「とりあえず腕‥‥離してもらえる?」
「先生‥‥好き」
これはマズい!
離されない腕と近づく顔
力任せに押し返すか‥‥
でも万が一、アクシアが怪我でもしたら‥‥
頭の中で色んな思考が駆け巡る
その時、急に目の前がパッと明るくなった
薄暗くなっていた互いの顔がハッキリと見え、俺達は教室の入口を同時に見た
そこには腕組みして扉に寄りかかるロウが立っていた
「お前達、こんな暗い教室で何してる?」
「あ、何もしてない!これは違うんだ!」
「ローレン先生」
「本当、なんでもなくて‥‥もしかしたら勘違いしてるかもしれないけどっ!」
「ローレン先生、落ち着いてください。まだ何も言ってないですよ」
ロウの諭すような瞳
俺はハッとなり、冷静さを取り戻す
目の前のアクシアはロウを見てから俯いていた
ロウは口元に笑みを浮かべながら俺たちに語りかける
「ローレン先生、学生主任が探してましたよ?教室の戸締り終えたら顔を出してみてください。アクシア君は‥‥遅くなったけど、送って行こうか?」
「あ‥‥大丈夫です。俺帰ります。‥‥さようなら」
「気を付けてな」
「気を付けて帰れよ」
急いでカバンを手に取り、俺達の合間を縫って早足で教室を出ていく
「じゃあ、俺も学年主任の所に‥‥」
「嘘だよ」
「へ‥‥?」
「お前があの後、保健室に来なかったから探してみただけ。お陰で助かったろ?」
「いや‥‥本当に‥‥。でもロウ‥‥」
「ここじゃなくて家で話そう。ローレンはまだ仕事あるだろう?俺先に帰るわ」
「そうだな」
とりあえず先に仕事を終わらせよう
職員室に戻り、先に帰るロウを見送ると仕事を始める
気が急いているせいかミスが重なり、あれから2時間経とうとしていた
ロウの部屋の鍵を開け、部屋に入る
すぐに鼻先にいい匂いが掠めた
手洗いと着替えを済ませ、ダイニングへ入るとテーブルにはご馳走が並べられている
俺が席に着くと冷えたビールが出された
「え‥‥凄くない?」
「フフッ、ローレンへのご機嫌取りだよ」
ご機嫌取り?
疲れた頭で考える
あぁ‥‥
宇佐美先生の事だ
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コメント
2件
こやきずいてるのかな? わっかんない 師匠のは想像つかないからまじで好き