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【※必ず目を通して頂きたいこと※】
・VTA時代の彼らがガッツリ出てくるので苦手
な方 は注意です
・口調、解釈違い、若干のキャラ崩壊あり
・VTA時代のお話を元に書いている箇所がありますが、若干の脚色を含んでいます
・この作品は彼らの当時のお話以外、 私の妄想になります。
・実在する方のお名前を借りていますが、
ご本人様には一切関係ありません!
少し蒸し暑くなってきた頃、時間があったら事務所に来てくれと言われた。
事務所に七夕笹が置かれたから、願い事を書いて欲しいんだと。
七夕笹を実際に見てみると、 思ったより 大きくて何十人、何百人が書けそうなほどだった。
既に書かれている短冊もちらほらあった。
ちらほらとある短冊の中から1つ、
目に入ったものがあった。
(…、 凪さん真剣な願い事書けるようになったんだ…w)
俺が見つけたのは、青の短冊に書かれてあった凪さんの願い事だった。
【同期達と共にもっと輝けますように。】
すっげぇ、いいこと書いてんじゃん。
…前はコンプラ的に終わってたこと書いてたのに。
成長してるんだ…w
…というのも、ちょっと昔の話。
俺らがVTAに居るとき、星導が七夕の企画を考えてくれた。
当時、VTAに居た人達の願い事を星導が
募集してそれを紹介する配信だった。
願い事書いてる人ほぼいなかったけど…
凪さんにいたっては、読むことすらされてなかったからな、…w
マネさんチェック引っ掛かって、モザイクも掛かるとか何書いたらそうなんの…?
まぁ、凪さんらしいっちゃらしいか。
懐かし…、
そういや、他の人らはどんなこと書いてんだろ。
『おはよ〜』
「はよ。」
部屋のドアが開くと見慣れた藤色が入ってきた。
軽い挨拶を交わす。
荷物を多く持っているから収録終わりだろうか。
「星導も願い事書き来たの?」
『そうそう、マネさんに書きませか?って言われたから。』
『収録終わったから来ちゃった』
「そ。」
当たってた。
心の中でガッツポーズしとくわ。
『小柳くんはもう書いたの?』
「いや、まだ書いてない」
『じゃあ、一緒に書かない?』
『いいよ。』
短冊を書く用の机と椅子が置いてある。
暗めの木材をメインに上品な華が描いてあるデザインだ。
表で使えそうなくらいお洒落なデザイン。
七夕笹の近くに行くと、 星導は迷う事なく藤色の短冊を手に取った。
決まるの早すぎだろ。
…思いつかない。
何かしたい、とかのレベルは沢山あるけど願い事って言えるものは無いな…。
少し右上に目を向けてみると、星導も同じく悩んでいる様子だった。
『小柳くん、書き終わった?』
「や、全然書き終わってない」
『だよね〜、願い事って真面目に考えたら全然思いつかない』
「星導が悩むの珍しくね?」
『はぁ?』
『俺も悩む事くらいあるんですけど!?』
「何も聞こえな〜い」
『何コイツ!』
『ねぇ、小柳くん。織姫と彦星って1年に1回しか会えないじゃん?』
「うん。」
『何で1年に1回しか会えないか知ってる?』
…なんでだろう。
まず、織姫と彦星の関係自体が分からん。
「織姫と彦星ってどんな関係だったん?」
『織姫と彦星は恋人だったらしいよ。』
「へ〜、意外かも」
『逆に何だと思ってたの?w』
恋人がしそうな事か。
一緒に遊ぶ、一緒に出掛ける、一緒にゲームする、…
「周りに迷惑掛けるとか?」
いや、これだいぶ失礼だし偏見か。
『え、正解!』
「マジで?」
『マジで。』
周りに迷惑かけるで合ってんだ。
全然詳しくないけど、織姫と彦星って
超真面目なイメージだった。
『織姫と彦星って、お互い好き過ぎたが故に恋愛に夢中になって仕事を疎かにしちゃったんだって。』
『それで、あまりにも仕事をしないから神様が怒って2人を引き剥がしちゃって。』
『でも、仕事をちゃんと頑張ったら1年に1回会っていいって神様が言ったから、らしいよ。』
「意外と理由深いんだな。」
『でしょ?』
『でも、大切な人と突然会えなくなるのって悲しくないのかな。』
星導がそういった瞬間、俺はあの人を思い出した。
〚小悪魔系男子になる!〛とか言い出して
日々、色んな事に挑戦していたアイツを。
「どうだろな。」
とは言ったものの、勿論俺の本心ではな い。
大切な人と突然会えなくなるなんて 悲しいに決まってるだろ。
今まで何度も何度も話して、遊んで、配信 だって一緒にしたやつが急に居なくなって
ようやく会えたと思ったら『初めまして』
だなんて。
会いたい人に1年に1回でも会える織姫と彦星が羨ましいよ。
