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( 深夜投稿失礼
短編
< 二幕 >
今日もまた、1人墓地へ行く。
行ったところで何も無いのに、無意味なのに、哀しくなるだけなのに、
………でも、どうしても足を運んでしまう
どれだけ忙しくても退屈でも、
必ず朝の5時から6時は墓地に居る
彼女が起きて出勤する迄の時間。
墓地で遊戯も何も持たすせず、ただ空と彼女が眠っているベッドを見つめる。
他人からすれば唯々退屈な時間だろう
好んで墓地にずっと居る奴なんて早々居ない、
でも自分にとっては居心地がいい、
とても安らかで清く、戦場から逃れて安堵出来る場所だから、
本当はずっと此処に居たい
永遠に、彼女と一緒に居たい
でもそれは叶わない
自分はしょうもない争いが終わるまで生き続け、働き続けなければならないのだから
嗚呼、今彼女が僕の元に来てくれたら
天使の様に、女神様の様に、僕を迎えに来てくれたら、
どれだけ楽だっただろう、どれほど嬉しかっただろう
生命を投げ出す必要があろうと構わない、だって彼女と居られるのだから、
………そんな事を考えている内に時計塔の鐘がなる
6時を伝える鐘だ。
行かなくては、地獄に
天国には永く居られないから
「 明日もまた来るよ、 」
そう言って重い腰を上げ、地獄へと向かった。