コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
登場人物一覧
真島俊(26)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生 主人公
永野瑛二(26)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生
沖琉太(23)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生
上倉翔吾(23)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生
室口俊信(54)…警衛隊西日本方面本部室口班班長
長内貴也(34)…警衛隊西日本方面本部室口班副班長
福浦一生(39)…警衛隊西日本方面本部室口班狙撃主任
小倉通憲(50)…警衛隊西日本方面本部統括官
「俺だ決行してくれ」そう言うと真島は、電話を切った。
「何だ?決行?」原口は混乱しながら、聞いた数分後何やら外が騒がしくなってきた。原口は真島に銃口を向けつつ外に目をやった。そこには目を疑う光景が広がっていた。基地周辺に住んでる住人達が次々と雪崩のようにやってきたのだ。
「どうゆう事だ?」原口は真島に視線を戻した。すると真島は、原口にスマホを投げた。「それ見てみろ」真島に言われ、原口は、スマホに視線を落とした。そこには、自分達が中田達にされてきた事を盗撮した動画がネット上に拡散され炎上していた。
「永野が拡散した動画を見た住民達が基地に押し寄せてきてる」真島が言った。
「こんな事したらお前らクビだぞ」そう言いながら原口は涙を拭った。
「そんな事はどうでもいい。お前らが感じてきた苦痛、痛みそれに怒ってくれる人がこんなにもいるんだ。お前は1人じゃない。俺達同期や、あんなに怒ってくれる見ず知らずの人がいるんだ。1人で悩みを抱え込むな。俺達がついてるからな」真島の言葉に原口は号泣しながら膝から落ちた。その後、原口と南原は大阪府警に身柄を拘束された。そして原口、南原をいじめた中田は、除隊処分となり栗岡は、降格と減俸そして1ヶ月の謹慎処分が言い渡された。動画を拡散した永野には厳重注意がされた。そして小倉統括官は、この騒ぎを聞きつけ駆けつけてきたマスコミの対応に追われた。マスコミの対応が終わると小倉は、今度は最高統括本部から呼び出され、取り調べを受ける事になった。翌日には正式に記者会見を行い、小倉は今までに行われた基地内でのいじめや、集団自殺、殺人事件など隠蔽してきたことを全て公表し、これから二度とこのような悲劇が行われないように隊員候補生の教育方針の1からの見直す事をマスコミを通じて日本国民に誓った。それから数日後脱落者20人を出した追い込み訓練は終了しこれから正式に警衛隊員としての任務につくことが決まった。
「てことでカンパーイ」永野主導で隊員候補生らによる打ち上げが基地の食堂で行われた。「それにしても、みんなよく頑張った。うん、うん、みんな偉いぞー」永野が言うと横から「何様だよ笑」とツッコミを入れられた。翌日、朝の点呼が終わると1週間の長期休暇が隊員候補生らにあたえられた。点呼が終わると、真島は午前中は、永野、沖と共に基地近くのカラオケではしゃぎ続けた。午後になると着替えをスーツケースに入れ、彼女と同棲していた家に帰ることにした。今日は加奈(彼女)の誕生日だ。家に帰る前にケーキでも買っていくことにした。ケーキの入った袋を持ち家に向かった。しばらく歩いてると家に向かう途中の交差点で警察による通行止めがおこなわれていた。真島は近くにいた警察官に警察手帳を見せ、状況を聞いた。 ……………………………………………………………警衛隊に入隊しても警衛隊のみの所属ではなく前職も所属になる。つまり、前職、警察官であった真島は、今、警衛隊員兼警察官であるという事だ。 ……………………………………………………………「無差別殺傷事件が起きまして…」
「無差別殺傷?被害者の数は?」
「20名でそのうち、死者は10人です」
「犯人の行方は?」
「それが通報を受けまして駆けつけた時には既に犯人はおらず、今捜索中です」
「そうか、ありがとう」そう言うと真島は、家に帰ろうと振り返ったその時だった。自分の前を警察官が担架を持ち通った。一瞬だけだが以前、加奈にあげた香水の匂いがふんわりと自分の鼻に通って行った。
「すいません、ちょっと確認してもいいですか?」そう言うと真島は、掛けられていた布を取った。その瞬間、真島は、強い悲しみ、驚き、そして犯人に対する恨みが湧いてきた。同時に涙が目を濡らした。
「加奈?加奈、しっかりしろって」真島は、何度も彼女の体を揺らした。