俺は、命が尽きる前にもう一度会えるか会えないかも分からないのに。
「なぁ、星導?」
『どうしたの?』
「短冊に書いた願い事って、ホントに叶う?」
『う〜ん、小柳くんが何お願いするか分かんないけど…』
『短冊に書いた願いを思う気持ちが強い程、叶いやすいんじゃない?』
「ありがと。」
『急にどうしたの?』
「いや? 書くこと思いついただけ。」
星導が急に荷物を片付け始めた。
だいぶ急いでるっぽい。
「帰る?」
『うん、急用が入っちゃったみたいだから。』
「分かった、おつかれ。」
『おつかれ〜。』
星導が帰ると一気に部屋が静まり返った。
やっぱり、急に人が居なくなると少しだけ寂しさが心に残る。
自分も短冊を書き終わったので、掛けようとしたとき、星導の短冊を見つけた。
藤色の短冊に綺麗な字で、
【同期の皆んなや、他のライバーさん達とこれからもバカみたいな事できますように。】
と、書かれていた。
クスッと笑ってしまう悪戯や遊びが大好きな星導にピッタリだと勝手ながら思う。
自分も短冊を掛けてみたけど、意外と掛けるのが難しかった。
俺は翡翠色の短冊を選んだ。
どの色の短冊も魅力的だったけど、 翡翠色の短冊は輝いているように見えたから。
『想う気持ちが強い程叶いやすい』か、…
…神様、何時まででも待つから、
叶えてくれないか?
何十年、何百年、何千年、俺が人生の幕を下ろすまで待ち続ける。
【また、大切な人と逢う事が出来ますように。】
…だから、叶えてくれないか?
家に帰るとすぐさまベッドに飛び込んだ。
マジでベッド最高。
何だか今日は一段と疲れた気がする。
短冊を書きに行っただけなんだけど。
寝ようと思い、時計を見ると午後1時を
指していた。
(この後にする事どうせ無いし、寝るか。)
いつもより寝る時間よりだいぶ早かったが急用が無かったので寝る事にする。
目を閉じると、すぐに意識が飛んでいきそうになった。
睡魔に身を任せ、そのまま深い眠りについた。
目を覚ますと、周りが真っ暗なところに居た。
外からの光が一切入っておらず暗闇、 という言葉がピッタリな程だった。
行く先は決まっていなかったが何かがあるかも知れない、と思い歩く事にした。
何分経ったのか分からなかったが暫く歩いたころ、一筋の光が差し込んでいる場所を
見つけた。
その光は、普通のまばゆい光ではなく、
見ているだけで心が癒されそうな見た目を
していた。
その光は、何故か自分を誘き寄せているように感じた。
その光に近づき、触れると、何か物事に 落胆したかのように力が全く入らなくなった。
そして、その瞬間途轍もない睡魔に誘われ もう一度意識を飛ばした。
もう一度目を覚ますと、今さっき見た光のような雰囲気を纏った雲の上に座っていた。
周りを見渡してみると遠くの方に人影が
あるのが見えた。
その人影も俺の存在に気づいたのか、振り返り、こちらに近づいてきた。
良い事でもあったのか、少しスキップをしながら歩いていた。
どんどん見た目が明確になってきた。
「…は?」
思わず言葉が出てしまった。
そりゃそうだろう。
今まで何年も逢えなかったやつが、何の前触れもなく俺の目の前にいるのだから。
〚ぴょん!〛
久しぶりに聞く愛称に、涙が溢れてそうになる。
〚何でそんな顔してるの? 〛
「別になんもないけど?w」
〚ホントに〜?〛
あれから、何年も経っているのに。
当時と全く変わらない星導が、嬉しかった けど寂しかった。
でも、また話すことが出来たのが何よりも嬉しかった。
しかし、何故VTA時代の星導が居るのだろうか。
「なぁ、星導?」
〚どしたの?〛
「何で、星導がここに居んの?」
〚何言ってんの。〛
〚小柳くんが会いたいって書いたんでしょ?〛
「…書いたって、短冊に?」
〚そうそう。 〛
短冊に書いたからって…、ホントに叶うと思っていなかった。
〚小柳くん、信じてないでしょ?〛
「信じてねぇけど…」
〚そんな小柳くんに、星導大先生が教えを授けましょう!〛
「うん。」
〚願いを思う気持ちが強い程、叶いやすくなるんじゃない?〛
〚僕の考えだけどね?〛
何を言うかと思うと、今と同じ事言ってるじゃん。
やっぱり変わってないんだな。
「お前、天才?」
〚でしょ?〛
〚まぁ、小悪魔なので〛
その言葉も久しぶりに聞いたよ。
何か言う度、取って付けたかのようにその言葉も言ってたよな。
〚ていうか、僕が大切ってこと?〛
「…そうだよ」
〚え…? ぴょんが素直に認めた…?〛
〚…明日、槍でも降るんじゃない?〛
「ぶっ飛ばすぞ」
コイツ、俺の事舐めすぎじゃね?
