テラーノベル
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⚠︎ ワンクッション ⚠︎
・五白
・下手
・ほのぼの寄り
・五色の独占欲高⤴️
翌日。
朝から五色工は、いつも以上に落ち着かなかった。
五色:【昨日、白布さんと一緒に帰った……!】
思い出すだけで、顔が緩みそうになる。
ほんの少しだけ長く一緒にいただけ。
それなのに五色にとっては、とても大きな出来事だった。
五色:【今日も一緒に帰れたらいいな……】
そんなことを考えながら体育館へ向かう。
そして――。
五色:白布さん! おはようございます!
白布:……朝からうるさい。
五色:すみません!
白布:別に怒ってない。
五色:はい!
白布はいつも通りだった。
それだけで五色は嬉しくなる。
練習が始まれば、二人の距離はさらに近くなる。
白布:五色、もう少し右。
五色:はい!
白布:助走、急ぎすぎ。
五色:はい!
白布:あと――。
五色:はい!
白布:……返事だけはいいな。
五色:白布さんの言うことですから!
白布:そういうところだぞ。
白布が呆れたように笑う。
五色は、それを見て嬉しそうに笑った。
——しかし、その直後。
瀬見:白布、ちょっといいか?
白布:はい。
白布が五色から離れる。
その瞬間、五色の表情が曇った。
五色:【……】
瀬見と白布が話している。
内容は練習についてだろう。
そんなことは分かっている。
分かっているのに、気になる。
五色はボールを持ったまま、二人を見つめていた。
川西:五色。
五色:……何ですか?
川西:ボール。
五色:あ。
手元を見ると、ボールを持ったまま動いていなかった。
川西:どうした?
五色:……何でもないです。
川西:そう。
川西はそれ以上聞かなかった。
けれど五色は、ずっと白布のほうを気にしている。
やがて瀬見との話が終わった。
白布がこちらへ戻ってくる。
五色:白布さん!
白布:何。
五色:次、俺に上げてください!
白布:分かったから、そんなに急ぐな。
五色:はい!
五色はすぐにコートへ入った。
白布がボールを持つ。
五色は助走を合わせる。
――トス。
跳ぶ。
打つ。
ボールは綺麗にコートへ落ちた。
五色:っしゃあ!
白布:今のは良かった。
五色:本当ですか!?
白布:ああ。
五色:やった!
たった一言。
それだけで五色は嬉しくなる。
だからこそ。
その「良かった」が、自分だけに向けられたものであってほしい。
そんな気持ちが、少しずつ膨らんでいた。
昼休み。
五色が体育館で昼食を取っていると、白布のところへ一年生がやってきた。
一年生:白布さん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど。
白布:何?
白布は普通に答えている。
五色は少し離れたところから見ていた。
五色:【……】
まただ。
昨日もそうだった。
白布は誰にでも普通に接する。
それは白布の良いところだ。
なのに。
五色の胸は、またざわついた。
五色:【なんで……】
自分でも分からない。
どうしてこんなに気になるのか。
どうして白布が誰かと話しているだけで、面白くなくなるのか。
気づけば五色は立ち上がっていた。
五色:白布さん!
白布:ん?
五色:昼、もう食べましたか?
白布:まだ。
五色:じゃあ一緒に食べましょう!
白布:……別にいいけど。
五色:やった!
五色は白布の隣へ座った。
先ほどまで話していた一年生は、少し笑ってその場を離れていった。
五色は安心した。
けれど――。
白布:お前、さっきから何なんだ?
五色:え?
白布:俺のこと、ずっと見てただろ。
五色:……!
図星だった。
五色:そ、それは……。
白布:何か言いたいなら言え。
五色:……。
五色は黙り込む。
そして、小さな声で言った。
五色:……白布さんが、他の人と話してるのが嫌でした。
白布:……は?
五色:なんか……嫌なんです。
白布:理由は?
五色:分かりません。
白布は少し黙った。
五色も俯いたまま、弁当を見つめている。
五色:俺……変ですよね。
白布:別に。
五色:でも、白布さんには……俺のことを一番見ててほしいです。
白布の手が止まる。
五色:俺、白布さんにトス上げてもらうのが好きで……白布さんに褒めてもらうのも好きで……。
五色は顔を上げた。
五色:だから、俺だけ見ててほしいって思っちゃいます。
白布:……五色。
五色:はい。
白布:お前、ほんと分かりやすいな。
五色:えっ。
白布:そんな顔されたら、無視できないだろ。
五色:……!
五色の顔が一気に赤くなる。
白布:ただし。
五色:?
白布:俺がお前だけを見るなんて、無理だからな。
五色:……。
分かっている。
そんなことは、最初から分かっていた。
白布には白布の世界がある。
仲間も、先輩も、友達もいる。
だから――。
五色:【俺だけなんて、無理だ】
それでも。
五色は諦められなかった。
五色:……じゃあ。
白布:何。
五色:俺が、白布さんに一番見てもらえる選手になります。
白布:……。
五色:誰よりも強くなって、誰よりも点を取って。
五色は拳を握った。
五色:そしたら……俺のこと、もっと見てくれますよね?
白布は少しだけ目を細めた。
白布:……ああ。
その答えだけで十分だった。
五色:はい!
五色は笑った。
――けれど。
その日の帰り道。
白布が別の部員と話しているのを見た瞬間。
五色の胸には、またあの感情が浮かんだ。
五色:【やっぱり嫌だ】
もっと強くなりたい。
もっと認めてもらいたい。
そして――。
五色:【いつか、白布さんの一番になりたい】
その想いは、日に日に強くなっていった。
独占欲高いのっていいよねって話、ほんと最高。
コメント
2件
つらいよね
うわあ、五色の独占欲がじわじわと伝わってくる……!「俺だけ見ててほしい」って口に出しちゃうところがもう、純粋でまっすぐで胸がきゅっとなりました。白布さんの「そんな顔されたら無視できないだろ」もずるい返しだなあ。最後の「やっぱり嫌だ」で締めるのも、まだまだ成長過程な五色らしくて好きです。設定や心理描写が丁寧で、一気に引き込まれました!