「記憶」
ひらじぐれん
h「れん!!またゲーム機が放置されてるんだけど?片付けてって言ったよね?」
n「そうやったっけ、…?」
h「はぁ…、れん が病気なのは分かるけどさ、流石にそろそろ甘えてらんないよ?」
n「ぇ、俺…病気なん?」
h「ッ…、それも忘れてるの?」
n「まぁ…忘れとるんかな?1㍉も記憶にないねん」
h「なら明日、病院行ってみよっか」
n「うん…ごめんな」
h「大丈夫だよ。 」
ほんまに俺は、何も覚えていない。
初めて言われたような感覚。
この前言われたかも?…ということも無い。
俺が病院で言われた事は 悪化。
ただそれだけだった。
h「れん、大丈夫?俺、昨日強く言いすぎよね」
n「ぇ、あぁ、まぁな?でも全然平気やで!……なぁ、しょう。」
h「ん?」
n「俺…いつかッ、しょう の事も忘れてしまうんやないかな…って思うねん.泣」
h「なッ、…そんな事言うなよ…!」
n「心配で胸が破裂しそうなんやッ!!」
h「…絶対に れん の事は守る。」
その日から俺は日記を書くようになった。
ある日…
グサッ.
しょう は通り魔の殺人鬼に狙われた俺を庇って亡くなった。
その事は日記にかいた。
ちゃんと書いた…書いたはずなのに。
ある日、日記帳を見つけた。
それは しょう ので日記帳だった。
亡くなって、部屋を片付ける時に見つけた。
その日記帳は 1日 だけ埋まっている。
でもそれに書いてある事は俺の日記帳とは別の出来事。
しょう を殺したのは殺人鬼じゃない…。
俺だったんや。
日記
_月_日(_)
「れん、読んでるかな?出来れば最後まで読んで欲しい。
れん は、精神がキツくなり、自殺を図った。俺に内緒で。でもそんなのバレバレでしばらく放置していた。でもそれは今日、実行するらしい。
俺は、止める。自殺する れん を止めてみせる。
だって、守るって決めたから。もしかしたら、事故死で俺が死ぬかもしれない。だから今日だけ、日記帳を用意してこれを書いている。
れん、ありがとね。空で見守ってるから…
ぁ、ちゃんと生きてよね?!もし、こっちに来たら許さないからね!!
元気でいるんだよ。」
h
きっと しょう は泣きながら書いたんやろな。
だって…文字が霞んどるもん。
下手やなぁ、俺には笑顔ばっかり向けて。
ここで泣いちゃて。俺の前で泣けばええのに…
n「あれ…」
俺、なんで泣いとるん?誰のために?
しょう って…誰なんやろ。
そうだ、日記…!
あれ、最近のしかない…。
今ある日記には全部…
しょう って言う名前が無い。
ここに書いてある名前は…
j「れん~?」
n「えっと、じん…?」
j「そう。また日記読んでたんだね。」
日記に書かれている名前は全部 じん としか書いてなかった。
その人は 俺 の今カレらしい。
n「ぁ、なぁ…じん?」
j「どうしたの?」
n「これ、誰か分かる?」
j「ッ…、その人は…れん の元カレさん」
n「そう、なんや」
記憶の無い 俺 に優しく説明してくれる じん。
俺 はきっと、この人のこういうとこに惚れたんやと思う。
j「ねぇ、れん。」
n「…ん?」
j「それ、見つけてよかった?いいって、思えた?」
n「そんなわけ…」
俺 は何故か言葉が出んかった。
見つけない方が良かったのかもしれない…だって、今は じん がいる訳で、しょう の名前をあまり出さん方がいいから。
でも、俺 からしたら見つけてよかったのかもしれない。
記憶にはあらへんけど、しょう っていう名前を聞くと、どこか懐かしい気がした…。
じん はどんな気持ちで 俺 と付き合っとるんかは知らんけど、今1番寄り添ってくれる人やと思う。
俺 は2人に出会ってほんまによかった。
n「じん…俺、じん の事めっちゃ好きやわ!!」
j「俺 もだよ?れん の事、だ~いすき!」
そのとき、じん が少しニヤついたのは気の所為だと…俺 は日記にかいた。
コメント
3件
構成最高すぎん🥲🥲