…まぁ、それでもいっか。
久しぶりに会ったからか、話したいことが沢山あった。
今はほとんど話すことのない当時の話や、
当時の同期たちとの話、デビュー出来たら
良いな、なんて他愛のない話を沢山した。
この時間は、今までで1番幸せだったと
思う。
でも、幸せな時間ってものは永くは続かないもので。
〚…ねぇ、小柳くん?〛
「どした?」
〚この時間、楽しかった?〛
「超楽しかった」
〚ホント? なら良かった。〛
〚僕も久しぶりに話せて嬉しかった。〛
急に何を言い出すんだ。
これから先、会えなくなるみたいな言い方をして。
「星導、これから会えなくなるとか無いよな?」
〚そうだよ?〛
…コイツは表情も変えずに何を言ってるんだ。
やっと逢えたのに、また何処かに行ってしまうのか?
「なら、星導も俺と一緒に来てくれよ」
〚それができないんだよね〛
「…何でだよ」
〚今さっき、思いが強い程叶いやすいって言ったけどさ〛
〚ちょっと違くて。〛
〚七夕のお願いって数百年に1回、神様が叶えてくれる時があるんだよね。〛
〚それで、今年の七夕が丁度その年だったって訳。〛
〚これは1日限りのお願いだから、一緒には行けないんだよね。〛
信じたくは無いけど、星導の表情を見るに嘘はついてないんだろうな。
〚…そんな顔しないでよ〛
〚そっちにはショウ君が居るでしょ?〛
その言葉が異様に引っ掛かる。
…確かに俺達のところにも星導は居るけど
星導はショウであって晶ではないんだよ。
〚…絶対、納得してないよね? 〛
「勿論。」
〚…じゃあ、僕の身代わりでも作ってみる?〛
「…どういうこと?」
〚小柳くんは長寿だからさ、次願いが叶う時になっても生きてるじゃん?〛
「死んでたらどうすんの?」
〚…まぁ、どうにかして生きていただいて〛
「頑張るわ。」
〚でね、願いが叶う年になるまで間、何かを僕の代わりにするの。〛
「…なるほど?」
〚ホントに分かってる?〛
それを見たら星導晶を思い出せる的な…?
「まぁ、何となく…?」
〚じゃあ、僕の身代わり何にする?〛
〚結構身近な物の方がいいよね?〛
身近な物で星導の代わりになるもの…。
…小悪魔しか出てこねぇわ。
でも小悪魔って別に身近じゃないしな…
「…星導が好きな物で」
〚絶対出てこなかったよね?〛
「うるさ〜い」
〚ん〜、…じゃあ天の川とか?〛
「いいじゃん。でもなんで?」
〚天の川って見れるの年に1回だからさ〛
〚〚そろそろ僕のこと忘れたかな〜?〛 く らいの時に思い出せそうじゃん?〛
お前のこと忘れることなんてあるわけないだろ。
…って、言いたかったけど次会ったときのためにお預けで。
〚毎年欠かさず見てよ〜?〛
「分かってるって。」
心做しか頭の中がふわふわしてきた気がする。
や、これ眠くなってんだ。
…え? このまま死ぬとか無いよな?
「…何か眠くなってきたんだけど」
〚大丈夫、時間が近づいてきただけたから。〛
〚なんか急に召されたりは無いから。〛
あっぶな。
死なないなら大丈夫だわ。
〚ねぇ〜、ぴょん?〛
「どした」
〚なんか僕に言いたい事とかないの?〛
〚帰ったら次いつ会えるか分かんないんだよ?〛
「あるにはあるけど…」
言いたい事は山程あるけど面と向かって
言うとなると気恥ずかしいというか…。
〚あれ〜? 小柳くん自分から話しかけれないの〜?w 〛
〚普段のカッコいい小柳ロウはどこ行っちゃったの〜?w 〛
…なんだコイツ。
顔面に右ストレートかましてやろうか?
