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4. ◇嶋香織
私と夫は学生時代から付き合いはじめ、私が24才夫が24才の時に
結婚した。
共に薬学を出て薬剤師になった。
双方ともに家は一般的なサラリーマン家庭で薬学を
出してもらうのも結構大変だった。
もちろん私も啓吾もアルバイトをしながら勉強し、薬剤師の資格を
取得した。
私たちの夢は、結婚する前から決まっていた。
ふたりで薬局を持とう、という夢だ。
当面2人の夢のため、お金を溜めるというのが私たち夫婦の
第一目標になった。
だから当分の間子供を持たないという選択をした。
私たちは、またそれぞれが学費給付金(奨学金)の返済もあり
コツコツと地元で働き、まずはこちらのほうを完済させた。
次は念願の店舗だ。
そんな折、夫の啓吾が収入の多い都市部の薬局に仕事を見つけた。
私も一緒に付いて行ければよかったのだけれど、介護の必要な祖母が
いたため、母を残して行くことが難しくお互いに話し合い納得の上で、
啓吾だけが郷里を離れて新天地へ行くことになった。
そして啓吾が新しい調剤薬局に勤めるようになってから4年、私たちの預金も
後少しで自分たちの店舗が持てそうなところまできていた。