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ー待合室ー
病院の待合室。窓から差し込む午後の光が、淡く床に影を落としている。
受付「石井蘭さん、大平祥生さん、外科の診察室へどうぞ」
蘭「……緊張するなぁ」
祥生「大丈夫だよ。俺も初めてじゃないし」
蘭「そ、そうだけど……」
診察室は白衣の匂いと消毒の香りが漂っていた。
奨「こんにちは、石井さん、大平さん。今日は血圧と呼吸のチェックですね」
蘭「はい……お願いします」
祥生「……俺は血圧、少し高めです」
奨「ではまず、石井さんから。呼吸は落ち着いていますか?」
蘭「……少し、夜に苦しい時があります」
祥「、、やっぱ」
蘭「え、、?」
祥「俺、夜いつも蘭が咳してるのわかっててん」
奨「あの、、お二人はお付き合いされてるんですか?」
蘭「はい」
奨「お似合いですね。」
祥「、、((笑」
奨「で、話を戻させていただきますが、夜に苦しいのですね。無理はせず、吸入と休息を忘れずに」
蘭「はい……ありがとうございます」
祥生「俺も、先生、お願いします」
奨「血圧が少し高めですが、焦らずに生活改善を意識してください」
祥生「……はい」
蘭「祥生くん、大丈夫?」
祥生「うん、蘭がそばにいるから大丈夫」
蘭「……ありがとう」
診察室を出た二人。廊下に柔らかい光が差し込み、二人の影がゆっくり重なって揺れた。
祥「(蘭を守りたい……)」
蘭「(祥生くんがそばにいてくれてよかった)」
二人の距離は、付き合ったばかりでまだ少し遠いけれど、確かに近づき始めていた。
END
次回につづく