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平塚×厚木 R15(極めてR18より)
🦐→厚木に対して言及有り
やまなし おちなし いみなし
本当に趣味が悪いと思う。
指に触れる生ぬるい感触。背筋がゾクゾクして、つい顔を顰める。指を舐める動きから、指をパクリと咥えてしゃぶるように、吸い取るような動きになる。彼が何を示唆しているのか解らないほど無知ではない。
嫌悪感を示すように彼の方を見れば、上目遣いでおれの方を見て来ていた彼の目が合う。
「嫌だった?」
「…気持ち悪い、辞めろ」
本当に気持ち悪いなら、お前、僕のこと蹴っ飛ばすでしょ、とケラケラと平塚は笑いそう言う。
「今どう言う気分なの?」
どう言う気分って…、とおれが言葉に詰まると、平塚は舐めていた手とは逆の手を取ってスリスリと指先を撫でる。
「ッ…」
感じやすいよね、指。そう言われても、背中に走った甘い痺れでそれどころではない。そうしている間に再び指を食べられる。
今度は唾液を絡ませて、卑猥な音を立てるように喰われる。
何か不満なところがあったのか、彼はぴたりと動きを止めた。舌でちろちろと爪と指の間を刺激される。…爪が伸びてるってことか。
「何、爪伸びてるの嫌?」
「えー、だって厚木、引っ掻いてくるから」
ヤれないよりは別にいいけど、と言いつつも平塚は不満気に顔を膨らませる。
「犬のくせに文句言うなよ」
「はいはい、わんわん」
そう、平塚の提案で、何故か彼は首輪を付けている。そう言う趣味があるのかと思えば、リードをおれに渡してきたものだから普通にビビった。ほんと、そう言う趣味に付き合うのはごめんなんだが。
…それにしたって、少し、意地悪をしても構わないだろう。
「…そんなことを言うのはどの口?」
舌を人差し指で爪を立てるように刺激する。んぐっ、と平塚は少しえづく。バラバラと口の中で指を動かす。上顎を擦ったり引っ掻いたり、歯茎を爪で撫でたりもしてみる。健気に指を噛まないように顎を閉じられず、上手く快楽を逃すことができずに腰が抜けていく平塚が面白くて、もっと、と指を動かす。楽しい。
「…あはは」
「やっぱドSじゃん、厚木」
「…お前に付き合ってやってるだけだけど」
「え、つまり僕が作り変えたってこと? きゃー大胆な告白ー、厚木のえっちー」
「死ねカス」
酷い!と騒いでいる平塚を他所に、俺は軽くため息を吐いてベッドに足をあげる。ほらおいで、とリードを引っ張るれば彼はぐぅと喉を鳴らした。
そして、そのままおれに覆い被さってくる。
「…がっつきすぎだっつーのバカ」
「えー…据え膳食わぬは男の恥、だっけ?」
ねぇ、ダメ? と上目遣いでおれに聞いてくる。…断れないこと、知ってるくせに。あぁ、でもリードを手放したら…。
…もうどうでもいいか。偶には、快楽に溺れてみるのもいい。
「…ったく、駄犬がよ」
明日、愛たちにどう言い訳しようかな。その前に、明日ちゃんと動けたらいいんだけど。
…あーあ、抱き潰しちゃった。まぁ、厚木が許可出したのが悪いし。
明日怒られるかなー、とか正直どうでもいいことが頭に浮かんでくるのはドーパミンが脳から溢れ出てるからだろう。
…どうせ、こんな関係長くは続かないのにね。…とは言っても、なんだかんだ70年は続いてるか。
少なくとも、僕は厚木から離れたりなんかはしないよ。こんな性癖に付き合ってくれるからとかじゃない。
たぶん、ずっと、ずーっと好きなんだと思う。
けど、厚木は違う。あくまで後腐れのない性欲処理だから付き合ってくれてるだけ。
海老名が素直になって、厚木に告白したら、きっと厚木は受け入れる。厚木は、別にアイツのことを嫌ってはない。寧ろ同地域としては頼りにしてる。知ってる。厚木の横で嫌と言うほど見てきた。
そうなった場合、僕に勝算はない。
世の中の偽善者はさ、体より心って言うよね。でもさ、僕だって大好きなのに絶対に叶うことのない相手なら、体くらい先に貰ったってよくない?
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