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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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注意書き

・無一郎視点

・ゆうむい

・弱ってる

・なんでもありな人向け

・現パロ








僕はいつも昼の12時まで寝ているが、

今日は何故か6時半に起きてしまった。

いつも僕が起きる頃には

兄の布団がベッドメイキング

されているが、この時間帯は 兄もまだ

ぐっすりと寝ている 時間帯だった。


僕はもう一度寝ようとしたが、

ふと自分の体の異変に気づいた。

体調が悪いのだ。

これはもしや風邪というやつなのかも

しれない。


体が熱いし咳も出るし頭が痛いし

気持ち悪いしで僕はすぐに風邪だと

察した。


咳は声に出るもので、兄さんを

起こしてしまうかもしれない。

だから僕は咳を必死に耐えた。


後、兄さんには風邪だと言うことを

バレたくない。


その理由はもちろん心配かけたくない

という気持ちもあるが、今日はなんと

兄の 将棋の大会の日なのだ。


しかも今回の大会はいつもと違う。

半年に一回しかない特別な大会だったのだ 。

両親は10歳の頃に他界したので、

僕を看病してくれる人は兄しかいない。

僕が風邪を引いたせいで兄さんが休むはめに

なるのだけば嫌だった。


兄さんだって、今日の日を楽しみに

している。

昨日の夜だって、沢山 準備していたり

将棋の練習を頑張っていた。


それを僕が壊したくはなかった。


僕はいつも兄さんに迷惑かけてばかり

だから、 兄にいつも怒られてしまう。

でも今回だけは自分でなんとかしなくては。


分かってる。分かっているのに、

さっきから咳が 止まらないのは

何故だろう─────────






「ゴホッ…ゲホッ、、」


やばい。やばいやばい、、咳が止まらない、

抑えようとしたらさらに悪化してしまう。

ダメだ、兄が起きてしまう。


「はーっ、はーっ…ゴホッ…」


「…ん?むいちろう、、?」


あ、やばい。兄さんが起きた。

どうしよう、


「………ケホッ」


「…大丈夫か、?」


兄さんは重い瞼を擦りながら

僕の方を見てくる。

ほんとにまずい。僕のせいで

将棋の大会を休ませる訳には行かない。


兄は厳しいけど、こう見えて僕に

過保護だから、僕が風邪だと知ったら

絶対に休むだろう。


「……だっ、大丈夫… ゲホッ、ゴホッ、 」


「…大丈夫じゃないだろ。咳止まってない」


そうすると兄は僕のおでこに手を当てた。


「うわっ、お前…!?やっぱり熱出してる

じゃないか!大会休むからお前は休んでろ」


絶体絶命。これはやばい。何とかして

将棋の大会に出てもらわないと。


「……ゲホッ、ケホッ、はぁっ、…ま、

まって…! 兄さん、…ケホッ、

自分でちゃんと…ケホッ、何とかできる、

から、将棋の大会には出て…ゲホッ、

おねがい…」


「…将棋の大会よりお前の体調の方が

1番だ。休むしかないだろ」


「…ケホッ、でも…!!だめ、だよ。

兄さんは、…ゴホッ  今まで、 この大会 のために頑張って…ケホッ、きたのに、

僕のせいで、休むはめになるのは、

だめなの…!!子供扱いしないで、

僕十四だよ、ゲホッ、風邪くらい、1人で

なんとか、できる、…ケホッ」


「…でも、」


兄さんは心配そうな顔で僕を見つめる。

それに対して僕は微笑んで返し、


「だい、じょうぶ、ほんとにやばかったら

スマホで電話するから、ゲホッ、ゴホッ、」


「……はぁ。分かった。将棋の大会には

行く。でも、お願いだから無理はするな。

やばかったら絶対スマホに連絡 しろ。

あと、咳止めの薬、1階の

あそこの棚に置いてあるから。それ飲め」


「…!うんっ、ゲホッ、、ありがとう、」


何とか兄さんを止めることは出来た。

よかった…。


その後、兄さんは準備するギリギリまで

僕のそばにいてくれて、撫でてくれたり

抱きしめてくれたりした。


「…じゃあ俺は行ってくるから。

ほんとに無理するなよ?」


「……ケホッ、わかってるって、

兄さん、将棋の大会がんばってきてね、!」


「…あぁ。」


そう言って兄は外へ出ていってった。



「ふぅ…良かった。」


僕はため息を付き、ベッドに横になった。

相変わらず咳は止まらないが、

兄さんがさっき甘やかしてくれたから

幸福感で満たされていた。


…それにしても暇だ。

寝たくても寝られないし、

兄さんが居ない休日はものすごく暇だ。

しかも風邪をひいたから寝たきり状態。


暇なので僕の隣に置いてあるスマホを

手に取り 僕はTikTokをずっと見ていた。

「……ケホッ、ゴホッ、…はーっ…はーっ、」

しばらくスマホをいじっているとなんだか

体調がさらに悪くなっていくのを感じた。

咳も悪化している。


僕は苦しんでいると

ふと兄の言葉を思い出した。

1階の棚に咳止めの薬があるって兄さんが

言ってた。


僕は仕方なく薬を取りに行くため、

ゆっくりと体を起こして 渋々立ち上がった。

すると、急に立ち上がったせいか

気持ち悪さが 悪化していく。

「……ケホッ、ゲホゲホ、…おぇ…」

僕は咳と気持ち悪さの闘いに苦戦しながら

1階へ降りた。

棚を開けると兄の言う通り咳止めの薬

があり、僕は水と一緒に飲んだ。


「…はぁ、ゲホッ、」


段々と咳が落ち着いていく。流石薬だ。

僕はやる事もやったから、 また2階に

戻ろうとした時、 ある物が目に入った。

なんとキッチンにお粥があったのだ。

僕はお粥に近づくと、 お粥の隣に

兄の手紙が置いてあった。

僕はその手紙の内容を見てみた。

「無一郎へ。

調子はどうだ。少しはマシになったか?

