
周囲も何となく静かになった。
五百年。
黒尾はほとんど人間側にいた。
数年に一度。
数ヶ月だけ帰ってきて。
また消える。
それの繰り返し。
研磨は慣れている。
慣れているはずだった。
「……今回長かった」
ぽつり。
黒尾が少しだけ目を瞬く。
「そうか?」
「長かった」
即答。
珍しい。
研磨がこんな風に感情を出すのは。
黒尾が少し困ったように笑う。
「悪ぃ悪ぃ」
「……」
「仕事だったし」
「……」
返事がない。
おかしい。
黒尾は眉を下げた。
「研磨?」
そして。
ぽたり。
一滴。
雫が落ちた。
「……え」
全員が固まる。
「え?」
日向が二度見した。
影山も固まった。
五色の耳が硬直する。
「……えぇっと、アノ研磨さん?」
研磨本人も驚いている顔だった。
でも。
止まらない。
「クロ……」
声が震える。
「さびし、かった……」
黒尾が目を見開く。
「……研磨」
「クロ……」
ぽろぽろ。
ぽろぽろ。
涙が落ちる。
いつも無表情で。
何考えてるか分からなくて。
及川と影山が両片思いを拗らせてても「長かったね」で済ませる男が。
今。
子供みたいに泣いていた。
「クロぉ……」
「お、おう」
「さびし、かったぁ゛……!」
完全に決壊した。
黒尾が固まる。
日向も固まる。
五色も固まる。
菅原と澤村は口を押さえている。
「やばい」
「やばいな」
影山だけが少しだけ目を伏せた。
知っていた。
研磨がどれだけ黒尾を特別扱いしているか。
だから。
今回のこれは。
本当に珍しい。
「……研磨」
黒尾がゆっくり近付く。
そして。
ぽん、と頭へ手を置いた。
「ただいま」
その瞬間。
研磨が黒尾の服を掴んだ。
「……帰ってくるの、おそい」
「ごめんな」
「……ばか」
黒尾が笑う。
優しく。
愛おしそうに。
「知ってる」
そして。
誰にも見えないくらい小さく。
狼耳が嬉しそうに揺れた。
その様子を見ていた及川が。
ぽつりと呟く。
「……あれも両片思いじゃない?」
「今さらっす」
五色が即答した。
「今さらだな」
影山も頷いた。
菅原と澤村も無言で頷いた。
黒尾だけが。
「……は?」
という顔をしていた。
そのとき全員が思った。
((((コイツらどっちも自覚無しかよぉぉぉぉぉぉ!))))
黒尾鉄朗 役職 魔王補佐
研磨の幼馴染。もしかしたら及影のように両片思い…?出会った経緯は後々。 敏腕スパイ。研磨と同じく変装のプロ。500年近く人間側にスパイしに行っていて、及川に色々と情報の書かれた矢文を送っている。なので研磨と影山以外は「魔王補佐がもう1人いる…らしい」くらいの認識。 狼獣人なため、吸血鬼の日向、同じく獣人の五色とは相性がいい模様。 澤村と菅原とは寝返る前にそこそこ喋ったが、2人とも黒尾がスパイだとは気づかなかった模様。