──────いえもん視点──────
その後も会議が流れ、そして、作戦が立てられる。全員が納得し、しかし、不穏な空気が流れる。もう、これしか方法がない。そんな作戦が決まる。全員が覚悟を決め、この作戦は実行されるだろう。
──────準備。神に反逆するなんて、気軽にやるものでは無い。最低限、準備は必要だ。
アイツらがこぼした「1種族だけ残っても絶滅させる」。曖昧だが、そんなことを言っていた気がする。果たしてそれが本当かわからないが、もし、本当だと仮定する。本当ではなかったらただの杞憂で終わるのだから。本当ということにした場合、なぜ俺たちは戦争をやらされているのだろうか。そんな疑問がふと浮かぶ。正直、天使、悪魔だけで壊滅することが出来るのではないか。そんなことを思う。…上位種の考えなんて俺には理解出来ないだろう。そう、割り切る。俺には関係ないからだ。
準備期間。各々が戦闘の術を学ぶ。
「遅いわよ〜」
菓子さんはそう言いながらコーヒーをすする。俺は現在、菓子さんと戦っている。と、言っても手加減されているだろうが。
植物が俺の足を絡め、奪い取ろうとするのを重力で地面に押し付ける。ただ、ただの草だったそれが、にょきにょきと成長していく。それはやがてつるとなり、足元だけではなく俺の胴体も狙ってくる。
「───ッッ!!」
片手に持っていたものを落とし、銃を構え、数発発砲する。鈍く、重い音が庭に響く。つるは貫通することはなく、しかし、一瞬動きを止める。が、すぐに行動を開始する。
一瞬止まる。…本当に瞬き1回程度の間であった。俺は、次の作戦に実行する。
目を眩ませるように煙幕を辺りに散らす。植物に日光をあたるのを防ぐためであったが、つるは関係ないとばかりに俺に向かって一直線に向かってくる。
馬鹿だ。まんまと罠に引っかかった。俺は先程落としたもの──────ライターを思いっきり踏み、破壊する。
ボォォォン
そんな爆発音とともにつるは破壊される。あの煙幕は水蒸気で作られている。水蒸気爆発というもので、水蒸気に火を近ずけると爆発するのだ。
俺はと言えば、めめさんから貰ったローブで無傷であった。さすがは一度死亡しても復活できるローブである。難点は複製できないことだろう。逆に言えばそれくらいしかないのだ。
まだ爆発の余韻が残っているうちに蹴りをつけなければならない。こんなにも大きな音がなれば、菓子さんは異変に気づいてしまうだろう。すぐに反撃されかねない。だから、すぐにけりをつけなければならなかった。
ちなみにだが、さすがに殺すのはまずいので、相手が負けを認めるか、殺すことの出来る状況にすれば勝ち、そんなルールでやっている。
銃を構える。そして、発砲する。しかし、発砲するのは俺ではない。重力を絶妙にコントロールすることで重力だけで発砲することが可能になるほどまでに、俺は腕を上げたのだ。実戦で使うのは初めてだが、それが不意打ちとなるならば都合がいいだろう。
俺がこれを使った理由。それは、銃は大きな音がたるため、俺の位置を菓子さんから見て錯乱させるためであった。本命はナイフである。
──────いける。
このままいけば勝てる。そう思えた。何故ならばこれほどまでに戦略を練ったのだ。成功して欲しい。ただの願望に過ぎなかった。けれど強く願えば叶うものだと、俺は信じている。子供じみているが、それでも。
水蒸気が晴れてきた頃、それは試合の決着を意味していた。
「アウト。背後にいる可能性を考えた方がいいわ。」
ゾッとする気配を感じ、後ろを振り向く。そうすれば目に見えたのは巨大な大木であった。俺たちの身長の数倍はあるであろうそのサイズは規格外だった。こんなものを音を立てずになおかつ至近距離で短時間で創りあげる。化け物だ。俺は自信を嘲笑しながらそう思った。叶うわけがなかった。この大木で、なおかつ不意打ちだったと考えると俺は負けを認めざるを得なかった。
「参りました…」
俺がそう宣言した瞬間菓子さんは「よろしい」と、一言だけ言って大木を塵へと変える。ちなみに、と菓子さんが話を続ける。
「もし負けを認めなかったようにとあなたの立っているところに根を張ってあるの。だから最悪の場合拘束していたわ。」
どう足掻いても俺の負けは決まっていたらしい。地下なんて考えないだろ、と半ばなげやりの思考でそう思う。いい作戦だったと思ったがダメらしい。まだまだ勉強しなければ、そう決意する。あ、と俺は気になっていたことを聞くことにする。
「なんで煙幕張ってあるのに俺の場所がわかっていたんですか?」
そう聞けば菓子さんは下を指さしながら
「草が教えてくれたの。ちなみにあの爆発もわかった上で受けているわよ。明らかに水蒸気だってわかるもの。」
「…わかってて受けたんですか?」
「受けたふりをした方が油断するじゃない?大したダメージでもなかったわ」
全て見抜かれていた。完敗であった。受けることすら計算のうちだっとは。これが経験の差なのだろう。マメだらけになった手を見てそう思う。まだまだ努力が必要らしい。
(後で魔導書読も)
そう思い、俺は体を持ち上げた。
──────???視点──────
「複雑ですね…やはり、皆さん楽な人生は受けていないということですか。」
私──────めめんともりはそう思う。現在、みんなが修行しているのを横目に私は遺書を漁っていた。…漁っていたというのは言い方が悪い。訂正しよう。私は村民たちの遺書を読み、思いにふけていた。ぜんさんの死んだ記憶。茶子さんの記憶。この記憶が村民達にはない。いや、ぜんさんの死んだ記憶は知っている人は知っているのだが…。そして、1番衝撃的なのはれいまりさんについてあまり思い出せないのだ。思い出そうとすると記憶を黒く塗りつぶされたかのように思い出せない。おかしかった。死神である私から記憶から抜け落ちることなど有り得なかった。最高神ですら私の記憶を塗りつぶすのは難しいだろう。なら、誰か。██▽△▲→◑↑█←→↑○▲▽◑▽
《──────バクヲ発見──────》
《────スミヤカニ訂正セヨ────》
《コノ世界ノ本幹二振レサセテハナラヌ》
【_____________訂正完了_____________】
ここで切ります!最後不穏ですね〜!まあ、れいまりさんはある意味この世界の人では無いので記憶が薄れて言っているんですね。で、それにめめさんが気づいちゃって『訂正』されたわけです
戦闘シーン書くの楽しい!書いてみると作戦が思い浮かんでスラスラとかけてめっちゃメチャ楽しいです!おすすめ(?)菓子さんの性格を変えてるんですけど気づく人はいるんですかね?元々は優しめ、お節介、少し口調が強い時があるって感じでしたが、今は自尊心が高く、正義に執着し、単独行動を望みがち(自由行動であれば)。って感じですね!
それでは!おつはる!
コメント
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あーそっか、レイマリさんは…そうだもんね、忘れてたわ
rimrだけ何回もみんなの死んでる所とか見てるからバグったのかな