俺がいない間、お前は飯も作れないし

食べれないだろうから、

そんなお前のために俺がお粥を作った。

電子レンジで温めて食べろよ。

有一郎より 」

兄さんの字だ…しかも兄さんのお粥を

食べられるだなんて。

僕はすぐさまお粥を電子レンジに入れて

温めた。


「…ケホッ、いただきます。」


ふーふー冷ましながら僕は口の中に

お粥を入れた。

兄さんらしいお粥の味がする。

優しくて温かくて、美味しくて。

僕は10分でお粥を 完食してしまった。

僕は幸せな気持ちになりながら

2階へと戻ってベッドの中に潜り込んだ。

薬も飲んでお粥も食べたおかげで、

僕は少し眠くなってしまった。

僕はゆっくりと目を閉じてそのまま眠りに

ついた。




何時間経過しただろうか。

僕はふと目を覚まし、スマホで時間を

確認すると、19時46分になっていた。


兄さんいつ帰ってくるのかな〜と呑気に

思いながら天井を見上げる。


ぼーっとしていると、何故か また咳が

出てきた。 どうやら薬の効果が

切れてしまったらしい。

「ゲホッ、ゴホッ、、げほっけぼっ、!」

今までの咳よりも遥かに酷く、

さすがの僕も焦りに焦りまくっていた。


「……ゲホッ、ゲホッゲホッ、ケホッゴホッゲホッ

はぁっ…はぁぁ……ゲホッ、ゲホッ、ケホッ」


苦しい。喉が痛い。息ができない。

どうしよう、やばい、このままでは…。

僕は兄さんに電話しようとしたけれど、

咳が出ているせいでまともに話せる状況

ではなかった。


「ゲホッ、…ケホッゴホッゲホッ、ゴホッ、

はーっ、はーっ、、ゲホッ、、ゲホッ、ケホッ」


どうしても収まらない。

助けて兄さん。

僕はスマホをすぐさま手に取り

LINEで兄さんに助けを求めた。


「助けて」


僕はこの4文字だけをLINEに送った。

でも、既読がつかない。

「あねかいにいさん助けてくるしい、

既読ついて」


僕は焦りすぎて誤字ってしまった。

1分するとやっと兄さんの既読が着いた。


「大丈夫だから落ち着け今から家帰る」


既読が着いてから10秒もしないうちに

返信が来た。

相当焦っているのだろう。

兄さんだって焦っているじゃないか。


「ゲホッ、、ゴホッ、ゲホッゲホッゲホッ、、

おぇ…ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ、」


兄さんに助けを求めたのはいいが、

兄さんが帰ってくるまで

この咳と戦わなければならない。

頭がクラクラする。気持ち悪い。

咳が止まらない、


「…もう、やだぁ…ゲホッ、ゲホッ、、」


何分経過しただろうか。30分くらいまで

咳と戦っていると、玄関を開ける 音がした。

兄さんが帰ってきたのだ。


階段をかけ登る音が聞こえる。

その後、ガチャンと音を立てて兄さんが

部屋にやってきた。


「無一郎!!!!!!!」


「ゲホッ、ゲホッゲホッゲホッ、にいさ…ゲホッ、

はっ…ケホッゴホッゲホッ」


「落ち着け、大丈夫だ、深呼吸しろ」


「…すーっ、ゲホッ、、はーっ、ゲホッゲホッ」


「…大丈夫大丈夫」


兄さんは僕を抱きしめてずっと背中を

優しく ぽん、ぽん、と叩いてくれた。


「うぅ~…ゲホッ、、ゲホッゲホッ」


「…よしよし。大丈夫だから」


「ふっ…はぁ、ゲホッ、」


兄さんのおかげで咳はだんだんと

落ち着いてくる。


「…辛かったな。」


「…ゲホッ、ごめんなさい…ぼく、

迷惑かけちゃった」


「迷惑?俺は迷惑だと思ってない。 」


兄さんはそう言いながらずっと

抱きしめてくれて背中をさすってくれた。


「……ケホッ、はぁ…兄さん、ありがとう…」


「ちょうど将棋が終わった瞬間

お前の連絡を見たんだ。そしたらお前が

助けてって連絡してたから、急いで帰ってきた」


「そう、なんだ…」


「…ごめんな気づいてあげられなくて」


「…ゲホッ、違う、!兄さんは悪くない、

悪いのはこんな時に風邪ひいた僕、ゲホッ、」


「…お前は悪くない。ほら、今日は

沢山甘えていいから、もうそんなこと

言うな」


兄さんは僕の頭を撫でてくれた。


「……ケホッ、うん…。ねえ、にいさん」


「…ん」


「あのね、僕ね、兄さんの事すきだよ」


「知ってる。」


「…ゲホッ、ゲホッ、だ…だからね、風邪が

治ったら、沢山きすしてほしいんだ」


「…そんなのいくらでもしてやる」


「…えへ、兄さんありがとう」


僕はぎゅっと兄さんを抱きしめた。


兄さんの優しくて安心する匂いがする。

暖かい兄さん体温も感じれるし、

幸せだ。

僕達は10分くらい抱き着きあった。

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