〚僕が 自分から話しかけてあげましょうか〜?〛
マジでコイツ何なんだ。
…まぁ、でも確かに自分から言った方が良いか。
「…星導」
〚どうしたの?〛
「俺さ、お前と逢えてよかったわ。」
「ゲーム好きだし、同じ陰キャだしで、 共通点が沢山あったから」
「凄い話しやすかったし、話してて超楽しかった。」
〚僕もだよ?〛
「次会えるのがいつになるか分かんないけど、星導と会えるの楽しみに待ってる。」
「あと、お前が記憶喪失になってても俺は絶対星導のこと忘れないから。」
…クッソ恥ずいんだけど。
友達に今までの思い全部ぶつけることとか普通あるか?
〚さっすが!!〛
〚ここで堂々と言ってこそだもんね〜〛
「…楽しそうだな」
〚だってあの小柳ロウがですよ?〛
〚自分のこと全然言わないで有名な小柳ロウが!〛
〚ここまではっきり言うなんて…〛
〚お母さん嬉しい…!〛
「…お前の子供になった覚えはないぞ?」
…でも、今言ったこと全部本音だしな。
〚… ていうか僕の事陰キャって言った?〛
「どっからどう見ても陰キャだろ。」
〚はぁ? 陽キャの塊みたいな人間だろ!〛
何言っているんだ。
女性に話しかけることすら無理な人が陽キャの塊?
「陽キャの塊みたいな人はコンビ名の案に 陰キャなんて来ないと思いますけどね〜」
〚それは小柳くんもじゃん!〛
「…待って、意識飛んできいそう」
〚 …もう時間無いっぽいね。〛
他の人達にも会いたいけどやっぱりまだ、
ここに居たい。
〚小柳くんさ、絶対会いに来てよ?〛
〚僕、一人ぼっちだからすごい暇なの。 〛
〚だから、遊び来たら話し相手になってね?〛
「勿論。土産話、沢山持ってくわ。 」
数百年で色々変わってるだろうから、
色んな話だらけだろうけど。
〚小柳くん、じゃあまたn…〛
「…ちょっと待って」
〚どうしたの? もう時間なっちゃうよ?〛
「星導さ、天の川自分の身代わりにするって言ってたじゃん。」
〚うん。〛
「それさ、雨降ったらどうすんの?」
〚…それ今聞く!?〛
「…今思い出した。」
〚…見えないときは機嫌が良くないとでも思ってて? 〛
「…分かったわ。」
〚…まぁ、僕、 小悪魔だからね!〛
目が覚めた。
夢のような感覚だったけど、
記憶がはっきりと残っているから夢じゃ
ないんだろうな。
今までで1番良い眠りだった気もする。
時間を見るためにスマホの電源をつける。
久しぶりに見るブルーライトが目に刺さる。
スマホには11:12分と表示されていた。
…俺、寝過ぎじゃね?
10時間ちょっと寝るって、そうとう過労が溜まっててもないぞ。
…まぁ、その時間内 で話せたなら良いか。
腹減ったから、ラーメン食い行くことにする。
財布とスマホを持って外に出る。
やっぱり夜は人通りが少なくて快適。
でも、夜とは思えないくらい蒸し暑い。
マジで最近、気温 どうなってんの?
目的地に近づいてきた頃その場に立ち止まった。
俺は少し上に視線を向け、ある星を探していた。
そう、**天の川**だ。
年に一回だけの約束を破るわけにはいかないだろう。
天の川、初めて見た気がするけど晴天なのも相まってとても綺麗だった。
俺は、天の川に向けるようにこう話した。
「今年は機嫌損ねなかったんだな。」
「天の川、結構綺麗じゃん。」
「来年も綺麗な星空見せてくれよ?」
届いているか分からないけど。
…まぁ、きっと届いていることだろう。
天の川からゆっくりと視線を外していく。
その瞬間、何だか拗ねているかのような
顔が見えた。
「…何、 もっかい言ってほしいの?」
「だから、」
「…綺麗だよ。」
そう言うと、小悪魔的な笑みを浮べた
〚星導晶〛が見えた気がした。
End